樹皮・樹肌の履歴  アカナラ

札幌市役所の東側、北1条西2丁目にある市民会館前に植えられているアカナラです。 幹径は40~50cmくらいでしょうか。 根元がモコモコと異常に膨らんで四角い形になっています。

これは、植栽時に造られた植樹桝が小さかったためにその後の成長で根が盛り上がって、元々あった植樹桝を満杯にしたようです。 小さくなった枡を撤去して、新たに仕切石(植樹枡)を作り直したようですが、当初のものは地面から10cmほど高い植樹桝だったので、このように根が四角くなったようです。
街路樹枡からはみ出した根を持つ街路樹( → 樹皮・樹肌の履歴 プラタナス(その2) )を見かけますが、このように桝全体が根で一杯になったものを見る のは初めてです。

写真は、南区真駒内の街路樹アカナラです。
このアカナラも市民会館前のものと同じように、根が盛り上がってきています。 真駒内団地内の街路樹ですので、昭和40年代に植えられたもので、樹齢は60年前後でしょうか、幹径は50cmほどです。
これら2本の街路樹アカナラを見ると、根は何か障害物につきあたると、プラタナスの根のようにそれに覆い被さっていくのではなく、その内側に養分を溜めるというか、幹回りの成長より根が肥大する度合の方が大きいように見えます。

そして、もう一つ目を惹くのは、主幹と根の表皮の違いがはっきりとわかることです。 ハルニレなど根張りのある大きな樹を見ていますが、アカナラのように幹と根を分ける明確な線があり、しかも、表皮の模様に違いのある樹は初めてです。

このことがあってから、他の根張りのあるアカナラの根元を見てみると、全てに幹と根の間に明確な線があり、縦に割れる主幹の樹皮に対し、地面から出ている根の表皮はブナのように滑らかのものでした。 しかし、根の表面が長い間地表にでているものには、表皮が縦に割れてきているものもあり、このことからすると、最後には主幹の樹皮と同じようになるのではないか と推測しました。
しかし、写真の四角く膨らんだ根については、生長する部分から外れている場合は、表皮はこのままなのかもしれません。