外構植栽(その1) 中央区南18条西10丁目

2017.8.27
写真は中央区南18条、石山通沿いの建物の外構植栽です。長さ20m?、奥行約2mの敷地に、高木としてアオダモの株立ち、中木にノリウツギ、株物としてシモツケ、地被植物にフッキソウが植えられています。

アオダモの開花期は6月上旬、ノリウツギは7月、シモツケは8月というように、 札幌の初夏から秋にかけて順次花が咲いていくように植物材料を選んでいます。 また、高木・中木・低木・地被測物を狭い空間に立体的に用い、北国(札幌)の短い夏を最大限に利用しています。 これらの植物材料を組み合わせて造った外構植栽を見るのは初めてで、札幌の気候風土、植物を知っている会社が請負って造ったものだな と一目でわかりました。

札幌市内の建物の外構植栽で良く見かけるのがサツキの寄植です。管理が行き届いて6月下旬から7月上旬にかけてきれいに咲いているものもあるのですが、歯抜けになったり、花が咲かずに葉も疎らでいかにも枯死しそうな株があったりで、外構植栽として機能を果たしていないものを多々見かけます。

なぜ、北海道に適さない、寒さに弱いサツキがいまだに札幌の街に植え続けられているのか?というと、施工主(ビル等のオーナー)は、外構植栽に関わる費用は建物本体に比べると微々たるものなので、設計・施工業者に一纏めで発注します。 東京など本州資本が多い請負業者は、札幌の気候風土など考慮せずにワンパターンで造ってしまうことのようです。 当外構植栽の施工主は、東京の資本か?札幌の資本か?、それはわかりませんが、これを請負ったのは札幌の造園業者であることは確かなようです。

これらの植物材料は比較的手間のかからないのもので、2~3年?は手を付けずに放置しても現状の形態を保ちますが、植物(樹木)は日々成長します。この外構植栽をそれ以上何年も手を付けずに放置すると、見るも無残な姿に変容します。 これを今後ともこの状態に維持できるかどうかは、施工主の考え方で決まります。 ここの施工主は樹木や植物に理解のある方のようなので、おそらく、大丈夫なのでしょう。