春の訪れ2024(その2)

2024.4.14
豊平公園の野草園に咲いています。 春先に最も早く咲く花の一つ、フクジュソウです。
2024.4.14
昨秋降り積もった落葉の絨毯から黄色のかわいい花を覗かせています。2015.4.22
それが2~3週間後の4月下旬~5月上旬になると、写真のようにカタクリやエゾエンゴサクなそ早春の花に被われてしまします。 フクジュソウはその頃には花も終わり、タネを作り始めています。
2024.4.14
野草園の別の区画では、カタクリの花も咲き始めています。
2024.4.14
写真はショウジョウバカマ。ムラサキの花が葉の下から顔を覗かせています。

2024.4.14
ヒュウガミズキ
地下鉄豊平公園駅の2番出口を出て直ぐ、豊平公園緑のセンターに行く途中左側に咲
いています。
⇒ ヒュウガミズキ  生垣

2024.4.14
ヤチダモの並木(列植)
豊平公園の前身は国の林業試験場で、現在、豊平区西岡にある森林総合研究所北海道支所です。
ヤチダモの芽出しは5月中旬以降で比較的遅いので、その並木の下には春先に太陽が欲しいチューリップやムスカリなどの球根類やクリスマスロースが植えられています。
⇒ 豊平公園

ミニトマト 100円ショップ

毎年4月上旬にトマトのタネをまくのですが、最近気になっていることは、トマトのタネの値段が思いのほか高いことです。トマトのタネは他の野菜のタネに比べるとかなり小さいので、特にそう思ってしまうのかもしれませんが・・・・・。
ホーマックで売っているサカタのタネのミニトマトの品種 “アイコ” は1袋に17粒入って525円、1粒にすると31円、タキイ種苗のフルティカ(中玉)品種は13粒で548円、1粒42円/粒です。
トマトのポット苗でも安いものなら、1鉢100円くらいで売っているので(今春は上がっている?)、タネだけで30~40円は高いと思ってしまいます。
ところが、先日、100円ショップで野菜のタネが並んでいたので、トマトのタネ1袋を手にしてレジに行ったら、店員さんに、「2袋で100円です。」と言われました。 タネをまくときに粒数を数えたら34粒入っていました。1粒1.5円です。
以下の表はミニトマト品種の種苗会社別の比較です。

名称 生産地 発芽率 粒数 価格   単価
アイコ(サカタのタネ) ブラジル 80% 17 525円 31円
フルティカ(タキイ種苗) タイ 85% 13 547円 42円
プレミアムルビー(アタリア農園) インド 80% ※60 316円 5.3円
鈴なりミニトマト(100円ショップ) インド 80% ※68 110円 1.5円

※アタリア農園と100円ショップは粒数ではなく量で表示されていて、アタリア農園;0.2ml/袋、100円ショップ;0,1ml/袋で、それぞれを数えると60粒、34粒入っていた。

それにしても、この20~30倍の価格差は何を意味しているのか?と思わず考えてしまいました。

問題は、発芽率と食味ですが、
〇  発芽率については、
・アイコ      12粒 → 11発芽   92%
・プレミアムルビー 12粒 → 12発芽  100%
・鈴なりミニトマト 24粒 → 22発芽   92%
なので100円ショップのタネも袋の表示通り80%を十分超えています。

2023.4.15
写真は4月5日にミニトマトのタネをまいたものです。
左側1~2列がアイコ(サカタのタネ)、3~4列がプレミアムルビー(アタリア農園)、右側2列が鈴なりミニトマト(100円ショップ)。
左側(アイコ、プレミアムルビー)と右側(鈴なりミニトマト;100円ショップ)で苗の大きさに違いがありますが、これは100円ショップのは種用土が乾燥していたために発芽が2~3日?遅れたことが原因です。

〇 100円ショップの培養土(種まき用土)について
種まき用土は、ホーマックなどで販売されている挿し木や種まき用の用土を使います。その理由は、一度使った鉢土や畑土には雑菌(土の中いる菌には良い菌もいれば悪い菌も入り混じってたくさんいる)がいて、それが発芽したての幼苗を枯らすなどの悪い作用をもたらすので、新鮮な土若しくは熱処理(滅菌)などした土を使用するのです。 上の写真の左側がホーマックで購入した、は種・挿し木用土で、右側の赤い土が100円ショップで買った用土です。

・は種・挿し木用土(ホーマック 5L;400円弱)には、火山れき、ピートモス、堆肥等が入っている
・元肥入り培養土(100円ショップ 3L;110円)には、※ココヤシピート、パーライトが入っている
※ココヤシピートモス → ココピート

100円ショップで買った培養土でタネをまくのは少々心配だったのですが、タネは問題なく発芽したので、この培養土は十分使えそうです。

は種用土については100円ショップのもので十分使えそうですが、ミニトマトのタネについて大事なことは味、食味です。いくらタネの値段が安くても味が今一なら使う値はありません。しかし、これについては食べてみないと判らないので、8月になってからのお楽しみです。
一つ言えることは、トマトの美味しさは品種による差よりも、栽培法や生る時期による部分が大きく影響するので、100円ショップの鈴なりミニトマトも十分美味しいと思っています。

 

 

 

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なので、小項目を開くには、各大項目の文字の左側に小さな四角形のポッチがあるので、それをクックしてください。大項目の文字をクリックしても小項目は出てきません。
よろしくお願いします。

 

活性酸素と抗酸化物質

自分がその年齢になってしまったのか、まだ真っ暗な午前5時頃に目覚めてしまうことが多くなりました。何もすることがないのでテレビをつけると、やたら健康食品やサプリメントの宣伝を兼ねた番組が延々と流れています。その中で「抗酸化物質」という言葉を時折耳にします。
この「抗酸化物質」とは、人間が生命維持活動をする上でどうしても体内に発生する活性酸素の働きを抑えてくれる物質です。

人間は食べ物を胃腸で細かく分解し、その分解された食物は小腸で血管内に吸収されて体全体の細胞に運ばれます。細胞に運ばれた栄養分はエネルギーに変換されて人間の体温維持やあらゆる行動を支える源になります。
細胞に運ばれた栄養分が分解されてエネルギーがつくられる過程で多くの酸素を必要とします。空気中の酸素は比較的安定していますが、呼吸によって体内に取り入れられた酸素は、エネルギーを作り出す代謝過程(細胞内で起こる化学反応)で不安定な状態になり、近くにある物質と盛んに結びつき、酸化力が強い「※活性酸素」が生成されます。生きていくために吸った酸素から毒性の強い活性酸素が作り出され、細胞を酸化して傷つけ、それは鉄に例えると、真新しいきれいな鉄が赤く錆びてぼろぼろになったのと同じ状態で、がんや生活習慣病、老化などを引き起こす一因になります。酸素を吸って生きている人間にとって、代謝の過程で発生する活性酸素の害は避けることができないのです。

※活性酸素呼吸によって取り込まれた酸素の一部が通常よりも活性化した状態のことで、ヒトを含む哺乳類の場合、取り込んだ酸素の数%が活性酸素になるといわれている。白血球から作られる活性酸素は細胞伝達物質や免疫機能としての働きがあり、私たちの身体の働きを正常に保つうえで不可欠な役割を担っていている。

この活性酸素といち早く結びついて細胞に害を与えないようにしてくれるのが抗酸化物質で、※ポリフェノール類やカロテン類、ビタミンCやビタミンEがあります。ポリフェノール類では、ワインやブルーベリーで有名なアントシアニン、大豆のイソフラボン、ソバのルチンなどがあります。カロテン類では人参のβーカロテンやトマトのリコピンなどです。
人間の体にはもともと体内で抗酸化酵素(酸化作用を持つ酵素)が作られ、活性酸素の抑制に働いていますが、抗酸化酵素を作り出す能力は20代をピークに低下し、抗酸化作用は加齢と共に減少してくのだそうです。なので、野菜や果物を多く摂りなさいと言われる所以なのです 。
※ポリフェノール類;ポリフェノールは、ほとんどの植物に存在する苦味や色素の成分で、自然界に5,000種類以上あると言われています。ポリフェノールは抗酸化作用が強く、活性酸素などの有害物質を無害な物質に変える作用がある。(健康長寿ネットより)

それでは、植物はどうでしょうか?
植物は動物と違って、光エネルギーと二酸化炭素と水から有機物のデンプンを合成しています。それを使って呼吸による生命維持活動と自分の体を大きくしています。
ところが、面白いことに、植物は光合成に必要な光エネルギーを吸収する際に必要以上のものを吸収してしまうのです。その余った光エネルギーが化学反応を起こして活性酸素を作り出すのです。

👉 シャクナゲはなぜ冬に葉を丸めるのか?

また、球根や樹木の新芽が赤くなっているのを見かけます。 生長すると赤色は消えて緑色になるのですが。 この赤く染まる原因は、新芽や若い葉は紫外線を受けるとそれに伴い発生する活性酸素の害を受ける、受けやすいのです。

👉 植物の新芽はなぜ赤い? 

それを防御するために、植物も人間(動物)と同じように体内で抗酸化酵素を生成しているのですが、その他に人間には体内で合成できないポリフェノール類やカロテン類などの抗酸化物質を生成して活性酸素がもたらす害を防いでいると考えれれています。

植物と人間(動物)は外見的にも中身的にも 全く違うものなので、両者は何もかも全てが違ったものであるかのように想像しがちですが、細胞レベルで見ると、植物も動物も細胞内では化学反応を起こして有機物を分解してエネルギーをつくる代謝もしくは呼吸を行っています。生命維持における活動?作用?という点ではほとんど同じなのです。
植物と動物の違いを根源的というか細かい部分は別にして大まかに言うと、有機物を合成できるかどうか?、光合成をする葉緑体をもっているかどうか ?です。 そう考えると細胞レベルでは、動物より植物の方がある意味で高等?、進化している?、より複雑な組織体である?ように思えるのです。

 

 

 

メネデール

メネデールという園芸資材があります。

名前のメネデールは、「芽」と「根」がでるから「メネデール」だそうです。 この資材の使い方は原液を100倍に薄めたものを、
①樹木の移植時の土壌潅注
②弱った樹木に樹幹注入
③挿し芽、挿し木苗の水揚げ時に
④種まきの植床に
など樹木や草花・鉢花、野菜などの発芽・発根、樹木の樹勢回復などに使います。なかなか便利な資材なのですが、これは肥料ではなく、この商品のラベルには「植物活力素」と書かれています。 植物を元気にする資材です。
それでは、このメネデールの中には何が入っているのでしょうか? 窒素(N)やリン酸(P)などの肥料成分や亜鉛(Z)・ホウ素(B)などの微量要素はまったく入っておらず、微量要素の 鉄(Fe)のみです。
高校の生物の授業で下図に見覚えはありませんか?

この図はドベネックの桶といわれるもので、リービッヒの最小養分率を分かりやすく説明している図です。 桶1枚1枚の板それぞれが窒素やリン酸、鉄やカルシュウムなどの栄養素にあたります。その意味は「植物の生育はその植物に供給される諸養分のうち,その量が最少のものに制限される」というものです。
この説からすると、植物にとって必須の微量要素は鉄以外に7種類あり、それらのどれ一つが欠けても植物は正常に生育しないのです。 鉄だけ多く与えても桶からただ流れ出るだけです。
その意味で、この鉄だけしか含まれていないメネデールという活力剤は植物にとって本当に効果があるのか?と以前から少々疑問に思っていました。
ところが最近、健康に関するページ(ブログ)でこんな図を見つけました。

これは、人間にとって必要な栄養素をビラミッド図化したものです。そのブログのタイトルは「野菜たっぷりなら良いわけではない、糖尿病患者にほぼ確実に不足している”ある食べ物”」というもので、医師の水野雅登氏という方が書かれているのですが、その中で、鉄分に関して以下のように説明しています。

「本来は、鉄はミネラルの一種ですから、このピラミッドでいうと一番上に含まれることになります。しかし、わざわざ別にしているのは、他のミネラルよりも優先順位が高いからです。
欧米などの諸外国では、小麦粉などへの鉄の添加が法律で義務づけられています。他にも、ベトナムでは調味料のナンプラーに、モロッコでは塩に、中国では醤油に鉄添加が行われています。各国が、貧血の予防のために国策として鉄添加を行っているのです。
しかし、日本では、こうした国策として鉄を添加する、ということは行われていません。その結果、多くの国民が鉄不足に悩まされています。しかも、それは貧血と認識されていないことも多々あります。」

水野氏は、人間の体にとって鉄分は他のビタミン・ミネラルより優先順位が高く、必要量が多いと言っているのです。
確かに、鉄は赤血球の材料であり、体内には3~4gの鉄が存在し、このうちの70~75%は機能鉄と呼ばれ、赤血球中のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンというタンパク質の構成成分となっており、体内に取り込まれた酸素を全身に運ぶ大切な働きがあります。(大塚製薬  栄養素カレッジより抜粋)

それでは、植物にとって鉄はどのような働きをしているのでしょうか?
植物は、光エネルギーと二酸化炭素と水で有機物のでんぷんをつくる光合成を行っています。その場所が葉緑体で、その中に鉄が存在します。また、植物体個々の細胞は※呼吸をしていて、鉄はその際の酵素運搬タンパク質の合成などをおこなってます。
※呼吸とは細胞の中で有機物(でんぷん)を分解して生命が活動するために必要なエネルギーを作るための働き。 有機物のでんぷんを分解するときに酸素が必要で、分解されると二酸化炭素と水に分解され、その時にエネルギーが発生し、細胞内外で酸素と二酸化炭素の交換が行われる。

このように鉄は動物(人間)も植物も共に酸素の運搬やタンパク質の合成など重要な働きをしているのです。 水野医師は「鉄は動物(人間)にとって他のミネラルより優先順位が高く多く必要である」と言っていますが、上図ベネツクの桶の個々の板(窒素やリン酸、鉄や亜鉛などの栄養素)の天端は同じ高さなので一見量も同じだと錯覚してしまいそうですが、それぞれの必要量は違っていて、最も必要量の多いのが窒素(N)ですが、微量要素8種 の中では鉄分は植物にとって他の微量要素よりも必要量が多いのではないかと思うのです。

それでは、土壌中に鉄が少ないのか?といえばそうではなく、河原に転がっている石の中など地球上のいたるところにふんだんに存在します。 土壌中では、酸素、ケイ素、アルミニウムに続き4番目に多い元素です。 その鉄分が根から吸収されるにはイオンの形態で水に溶けている必要があるのです。ところが土壌中の※鉄イオンは酸素と結びつやすく酸化鉄(赤さび)となり根から吸収されない形態になります。 それに加えて、鉄イオンの状態で水中で存在する鉄分は極わずかのようなのです。植物はこのわずかの鉄イオンを根から吸収するために、根の先から有機酸などを分泌して根から吸収できる形態に変えて利用しているのです。イネ科植物は根からムギネ酸を分泌して鉄を吸収することで知られています。

※鉄イオン 鉄イオンは二価鉄(fe2+)と三価鉄(fe3+)があるのですが、多くは根から吸収することができない三価鉄です。 そのため、植物は根から有機酸などの物質を分泌して三価鉄を二価鉄に変換(還元)して取り込んでいるのです。

鉄は土壌中に多量に存在するけれど、植物の根が吸収できる鉄はほんのわずかで、その取り込みに苦労?しているのです。 それで、根がすぐに利用できる二価鉄を 溶け込ませた資材がメネデールのようです。 特に、乾燥や過湿、寒さ、移植時など植物の体力が弱っているときは根から有機酸などの物質を出す力も弱まるので、鉄の吸収ができなくなってしまいます。メネデールの用途は、
①樹木の移植時の土壌潅注
②弱った樹木に樹幹注入
③挿し芽、挿し木苗の水揚げ時に
④種まきの植床に
①~③は植物の体力が弱まっている状態のときなので、メネデールは効果を発揮するのです。

メネデールの効果について少々疑問を持ってこの投稿を書き始めたのですが、調べつつ書き綴っていくうちに、メネデールというより鉄の効果について、鉄が動物(人間)も植物も両者の生命維持にとって重要な働きをしていることを再確認した次第です。

<追記>
メネデールの水溶液に溶けている二価鉄(fe2+)は土壌に潅水されると酸化されて根から吸収されなくなります。ので、メネデールを1回やるだけでは効果は薄いのです。使い方については、下記ページを参考にしてください。

メネデールの使い方
⇒ https://www.menedael.co.jp/products/menedael/gardening/