ヒメウツギ

この時期、住宅街を自転車でまわると、玄関の横のちょっとしたスペースに、庭の片隅に、このヒメウツギの花が咲いているのをよく見かけます。
思った以上に植えられています。 このヒメウツギは環境適応性が大で、どんなところでも、とりあえず、庭のどこかに植えておけば花が咲く、そんな丈夫な性質を持った植物のように見えます。
2011.6.11
玄関前に草花と一緒に植え込まれています。 株の高さは20~30cm。

2011.6.11
花の形状はウツギそっくりで、、両種の花だけ見せられても、区別はつけられないのではないでしょうか?
しかし、開花期が違います。 ヒメウツギは6月、ウツギは7月で、両種が重なることはないようです。
2017.6.7
もう一つは、株の大きさ。 普段見かけるものは20~50cmです。 参考図書でも、高さ1.0~1.5mと書かれていますので、ヒメウツギの名前の通り、そんなに大きくならないのでしょうね。 その点、ウツギは2~3回り大きいです(3~4mになる)。
写真のヒメウツギは、高さ1m強、株張は1.5mくらいあります。 まん丸く仕立てられています。 最盛期になると株全体が真っ白になります。 札幌は降雪量が多いので、毎年刈り込んで冬囲いをしないと、このような美しい形は保てないと思います。
2016.6.14
ヒメウツギもウツギ同様、雄しべに翼をもっています。 これを見て、ヒメウツギはウツギの変種か新しく作られた品種か?と思ったのですが、調べると、
・ヒメウツギ : アジサイ科ウツギ属(Deutzia gracilis)
・ウツギ : アジサイ科ウツギ属(Deutzia crenata)
全く違う種(しゅ)なんですね。
写真の左横丸いものは1円玉。 写真中央の上段が雄しべ、下段が花びら。 右は花びらを取った雌しべ、がく、花柄。
2016.6.14
葉は長さ4~8cm、幅1.5~3.0cmの長楕円形状披針形~狭卵形、先は長くとがり、基部は広いくさび形~円形(樹に咲く花)

2011.6.11
右:ヒメウツギ、 左:マルバウツギ
普段、個人の庭で見かけるのは、ヒメウツギと思いますが、それとよく似たマルバウツギがあります。 この種は、名前のとおりヒメウツギに比べて葉の形状が丸く、幅があります。