ウツギ  空木

南区真駒内曙団地内の園地に植えられているウツギ。 今春は3m前後の大きさの株でしたが、数年に一度、このように高さ1.5mくらいのところでバッサリと剪定して、というより無造作に枝を切り落として、一定の大きさに維持しているようです。
ウツギ 2016.8.18
真駒内団地は昭和34年~昭和48年にかけて造成されていますので、このウツギはおそらく昭和40年代に植えられているので、樹齢50年ほどでしょうか。ウツギ 2016.8.18
ウツギは茎(枝)の中が中空なので空木と書きます。 確かに、茎の中は丸い円の空洞がありましす。
札幌で普段見かける “ ウツギ  ”という名前のつく樹木は、
◎ユキノシタ科 (下線の引いてある樹種は当ブログに投稿)
〇ウツギ属
ウツギ
サラサウツ
 ・ヒメウツギ
〇アジサイ属
ノリウツギ
〇バイカウツギ属
バイカウツギ
◎スイカズラ科
〇タニウツギ属
・ウコンウツギ
・ハコネウツギ
・タニウツギ
・ベニウツギ
がありますが、これらの種類はすべて茎は空洞なのでしょうか?
調べてみると、
ユキノシタ科ウツギ属は空洞が有り、
ユキノシタ科アジサイ属、スイカズラ科タニウツギ属は、
どこを切っても髄があり、空洞はないが、剪定され放置された茎は上部だけ空洞が見える。

のだそうです。 詳しくは以下のウェブページ(報告書)で
https://www.hitohaku.jp/publication/book/kyousei3/p35-37.pdf#search=’%E3%82%A6%E3%83%84%E3%82%AE+%E8%8C%8E+%E7%A9%BA%E6%B4%9E+%E5%86%99%E7%9C%9F’

 

 

 

 

ウツギ( ウノハナ) 卯の花の匂う垣根に

今、ウツギ、ウノハナとも言いますが、白い花が満開を迎えています。ウツギ2013.7.7
国道453号沿いにある真駒内団地内(道路を挟んで反対側にアイスアリーナ)に植
えられています。

通路沿いに列植。 株高は2.5~3m。 毎年か2~3年に一度の間隔で株の上部が刈り取られる。 写真のように地際から叢生して株立ち状に。

ウツギ2015.6.12

ウツギ2015.6.21
童謡?唱歌? “夏は来ぬ” の 歌詞に
「卯の花の匂う垣根に~~~」という出だしの一節があります。
この歌詞が、ウノハナ、ウツギは良い匂いのする花というイメージを作ったのだろうと思うのですが、実際に花に近づいてもほとんど好い香り、匂いはしません。 ほんの少し甘い匂いがする程度です。 強いて言うなら、イボタの青臭くて少し甘い香りを薄めた匂いというところでしょうか。
おそらく、この歌詞の作者、佐佐木信綱さんは、ウノハナと同じ仲間(ユキノシタ科)の甘い香りのするバイカウツギをウノハナと勘違いしたのではないでしょうか。 それとも、メロディに合う言葉を選ぼうとして、バイカウツギでは長くて響きも悪いので、植物図鑑を見ると、白い花で同じ仲間のウノハナがあったので、それを使うことにしたのでしょうか?
札幌の街中や個人の庭では、バイカウツギのほうが花は大きいし良い匂いもするので、出会う機会が断然に多いです。

ウツギ
2011.6.26
枝先に円錐花序をだし、白色の花を多数※下向きにつける。(樹に咲く花)
※樹に咲く花では、「花は下向きにつける」とありますが、当地では、下向きというより上向きに咲いています。 これは、札幌は雪が多いので枝折れを防ぐために写真のように株を縄で縛る冬囲いを行うことや、上部の枝を剪定するためでしょうか。

2015.3.26

ウツギ2012.7.22
7月下旬には、果実が出来てきます。形は、湯飲み茶碗というか、お椀のような形をしていて、その先に、長く伸びた花柱が目立ちます。

<ウツギの雄しべ>
ウツギ2015.6.21
写真右は、花弁を取り除いたウツギの花。 左は雄しべ。 雄しべの花糸の両側には翼があり、翼の先端は尖る。 雌しべは3本。