ヌルデ  紅葉

2017.10.19
ミュンヘン大橋上流左岸(ミュンヘン大橋と藻南橋の間の東側)の川床に生えているヌルデ。 朱色がきれいです。 手前の緑色はニセアカシア。  茶色はオオイタドリ。

ヌルデの紅葉については → ヌルデ(その3)紅葉

<余談>
明治の後半までは、既婚の婦人でお歯黒染めをする風習がまだ残っていた。 歯黒染めは、かねつけともいう。 かねは鉄漿(読み方:てっしょう、かね、おはぐろ)の意味で、フシの粉と称するものを媒染剤として用いたが、、その原料植物がヌルデで、一名をフシノキというのもそのためである。(朝日百科 世界の植物より)

ヌルデ 冬芽 

ヌルデ : 冬芽
ヌルデ2015.2.26
冬芽は、2/5のらせん生で、ピラミッド形ないし半球形をし、やや偏平で、蜜軟毛がはえ、帯褐黄色の芽鱗につつまれる。 仮頂芽はやや大きく、長さ約5っまり、次の側芽も大きいので、芽吹くと、しばしば二股分枝の枝振りとなる。 下位の側芽は発達しない。

枝先に付いているのは果実(5mm前後)、 短毛が密生。
ヌルデ2011.5.30
芽だし  5月下旬と芽出し時期としてはかなり遅い。

ヌルデ 2011.5.31
仮頂芽とその下の側芽が同時に芽吹いている。 → 二股分枝

ヌルデ(その4)

都心部から国道230号線を南に向かって走り、南35条の信号(パチンコ ハッピー手前)を右に曲がると右手に山鼻川の遊水路とそれに続く山を削った斜面が見えます。そのまま走っていくと藻岩山スキー場に向う道路です。
RIMG0005.jpg2013.10.19
左下の紅葉した樹は、山鼻川沿いに植栽されたエゾヤマザクラ
その斜面がこの写真です。
斜面全体に朱色味かかった赤色の樹々が見えますが、斜面中央部から下の部分に、株状で小さめの紅葉した樹があちこちに見えます。双眼鏡で見ると、全てがヌルデかどうかわかりませんが、ヌルデが多いようです。
ここは昭和40年代まで、札幌市が砕石を採取していたところです。最近は樹木が覆ってきて岩肌が見えなくなってきていますが、昭和50~60年代は赤茶けた山肌をさらけだしていました。そんなところに最初に侵入していくる樹木はシラカバがすぐに思い浮かびますが、ここではそれほど目立ちません。それよりもこの紅葉時期になると目立つのがヌルデです。
当ブログのヌルデ(その5)で、その特性<①道路沿いや郊外の住宅地外れの空き地、②以前何かの理由で森林を伐採して一時更地になったところ、③山沿いの河川で数年~数十年に一度大雨でその斜面が崩壊するところなど、果って一時裸地になったところにすばやく根を下ろして勢力を拡大する樹のようです。>を列記しましたが、この藻岩山の斜面は②に当たるようです。

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ヌルデ(その3):身近な紅葉

10月に入ってからも暖かい日が続いています。しかし、ここに来て(10月13日)急に寒くなってきました。これからは明け方の最低気温が10℃を下回り、通勤時には吐く息が白くなる季節です。
昨日、真駒内公園へ紅葉の写真を撮りにいってきました。まだ、シラカバやイタヤカエデなど主だった樹の紅黄葉が進んでいないようです。それに、公園全体の樹木を見ると、すでに葉を落としている樹があったり、サクラ類のサーモンピンクに近い赤色になる葉もいまいち鮮やかさに欠けるようで、残念ながら、今年の紅黄葉は例年に比べて、その美しさ・輝きはそれほどのものにならないような気がします。
今日はヌルデの紅葉です。
004 ヌルデ2013.10.11
毎日、通勤途中でお目にかかります。ヌルデの紅葉は、モミジ類の紫色を帯びた赤でなく朱色がかった明るい赤です。
R3M3YXN.jpg2011.10.13
豊平川の河川敷に生えているヌルデ。場所はミュンヘン大橋南側の河川敷。この辺りの河川敷で、この時期紅葉している樹は、ヌルデと思って間違いないようです。
R6LOEF8.jpg2011.10.13
真駒内にある北海道警察学校の横の空き地に集団で生えているヌルデ。よく見かけるのは、このようにちょっとした空き地や郊外の道路脇、河川敷地などです。そして、集団で生えているのが多いです。
RA08QDJ.jpg2011.10.12
これは、ヌルデの実。5mmより少し小さめの実で、それをブドウように房状につけます。
前回ヌルデを取り上げたブログで、秋口につけた実が1月末には全てなくなっているのを紹介しましたが、このヌルデの実は小鳥にとって食べごろの大きさでしかも美味しいのでしょうか、ヌルデを道路脇や空地等に集団で生えているのをよく見かけるのは、小鳥達がヌルデの実を食べた後、一休みするのか、別の食べ物があるのか、その理由はわかりませんが、何かの目的で定期的ここにやって来て、糞をして種を落とすからなのでしょうね。おそらく。
<余談>
街中の公園や街路樹で見かける紅葉は、ヤマモミジやハウチワカエデなどのモミジ類とナナカマドが主で、これらの樹は人に手によって植えられたものがほとんどです。しかし、郊外で見る紅葉には、ヤマブドウ、ヤマウルシ、そして、このヌルデがありますが、もっとも身近な紅葉は朱色に染まるヌルデが多いように思います。
ヌルデは、道路沿いや郊外の住宅地外れの空き地、以前何かの理由で森林を伐採して一時更地になったところ、山沿いの河川で数年~数十年に一度大雨でその斜面が崩壊するところなど、果って一時裸地になったところにすばやく根を下ろして勢力を拡大する樹のようです。

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ヌルデ(フシノキ)

これ、なんの樹と思いますか?
1-RIMG0001-001.jpg2013.2.13
ヌルデです。建物の近くにあるためか、高さ3m位のところでバッサリと主幹が切られています。そこから出てきた徒長枝(シュート)に花が咲いた跡です。
1-RIMG0002-001(赤字)2013.2.13
拡大して見ると、このようです。これは、ヌルデの種子が全て落ちたか、鳥に食べられた後に残った花軸部分です。写真を撮ったのは2月13日ですが、1月下旬前にはこのような状態になっていました。
1-RIMG0010(akaji )2012.12.15
昨年、12月下旬には、このように鈴なりに実がなっていました。ヌルデの実は美味しいのか、1ヶ月足らずの内におそらく鳥に食べられたのでしょう。
1 冬芽 ~ 新芽
1-149 ヌルデ?2011.3.13  森林総合研究所
ヌルデは、山野に生える10m近くになる落葉樹で、河川敷や道路端に4~5mのものをよく見かけます。
1-007 ヌルデ2012.4.15
冬芽は葉痕に囲まれて、褐色の軟毛が蜜に生えています。一見裸芽のように見えますが、軟毛の内側に芽鱗があるそうです。ヌルデの枝先には褐色の短毛が生えているのですが、この枝には生えていません。春先になると抜け落ちるのでしょうか? 小枝の赤い粒々、皮目が目に付きます。
1-020 ヌルデ 警察学校2012.5.19
新葉の展開です。ヌルデの新芽は赤っぽい色をしています。
1-021 ヌルデ2012.5.19
1-096 ヌルデ2011.5.27
1-099 ヌルデ 真駒内川2011.5.27
これは、真駒内公園内を流れる真駒内川の土手に生えているヌルデです。赤っぽい色をしているのがヌルデです。ヌルデは、このように開けたところに集団で生えてくるようです。ここから程近い北海道警察学校のグランド傍らや芸術の森にも、このように周りに大きな樹がなく、開けたところに集団で生えています。
1-070 ヌルデ2012.6.23 ヌルデの夏姿。 森林総合研究所
1-006 ヌルデ2012.8.9
ヌルデの葉は、奇数羽状複葉で長さ25~40cmくらいになるのですが、この葉の特徴は、葉軸に翼を持っていることです。葉軸に翼のある葉は、ヌルデと思っても良さそうです。
2 名前の由来
朝日百科「世界の植物」より
木に傷をつけると白い漆液が出て、これで物を塗るのでヌルデの名がついたという。
牧野新日本植物図鑑より
葉にヌルデノフシムシの寄生による五倍子を生じ、フシという。それ故、フシノキという。
3 余談
朝日百科「世界の植物」より
葉に、ヌルデノミミフシという小さな昆虫(アブラムシ)が寄生し、その産卵の刺激で葉は不規則な袋状の虫こぶだらけになるが、これを採取して乾燥したものを五倍子という。これは前述のフシのことで、多量のタンニンを含み、染料などに用いる。
4 Data
・科名 ウルシ科
・属名 ヌルデ属
・学名 Rhus javanica
・花期 8月
・分布 日本、朝鮮、中国、インド
※今、ふと思ったのですが、分布で日本と書いてありますが、この日本は、沖縄までを含む日本なのでしょうかね? それとも、北海道、本州、四国、九州の日本なのでしょうかね?

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