エリカの花

今年は、暖冬からそのまま暖春に移行して、4月末には夏の陽気になっています。 この暖かさで、樹も草も一気に花を咲かせ始めました。街中はサクラが、各戸の庭にはレンギョウ、エゾムラサキツツジ、アカヤシオが満開を迎えています。 その下には、クロッカス、スイセン、ヒヤシンス、チューリップなどの球根類も花を咲かせています。我家のウメ(豊後ウメ)も開花しました。 百花繚乱とは、札幌のこの時期のことを言うのでしょうかね。

エリカの花も咲き出しました。
エリカ2015.4.26
場所は、南29条西11丁目、 国道230号と福住桑園通の交差点角。 トヨタの高級車レクサスの販売店の外構植栽。
札幌中心部のビルの外構植栽は、サツキの植込みが多く目に付くのですが、流石、世界のトヨタ、高級車レクサスの販売店ということで、外構にも特色ある雰囲気を出そうとしたのでしょうか、エリカで模様花壇をつくっています。
エリカは、草丈が10~30cm程度にしか大きくならず、花色はピンクを主体に白もあり、葉色
も黄色から濃い緑色までいろいろあります。 しかも、冬場、雪の多い寒さの厳しい札幌にとって、このエリカは冬枯しなくて、雪解け時から青い葉を見せてくれるので、模様花壇には適した植物材料なのです。 強いて言いうならば、花色にもう少し鮮明さがあれば申し分ないのですが、そこまでエリカに求めるのはかわいそうな気もします。

このレクサス販売店の花壇は、当初、細長い長方形を中央を縦にして波状に分けて、左右を色の違うピンクのエリカで模様をつくっていました。その中央を区切る線に黄色の葉を持つエリカを使っていたのですが、この黄色のエリカは、背丈が低く成長も遅いので、左右に植えられたピンクのエリカに飲み込まれてしまったようです。 現在は部分的にしか残っていません。 おそらく、手間をかけないでも模様花壇が維持できるだろうと思ってエリカを使ったのだろうと推測するのですが、やはりエリカも植物で、その種類により成長度合い違うため、年月とともにその模様がだんだんと崩れてきています。 そこは、黄色エリカの左右に植えられている背丈が高くなるピンクのエリカを切り詰めるなどのきめ細かい管理(気遣い)が必要なようです。

エリカ2013.5.29
ときおり、個人の庭でもエリカを見かけます。

エリカ2013.9.23
札幌市の農業体験施設 “さとらんど” にあるエリカ。
針葉樹を背景にして、エリカの模様花壇は、修景的になかなかのものです。

<余談 : エリカ属>
ツツジ科。 本属の植物は常緑の低木または亜低木、まれに小低木で、630種が含まれている。 その大部分は南アフリカにあり、とくにケープ地方に多い。 地中海から北ヨーロッパまでの地域には、14種分布するが、その多くは地中海沿岸に見られる。
ヨーロッパでは英語でヒース(heath)、ドイツ語ではハイデ(heide)とよばれ、北大西洋沿岸の荒野に見られる矮性低木群落を構成する代表的植物で、独特の景観を形成している。
〇ヨーロッパ原産種
花は小型で、花色は紫紅、桃あるいは白色を基調とする。欧米では古くから庭園植物として主要な地位を占め、ヒースガーデンもつくられてきた。 種間雑種を含め多数の園芸種や園芸品種があるが、異名同品種、同名異品種も多く混乱している。日本では、E.ergena、E.arboreaなどわずかに切花や鉢物に栽培される程度で、ほとんど利用されていない。耐寒性は一般に強く、多くはー15℃以下の凍結に耐える。
(園芸植物大辞典より抜粋)