オオバクロモジ  冬芽

2012.12.7
中央の細長い紡錘形をしたものが葉芽で長さは1cm強。 その左右に1個づつ丸い球状のものが花芽。
2018.10.20
主に太平洋側に生えるクロモジの変種で、日本海側の多雪地帯に生える落葉低木。幹や枝が緑色をし、枝を折ると芳香があることから、和菓子の楊枝に欠かせない樹木である。芳香、殺菌力、丈夫さなど、他の木には代えがたい価値がある。葉は枝先に集中し、新しい葉が展開すると同時に黄緑色の小さな花を10個ほどつける。
(あきた森づくり活動サポートセンター)

オオバクロモジ(北海道南部:渡島半島)は札幌付近には自生しておらず、また、個人の庭でも見かけないので目にする機会はほとんどありませんが、札幌市役所の前庭に1本あります。

⇒ オオバクロモジ:札幌ではあまり見かけない黄葉がきれいな樹

 

 

オオバクロモジ(その2)

1-009 市役所前庭2012.10.24
シラカバなど高木で黄葉する樹は多いのですが 、株物では以外に少なく、このオオバクロモジ(クロモジ?)の鮮やかに黄葉する姿は、秋口の庭に彩りを添える貴重な存在のように思えます。公園には全くと言っていいほど植えられていませんし、個人の庭でもほとんど見かけません。もう少し植えられても良さそうな株物です。
1 冬芽
1-017 オオバクロモジ2012.4.30
真ん中に細く先が尖っているのは葉芽です。花芽は葉芽の基部に2~4個つきます。芽鱗(葉や雄しべや雌しべなどを包んでいる)は2~3枚です。
1-131.jpg2012.4.30
これは、北大植物園で撮ったものです。花色が淡黄色なので鮮やかさにかけますが、満開時には株全体が薄黄色で染まります。
1-132.jpg2012.4.30
1-133.jpg2012.4.30
1-067 オオバクロモジ2012.5.15
1-064 オオバクロモジ2012.5.30
 
2 名前の由来
牧野新日本植物図鑑では、
おそらく、黒文字の意味で、樹皮上の黒色の斑点を文字になぞらえたものだろうと思われる。
1-052 オオバクロモジ
これは、オオバクロモジの樹肌ですが、牧野博士が仰る樹皮上の黒色の斑点などはなく、皮目のような白っぽい点々が目立ちます。個体によって、また地域によって変異がでてくるのでしょうか?
3 Data
科名 クスノキ科
属名 クロモジ属
学名 Lindera umbellata(クロモジ)、 Lindera umbellata var.membranacea(オオバクロモジ)
花期 4月末~5月  
分布 北海道(南部)、本州
* Newton 「世界の植物 樹木編」では、北海道におけるオオバクロモジの分布は、積丹半島と室蘭を結ぶ直線の西側となっているので、札幌には元々ない樹ではあります。
*「樹に咲く花」では、オオバクロモジは、クロモジより大型で長さ13cmになる。裏面の脈に沿って淡黄色の軟毛が生える。関東や中部地方では、基本種との中間型も出来ていてはっきり区別できない。と記載されています。葉の大きさが13cmとは相当大きい感じで、市役所の前庭のものは、やはりクロモジかも知れません。葉裏の軟毛は確認していません。

にほんブログ村 写真ブログ 植物・花写真へ
にほんブログ村

オオバクロモジ:札幌ではあまり見かけない黄葉がきれいな樹

1-015 市役所前庭
2012.10.24
先週、10月末に市役所へ行ったとき、市役所前庭にある黄色い樹が目にとまりました。高さは2~3mの株ものです。株物できれいに黄葉する樹は何だろう?と思いながら、近づいて樹種を確認しようと思うのですが、生垣があってその樹に近づけません。
1-009 市役所前庭
中央の黄色の樹がそれです。市役所の地下にある食堂から撮っています。背後の黄葉している高木はハルニレです。
2012.10.24
1-017(赤字)
2012.10.24
地下食堂から再度、道路に戻って、倍率を高くして撮ってみました。冬芽の形や左右の丸く膨らんだ蕾(花芽)の形態からオオバクロモジではないかと思ったのですが、確信が持てません。庁舎管理課へ行って尋ねてみると、前庭を管理している造園会社に確認して、後日連絡するとの返事をいただきました。 二日後に連絡があり、クロモジとの回答でした。
1-018(赤字)
2012.10.24
樹木図鑑「樹に咲く花」では
クロモジ:クスノキ科クロモジ属(Lindera.umbellata)
分布:本州(東北地方南部以南の太平洋側、瀬戸内海側)、四国、九州(北部)
葉:長さ5~10cm、幅1.5cm倒卵状長楕円形
オオバクロモジ:科属は同じ(Lindera.umbellata var.membranacea)
分布:北海道(渡島半島)、本州(東北地方以南の日本海側)
葉:クロモジより大型で長さ13cmになる。
備考:関東や中部地方では基本種のクロモジとの中間型もできていてはっきり区別できない。
オオバクロモジは、東北地方から北海道南部に分布しているクロモジの変種で、葉はクロモジより幾分大きくなる樹のようです。分布から考えると、市役所前庭の樹はオオバクロモジのように思いますが、樹に咲く花で書いているように、中間型ができていてその区別がで難しいようです。いずれにしろ、クロモジの仲間であることには変わりありません。
1-067 オオバクロモジ2011.5.15
花は、5月中旬に開花し、下旬頃まで咲いてます。葉が展開すると同時に開花し、淡黄緑色の小さな花が集まって咲きます(散形花序)。雌雄異株です。

にほんブログ村 写真ブログ 植物・花写真へ
にほんブログ村