クサギ(その2):冬芽

002 クサギ2011.4.10
1年生枝はやや細く、径2~5mmあり、灰褐色、帯紫褐色をし、暗褐色の垢状毛がのこる。
葉痕は隆起し、だ円形ないし心形で、5~9個のU字状に並んだ維管束痕をもつ。
冬芽は、対生し、裸出して、小さく、円錐形ないし半球形で、長さ1~2mmあり、ときに予備芽をもち、紫褐色ないし灰褐色をし、短軟毛ないし垢状毛がはえ、開出する。頂芽は円錐形で、小さく、長さ1~2mにすぎず、春に発達するのは2~3番目の側芽である。(落葉広葉樹図譜)
001 クサギ2011.4.10
003 クサギ2011.4.10 森林総合研究所
樹高2.5~4m
データ
・科名  クマツヅラ科
・属名  クサギ属
・学名  Cleodendrun trichotomum(クレロデンドルム トリコトムム)
・花期  8月
・分布  日本、沖縄、朝鮮、中国、北海道では中部以南
・漢字名 臭木
<余談>
クサギの仲間(クサギ属<C.trichotomum>)は世界に約100種あり、熱帯や亜熱帯に分布するものが多いようです。ボタンクサギやヒギリなど花が美しいものが多いのですが、残念ながら札幌では見られません。しかし、白いがくに赤い花弁をつけるゲンペイクサギは温室で、鉢花で見ることができます。

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クサギ:臭木 少しかわいそうな名前

クサギの花が咲き始めました。
009 クサギ2012.7.28
場所は、福住桑園通南28条辺りです。藻岩山が道路際まで迫ってきているところです。クサギは歩道の脇に茂っています。手前左側の白い葉はマタタビです。
017 クサギ2012.7.28
近づいて見ると、枝先から多数の花(集散花序)を咲かせます。花弁は5裂の白色で、中心から雄しべを数本伸びだしているのが印象的です。藻岩山のクサギのつぼみは白っぽいので、遠くから見ると。白い花が咲いているように見えます。
027 クサギ2011.6.5
この新葉は6月上旬に撮っています。クサギの芽出しは他の樹木に比べると遅いほうで、5月中下旬になってやっと芽吹くようです。
葉に触るとふわっとした感触があり、葉の両面に細かい毛が密生しています。
068 クサギ2010.8.15
これは、森林総合研究所にあるクサギです。藻岩山のクサギに比べて艶やかというか、全体が赤っぽく見えます。つぼみが赤色です。
○クサギの臭い
森林総合研究所でクサギの写真を撮っているときに、クサギ特有のあの臭いを嗅いだことがあって、クサギの臭木たる所以だなと思ったことがあります。今回、藻岩山のクサギの写真を撮るときも同じような臭いがすると思っていたのですが、意外や意外近づくと甘い香りが漂ってくるのです。確認のために花に近づいて匂いをかぐとやはりその甘い香りがします。ところが花の香りをかぐときに葉にも近づいているのですが、あの臭いがしないのです。全然しないのです。それで、葉柄の部分から葉をちぎって嗅いでみました。臭いはしました。しかし、それほどでもないのです。あまり臭わないので、葉を2回ちぎって嗅いだのですが、やはりそれほどでもないのです。前回、森林研究所で嗅いだときは、花の時期ではなく、若葉のころだったのか、自分自身でも記憶が定かではないのですが、クサギ特有のあの臭いの強弱は、どうも時期や個体の差異によるような気がします。

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