ブドウ   紅葉

2024.9.29

ブドウ(品種;バッファロー)が紅葉しました。 今年は例年に比べてかなり早い紅葉です。 ブドウの収穫を9月10日過ぎに終えたのですが、その前の8月下旬から、まだ辺りの草花や樹木には秋の気配を感じない時期から葉色のつやが無くなり、赤黒く変色する葉で出てきて、全体的に葉が垂れ下がるようになっていました。
「随分と早いのでは?」と思いながら、その原因を考えてみました。

早期紅葉の原因には夏場の高温や乾燥、病虫害や栄養不足があげられますが、今回の早期紅葉には思い当たるふしがあります。

紅葉とは、葉の中にある葉緑素が分解されて、その中にある窒素リン酸、微量要素など自分では作れない、根から吸収しなければならい栄養素をブドウの樹体(幹枝や根)に戻す作業で、葉緑素(クロロフィル)の緑色が分解された結果、葉に残った物質、例えば黄葉する葉はカロテノイドが、紅葉する葉はアントシアンなどが目立つようになるのです。

この早期紅葉について、「そうではないか」と思い当たることがあります。
一つは、今年は6月に新梢を摘心したことで、ブドウ花房の花ぶるいが少なく、実つきの良い房、スーパーで売っているようなびしっと粒が詰まった房、それに近いような房が比較的多かったことです。
二つ目は、ジベレリン処理をすると粒の肥大化が可能で、1粒が4~5gになります。 無処理の場合は2g程です。 このジベレリン処理による粒の肥大化は、ブドウの樹体に大きな負担をかけることになります。 これを2年連続でやっている、しかも、本来将来に備えて充実させなければならない苗木を植えて2年目から大きな粒を実らせたのですから、ブドウ本体に大きな負担をかけていたことは間違いないのです。
これらのことがストレスとなり、ブドウ自身が早めに余計な?活動を止めて冬に備えようとしているのではないか?と思っているのです。

ブドウは通常、新梢が伸びるてその先に3つ花房をつけるのですが、来年は花房を持たない新梢や、たとえ花房を持ったにしても1花房か2花房のものが多いように思います。 今年も、1新梢につき2花房のものが多かったのですから。
来年は、ブドウ本体に負担をかけないように、全体に生らせる花房数を少なくしたり、1果房(花房)につける粒数を少なくするなど、樹にストレスをかけないようにする必要がありそうです。

⇒ ヤマブドウ  紅葉 

 

 

 

ブドウ 品種;バッファアロー 収穫


2024.9.2

ブドウを毎日1房づつ収穫しています。
今夏の収穫は8月17日(日曜日)が最初です。
我家で作っているバッファローという品種(スーパーではアーリー・スチューベンという名で売られています)は、8月中旬頃に収穫すると、甘味はのってきているのですが、まだ酸っぱ味も残っています。 本来のバッファローの甘さ、美味しさには至っていません。
それで、数日置いて収穫しました。 8月22日から毎日1房づつ食べています。 甘味は増しているのですが、しかし、まだ酸っぱ味も残っています。8月末になってやっとバッファローの濃厚な甘味になってきました。
この品種の一番美味しい食べ頃は8月下旬~9月上旬のようです。 ただし、これは、熟期促進のためのジベレリン処理をしているからで、未処理の場合は9月上旬~中旬のようです。 それでも、北海道で昔からつくられているブドウ品種、キャンベル・アーリーやナイアガラに比べて 、1ヵ月程早い早生種になります。

上の2枚のブドウの写真は、今日収穫したものです。左の房は、長さは15㎝強、重さは262g 粒数は50個です。 大きい粒になると8g/1粒、小さいもので4g/1粒ぐらいです。 1房の重さ262gを50個で割ると一粒の平均的な重さは5.24gですが、 茎の重さを割り引くと、1粒は約5g程でしょうか。
また、写真のブドウ房は比較的小さめで、粒数では100前後、重さでは400~500g近くの房もあったように思います。 バッファロー(アーリースチューベン)の1粒の重さをパソコンで調べると、2g/1粒ぐらいだそうで、ジベレリン処理をすると5g/1粒になると書かれています。
その意味では、我家のブドウにとって、ジベレリ処理は大いに効果があったということです。
ちなみに、大粒種の巨峰は10~12g/粒、大きいもので20g/粒にもなるそうです。 小粒種のデラウェアで2~3g/粒です。

 

 

ブドウ 摘房と ジベレリン処理(2回目)

引用

〇 ジベレリン処理1回目と摘心・整房
ブドウ(品種;バッファロー)のジベレリン処理(1回目)を行いました。 その目的はタネ無し化です。 ジベレリン処理をする日の目安は満開14日前後前なので、満開日を6月20~25日と推定して、6月11日に行いました。
今年の開花始め(気づいた日)は6月16日で、ジベレリン処理の5日後でした。ブドウの花には花弁がなく白い雄しべが2本ちょこんと出ているだけなので、花房全体の花がいつ咲いたのか?判別が難しいのです。 下の写真は令和2(2020年)に撮ったものですが、
おそらく、これぐらい咲いている状態が満開期ではないか?と思っています。
2020.6.26
今年の開花に気づいたのが6月16日なので、満開期は6月22日前後ではないか?と推定しました、 このブドウ品種バッファローを植えて4年目になるのですが、過去3年間のブドウの開花を見ていると、我家ではおおよそ6月20日過ぎのようです。

ジベレリン処理前日の6月10日に摘心(新梢の展葉枚数が10枚前後)と、果房の整理(長すぎる房を短くしたり、大きすぎる肩房を切除)をしています。

1回目のジベレリン処理ではジベラ錠を4個使って、200ccの液剤をつくりました。 1回目の処理時のブドウ房は8cmほどでそれほど大きくないので、細目のコップに入れて浸漬しました。

1回目ジベレリン処理  ⇒  ブドウ 摘心・整房とジベレリン処理

 

〇  2回目のジベレリン処理
下の写真は、ジベレリン処理2回目(7月2日)のときのブドウつるの繁
茂状況です。
2024.7.2
1枚1枚の葉が大きくなり、ブドウ柵をほぼ被うようになっています。新梢から出る副梢も伸びて、随時展葉2~4枚で摘心しています。 2024.7.2
新梢の展葉10枚前後のときに摘心をしているので、花ぶるいはそれほどではなかったようです。 この果房の実のつき方なら、まあまあの房、スーパーで売っているような実の詰まった房に少しは近づけそうです。 2024.7.2
〇 ジベレリン処理2回目
2回目処理の目的は、熟期促進と果粒の肥大化です。バッファローの収穫適期は9月上旬からですが、ジベレリン処理をすることで、熟期を8月下旬に早めることができます。
2回目のジベレリン処理は満開10日後と言われているので、7月2日(推定満開日から11日後)に行いました。
この時期になると果房も15~20cmと大きくなり、果房を浸漬するのに大きな容器が必要となるので、30~35果房?に200ccのジベレリン液を霧吹きで噴霧しました。

〇 摘房
バッファロー等の中粒種は、一つの新梢に1.5房(一つの新梢に1房若しくは2房)に整理摘房するのですが、この時期になるとツルは伸び、1枚1枚の葉は大きくなるので、一つの新梢にどのような房がついてるのか?(実付きの良い房なのか、花ぶるいしている房なのか)の確認に手間取るというか、やっかいなのです。
それと、たくさん実らせたいという誘惑と、こちらの新梢には1果房残す、あちらの新梢は2果房残すという手間のかかる確認と面倒な選択が相まって、どうしても摘房が甘くなってしまう、果房を多く残してしまうのです。

さて、ジベレリン処理を終えました。 後2か月弱の8月下旬に収穫適期を迎えます。甘くておいしいブドウができているか ?,、タネ無しになっているか? 楽しみです。

<追記>
〇 ジベレリン処理は何回も出来ないので、その効果を高めるためには、生育の旺盛な、また、出遅れている新芽などを芽かきして新梢の生育をそろえることが重要になります。

〇 摘房時期については、品種によって異なりますが、開花前と開花後に行う二通りがあるようです。 開花前に摘房する理由は、樹木への負担を少なくするためですが、当ブログでは開花後にしています。その理由は開花後の花ぶるいを確認して、実つきの良い房を残すためです。 我家のフドウは垣根仕立てなので、上述したように葉が繁茂して果房の良否の確認が厄介なので、開花前に1新梢3房を1房切除するのも有りかなと思っています。

 

我家の過去のジベレリン処理日

月日 令和4年(2022)
植付け2年目
令和5年(2023)
3年目
令和6年(2024)
4年目
6月8日 ジベレリン処理
6月9日 ジベレリン処理
6月10日 摘芯
6月11日 ジベレリン処理
7月2日 ジベレリン処理
7月4日 ジベレリン処理 ジベレリン処理
タネ無し化 不成功 成功 今年度は?

 

 

 

ブドウ 摘心・整房とジベレリン処理

5月上旬にブドウの芽が膨らんで新葉が2~3枚開き、その頃(5月11日)に芽かきをしました。
2024.6.13
それから約1ヵ月過ぎた樹姿が上の写真です。
新梢は1m以上伸び、1本あたりの葉の枚数も10枚前後になっています。 花房も新梢基部から2~5節の葉柄基部に1~3房つけています。 通常は3房/1新梢につけると言われていますが、今年の我家のブドウ(品種;バッファロー)は2房/1新梢が多いようです。植えて間もない若木にもかかわらす昨年果実を生らし過ぎたのが影響したのかもしれません。

6月中旬、この時期に① 摘心、② 房の整形、③ ジベレリン処理を行います。ブドウの花が咲く前後にこの3つが美味しいブドウを作るための重要な作業です。

① 摘心
下の写真は摘心前(左)と摘心後(右)のものです。
左右の違いが判るでしょうか?
写真左側 ブドウつるの先端に小さな葉が上下2枚出ています。
写真右側 2枚の内、下の葉1枚がなくなっています。 摘心しました。

2024.6.13
この摘心をすることによって、これから開花しようとしている花に養分を留めて、小さな果実にしようとしているのです。
もし、摘心をしないと、葉でつくった養分は先端に向かって葉(つる)をどんどんと伸ばします。 その結果、ブドウの花は咲いたけれど小さな果実にならない現象が起こるのです。 これを「花ぶるい」と呼んでいます。 花ぶるいが起きた房は、スーパーに売っているようなびっしり実の詰まった房にはならないのです。

② 整房
下の写真は、整房前(左)と整房後(右)です。
ブドウ房の基部から3本に分かれているので、左側の房を切除しました。
2024.6.13
整房は果房を整形することですが、家庭で作る場合、生業ではないので果房の形にこだわらなくてもよいのですが、巨峰のように大粒種ではたくさんの実をつけると秋の収穫時になっても果実の色が薄い茶色のままで黒く熟さないことが多々あるので、果房の着果量を少なくすることで、完熟した美味しい果実ができ、来年のための枝の充実も図れます。

ブドウは他の果実に比べて房の個々の果実は、秋の成熟期よりはるか以前にほぼ一人前の大きさになるので、それぞれの果実に一定量の糖分が流れ込まないと、言い方を変えれば、葉の光合成でできた糖分を届けてやらないと、果実は成熟しない、特に大粒種は甘くならないのです。 北国である札幌では夏の期間が短く気温も低いため、光合成できる糖分も少ないために、甘味の乗らないブドウができやすいのです。
その意味で、1個当たりの果実の糖分量を多くするために、整房・整粒・摘房は欠かせない作業になります。

③ ジベレリン処理
ジベレリン処理はシーズン中に2回行うのですが、1回目の処理はタネなし化のためのものです。 昨年は新梢の葉が10枚になったときに摘心をして、その後にジベレリン処理をしました。 そうしたら、スーパーで売ってる実がびっしり詰まった房にはならなかったのですが、タネのないブドウ(品種;バッファロー)ができました。
※タネ無し化のためのジベレリンの処理の方法・時期はブドウの品種によって異なる

2024,6,17
写真はジベレリン処理をするために、ホーマックの園芸コーナーで購入したものです。ジベラ錠と言います。 白い錠剤5個と説明書が入っていて、説明書に品種ごとの処方が書かれています、
1錠を50ccの水に溶かして、ブドウの房をそれに3~4秒ほど浸漬するのですが、房長が7~10cmほどあるので、50ccの量では少なすぎて、3錠を溶かし150ccにして、約35房?ほど浸漬しています。 今年は3錠では足りなくて4錠使いました。 ジベラ錠は5錠入りで1000円ちょっとするので、1回の処理に800円かかり、熟期促進のためにもう1回の処理が必要なので、合計1600円かかるのです。 割高感は否めません。
とりあえず、今年もタネなしブドウができることを祈っています。 2年連続タネなし化に成功すれば、ブドウ品種バッファローについては、新梢の展葉枚数が10枚のときに摘心して、その後ジベレリン処理すれば、少々?相当?大袈裟ですが、我家において、ブドウのタネなし化の技術を手に入れたことになります。

 

 

ブドウ  芽かき

2024.5.21

写真は5月21日に撮ったもので、葉が6枚前後展葉して、花房も葉の間から立ち上がってきています。 芽かきを10日前の5月11日に行っています。 この作業はブドウ栽培にっとて欠かせないものの一つです。2024,5,10
写真は芽かきをしたときの平均的な新芽の状態です。 一般的に葉が2~3枚展葉した頃と言われています。 勢いの良すぎるものや出遅れて成長の遅い新芽を芽かきしています。

芽かきの意味・目的
枝にたくさんついている新芽をすべて伸長させると枝葉が込み合い、太陽に当たらない葉が出てきます。 このことは、葉で行われている光合成の効率を落とし、果実の充実(大きくしたり甘みを増やす)に影響を与えます。 枝葉が混んでくると風通しが悪くなり病虫害が発生しやすくなります。
また、勢いの良すぎる新芽や芽出しの遅い新芽、間隔が狭くなっている芽など取り除いた方が適切と思われる 芽を芽かきすることによって、それぞれの新芽を均等に伸長させ、それぞれの枝の果実を充実させることができるようになります。

上図は、昨年(2023)の11月の投稿「剪定と着房数」で、我家のブドウ柵(縦:横=1.6 ✕ 3.1m)に、今春、いくつブドウ房を実らせるか?を検討するために作成したものです。
図に書いてある数字(11芽、15芽、7芽、11芽)は、昨秋、剪定後に4本の枝についている芽の数で、これを芽かきして30芽にする予定でした。
⇒ ブドウ  剪定と着房数

昨秋時の各枝の芽数 残こす芽の予定数 芽かき後の芽数    備考
上段11芽の枝 11芽 7~8芽 9芽
上段15芽の枝 15芽 10芽 6芽 枝先の1/3 が枯れて、新芽枯損
下段7芽の枝 7芽 5芽 4芽
下段11芽の枝 11芽 7~8芽 7芽 枝先の新芽が枯損
合計 44芽 30芽 26芽

昨秋、剪定を終えた時点で芽の数が44で、今春の芽かきで30芽残す予定が、実際は26芽になりました。 予定数より4芽少なくなっています。 しかし、このまま26芽を伸ばすと、枝葉が込んできそうな感じがします。 もう少し新梢(新芽)の整理がひつようかもしれません。
これから各芽から出た 新梢の誘引作業に入ります。 この作業で各新梢を適当な間隔(なるべく葉が重ならないような幅)に誘引します。
さて、どうなりますか?

2024.5.21
新梢が20~40cmに伸びて、展葉は5~6枚です。 そろそろ誘引する時期にきています。