コクワ(サルナシ)とマタタビ 冬芽

コクワ(サルナシ)とマタタビはつる性で同じマタタビ科マタタビ属で、花の形状も
よく似ています。

2011.6.29                                                       2011.7.7
左はコクワ、右がマタタビ。 花の大きさは、コクワが2cm程、マタタビが3cmと、後者の方が一回り大きい。 コクワの葯(やく:雄しべの先の花粉がつくところ)は黒色で、マタタビは淡黄色。 写真の花は両種とも雄花。 両種とも雌雄異株で、雄株と両性花。

wikipedia                                                  2012.10.18
コクワの果実は楕円形で2cm前後、色は緑黄色。 マタタビは長楕円形で3cm、先が尖り、黄褐色。
コクワは、生食、果実酒、ジャムとして利用。 果実酒は梅酒に匹敵する美味しさで、飲んだ後のアルコールを含んだ果実をジャムにするとすこぶる美味。 一方、マタタビは、食すると甘みはあるが、口の中に嫌な苦みが残る。 一度食べればそれで
充分という感じ。

2015.2.5                                                        2015.11.5
本題の冬芽。 左がコクワ、右がマタタビ。
コクワ:枝先の円形の部分は葉痕。 葉痕は枝から盛り上がる。 冬芽はその中に隠れて見えない(隠芽)。
マタタビ:円形で少し凹んだ部分が葉痕。その上の白っぽい少し盛り上がった半円形の中央にチョコレート色の小さな円い点が冬芽。 その大部分は隠れている(半隠芽)。

<余談> 雌雄異株で雄株と両性花
コクワもマタタビも雌雄異株で雄株と両性花です。 この意味は、雄株は雄花だけをつけるのですが、雌株は雌花だけを咲かせる株ではなく、雄しべと雌しべを持った両性花を咲かせる株のことのです。 おそらく、雌花だけを咲かせる株はないのでしょう。 それじゃ、なぜ雌株に雄しべがついているのか?。 もし雌株に咲く両性花の雄しべが正常であれば、雄株は必要ありません。 ということは、両性花の雄しべの花粉は雌しべの柱頭についても花粉管を伸ばして胚珠までいく能力がない、不完全は花粉なのでしょう。  ⇒ ヤマブドウ  雌雄異株

生物(植物)は、種を何万年、何百万年と長く生き延びらせるために他の植物の遺伝子を受け入れて多様性のある遺伝子を持つ体?細胞?にする必要があります(他家受粉)。 コクワとマタタビの両種は、当初 同じ花の雄しべと雌しべで受粉(自家受粉)して種子をつくっていたのですが、環境等の変化や劣性遺伝子の発現などによって、それらは徐々に廃れていくのです。 あるとき、何かのきっかけで役に立たない花粉をもつ雄花が現れ(突然変異)、他の株の遺伝子を受け入れざるを得なくなったのです(他家受粉)。 その多様性のある遺伝子を持った株が環境等の変化にも耐え、現在の姿で現在まで生き延びているのでしょうね。 もしかして、何万年、何十万年先に、突然変異によって両性花ではなく雌しべだけのコクワやマタタビの花が現れるかもしれません。 こんなことを頭の中で思い巡らしています。

 

以前の投稿(ブログ)を読むときは時期(季節、月)を確認してください。
⇒ 酒(しゅ)にすると最高:コクワ
⇒ マタタビの葉は夏に白くなる
⇒ マタタビの葉は夏に白くなる(その2)
⇒ マタタビ(その3)

 

 

 

コクワ 急須の鉉(つる)

写真は、もう30年以上も使っている急須です。 これだけ長く使っていると急須の鉉(つる)、もち手が壊れます。 もう3回壊れました。2回目まではなんとか新しいものを手に入れることができたのですが、3回目はだめでした。 このサイズの急須に合う鉉はなかったようです。長年使ってきて愛着もあるので、何とか使おうと急須の鉉(つる)をつくることにしました。 我家の近くにある雑木林から蔓を採ってきました。
それがこれです。
急須

太目の針金を急須のつるを支える穴に入れてU字型にします。  それと同じ穴に、蔓を入れて針金にまいていきます。 3本を同じように巻きました。 巻き終わったら、針金とつるを穴の部分で折り曲げて、細い針金で縛ります。 これで出来上がり。(左側の穴は、蔓を短く切り過ぎて折り曲げられなかった)。
当初、鉉の湾曲が大きくて持ち辛い感じはあったのですが、慣れてくるとそれほど使い勝手の悪さは感じません。 出来上がりの良し悪しは別にして、とりあえず、使えます。 しかし、蔓の冬芽の部分が出っ張っていて、持つときに引っかかるのが難点です。
材料はコクワ(サルナシ)の蔓です。 当初、使おうと思って探していたのはツルウメモドキだったのですが、採取したのはコクワでした。 この時期、葉を落とした蔓はコクワもマタタビもツルウメモドキも同じに見えてしまします。

以下は3種の冬芽
ツルウメモドキマタタビコクワ
左から、ツルウメモドキ、マタタビ、コクワ

<余談>
急須の鉉(つる)だから、「蔓ならなんでもいい」と思っていたのですが、調べてみるとコクワが正解だったようです。
更科源蔵著 “コタン生物記” には、「実をとるばかりではなく、この細い蔓は自由に曲がるので、深雪の上を歩くときの雪輪(かんじき)の一種であるチルンというのをつくった」とあり、
また、“世界の植物”では、
「サルナシのつるはじょうぶでくさりにくいから、杖、かんじき、※もっこなどをつくったり、いかだなどをしばるのによく用いられ、木曽地方にはイカダムスビの方言名がある。 徳島県祖谷(いや)川の蔓橋(かずらばし)の材料もサルナシである。・・・・」とあります。

徳島県祖谷(いや)川の蔓橋  →  http://setouchifinder.com/ja/detail/830

※もっこ:担い運搬用具の一種。わらむしろあるいはわら縄,フジづるなどを網目状に編んだものの四隅に吊紐をつけ,てんびん棒を使って運ぶ。本体は網目状のものが多いが,袋状のものや皿状のものも見られる。その名称は,元来〈もちこ(持籠)〉から変化したといわれている。形状が不定なものを盛って運ぶのに適しており,土砂,堆肥などがおもな対象である。また,農作物を運ぶ際にも用いられた。(コトバンクより)

酒(しゅ)にすると最高:コクワ

057 コクワ:サルナシ 真駒内公園2012.7.1
今、コクワ(サルナシ)の花がかわいく咲いています。真駒内公園の園路沿いのコクワです。数本見える幹はヤマグワです。
099 コクワ2012.6.24
コクワ(サルナシ)の花です。雌しべが特徴的な形をしていますが、花弁が5枚で、大きさは1.5~2cmのウメに似た花を咲かせます。コクワは、マタタビやキウイフルーツと同じ仲間のマタタビ科に属します。
058 コクワ2012.7.1
コクワはつる性ですので、他の樹に巻きついて成長します。緑が張り付いたように見える部分は、コクワが他の樹木に絡みついてできたものです。樹木を覆っている部分は、幅30m高さ10mくらいはあるのでしょうか
060 コクワ2012.7.1
園路沿いに撮っています。
095 サルナシ コクワ
5月中旬の芽出しです。落葉時、ツル性の植物で樹種が分からないときは、この特徴的な葉痕で判断しています。
コクワは、熟した実を生で食べてもお美味しいのですが、、果実酒にするとうめ酒並の美味です。しかし、この部分については、やはり、秋に実がなって、それを味わってからですよね。

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