ウツギ ショウキウツギ

シャクヤクの花を撮りに百合が原公園に行ったのですが、まだ蕾で1週間ほど早かったようです。 そのかわり、ウツギ類がちょうど満開で、自転車で園路沿いを走っていると、バイカウツギの甘い香りが 漂ってきました。
普段公園などで見かけるウツギ類は、上述のバイカウツギのほかにタニウツギ、ベニウツギ、ハコネウツギ(ゲンペイウツギ)、そして、もう少し後に花を咲かせる(7月上旬)ウツギですが、今日取り上げるのは、ショウキウツギです。 2018.6.16
百合が原公園の池の淵に咲いていました。 株高は2~3mで上述のウツギ類と同じくらいの大きさになるようですが、このショウキウツギは枝が垂れるの特徴のようです。
2018.6.16
「シダレウツギ」という名前の方がぴったりするほど、枝が垂れて、その垂れた枝にびっしり花を咲かせます。 写真では花色が白っぽく見えますが、実際に見るともっとピンク色をしてます。
2018.6.18
別の場所にあったショウキウツギ。
ショウキウツギ:スイカズラ科コルクヴィッチア属(Kolkwitzia.amablis) 中国中部の標高1700~3000mの岩石地帯に分布する。 高さ2mほどになり、小枝が多く出てよく繁茂し、若枝には細毛がある。・・・・・・。(園芸植物大辞典)

<余談 その1>
ウツギがつく植物(樹木)で、札幌の公園や個人の庭などで普段見かけるものは、タニウツギ、ベニウツギ、ハコネウツギ、ウツギ、バイカウツギ、ヒメウツギ、ノリウツギの7種です。 科と属が違いますので、ここに記しておきます。

スイカズラ科  タニウツギ属    タニウツギ、ベニウツギ、ハコネウツギ

ユキノシタ科   ウツギ属      ウツギ、ヒメウツギ
(アジサイ科)  バイカウツギ属   バイカウツギ
        ノリウツギ属    ノリウツギ

ちなみに、ショウキウツギは、スイカズラ科ショウキウツギ属:コルキヴィッチア属ですが、この属はショウキウツギ1種のみの属です。

<余談 その2>
ショウキウツギの漢字名は「鍾馗空木」です。
この鍾馗の意味は、
中国の疫病をふせぐ鬼神。唐の玄宗皇帝の病床の夢に鍾馗と名乗って現れ、病魔を祓はらったので、画工の呉道士にその像を描かせたことに始まるという。濃いひげをはやし、黒衣、巨眼の姿で剣を帯びる。日本では五月人形に作ったり、朱刷りにして疱瘡ほうそうよけの護符などとした。(大辞林)
ということです。 一番身近なものは五月人形のようで、
鍾馗人形の画像  →   鍾馗人形

 

 

ウツギ類3種  タニウツギ ベニウツギ ハコネウツギ

この時期の6月~7月上旬にかけて、ヒメウツギ、タニウツギ、バイカウツギ、、ハコネウツギ、ウツギ、ノリウツギなど “ ウツギ ” と名前のつく花木が順次花を咲かせていきます。 これらの樹木は “ 空木 ” という名前がついているので、枝を切るとその中はおそらく空洞なのでしょう、なので、これらは同じ仲間に思えてしまいますが、種類(科属)は違います。
今回は、その中のタニウツギ、ベニウツギ、ハコネウツギを紹介します。 ウツギ、ヒメウツギ、バイカウツギ、ノリウツギ、ベニウツギは、以前このブログで紹介していますので、それらを見ていただければありがたいです。

  2016.6.12                               2014.6.22                                2013.7.2
2015.6.12                                2013.6.29                               2013.7.7
豊平川と山鼻川の合流地点  豊平川22条大橋上流左岸  五輪団地内
<予備知識:河川の位置の表現方法>
上記の豊平川22条大橋上流左岸の意味は、
・22条大橋上流は22条大橋とミュンヘン大橋の間のこと
・左岸は、22条大橋を川下に向かって立ち、左側を左岸、右側を右岸となります。
なので、22条大橋とミュンヘン大橋の区間で、西側、藻岩山側の河川敷を意味します。
 写真はクリックすると拡大します。 
写真左から、タニウツギ、ベニウツギ、ハコネウツギ
この3種は同じタニウツギ属なので、花の形状はよく似ており、花弁の先は5裂で、漏斗状の細長い形をしています。
タニウツギの花色は薄いピンク~ピンク~赤みを帯びたピンクまで幅があります。 「樹に咲く花」によると、タニウツギは変異や自然交雑品が多く、分類の困難なグループなのだそうで、公園などで見かけるものは、花色が微妙に違っているものが多いです。
また、個人の庭で、普段見かけるベニウツギと違う、深い紅色したものを見かけます。 これはベニウツギの別の品種?、それとも別の種類?、 とにかく判りづらいです。

2017.6.17
左から ハコネウツギ、タニウツギ、ベニウツギ
葉の形状(北海道樹木図鑑)
・ハコネウツギ 広楕円形~倒卵形で、長さ7~16cm 表面に光沢
・タニウツギ 楕円形~卵状楕円形で、長さ4~11cm 裏面は毛を密生
・ベニウツギ 楕円形で5~6cm。
タニウツギとハコネウツギの葉は、先端部に近いほど細長い葉形になる。 写真上段の葉は、主枝に近いほう、下段は先端部に近い葉。

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