斑入りヤナギ  白葉から緑葉へ

斑入りヤナギ 2016.8.18
6月に白く輝いた斑入りヤナギも8月に入るとその白さが失せてしまいます。
 斑入りやなぎ 一時の輝き

斑入りヤナギ 2016.8.18
近づいてしっかり見ると、 6月には真っ白な葉も緑色の部分が出てきたり、その後に出てくる葉は、白い部分(斑)が全くない普通の緑葉、イヌコリヤナギの葉にもどっています。

白い葉だけでは光合成が出来ないので、斑入りのない下葉や緑色の枝で光合成を行いながら、それと、今まで樹体内に溜めていた栄養(エネルギー)で体を維持してきたのですが、さすがにこれでは厳しい冬場を乗り越えられないと判断したのか、それとも、来年の芽出しのエネルギーが不足すると考えたのか、8月に入ると緑葉が出てきています。
それなら、最初から緑葉でいいように思うのですが、進化のいたずらというか、気まぐれというか、必ずしも生き抜くための効率だけで進化するわけではないようです。 この斑入りヤナギが現在あるのは、人間が大事に育てているので生き残っていますが、自然界では生存競争に負けて、おそらく消滅する運命にあるのでしょうね。

斑入りヤナギ 一時の輝き

斑入りヤナギ 2011.6.20
6月下旬になると、ツツジ類の鮮やかで豊富な色合いの花もほとんど終わって、個人の庭も緑だけが目立つようになります。 そんな頃、住宅街を自転車で走っていると、はっと目に止まるものを見かけます。 鮮やかな白い樹、斑入りヤナギです。 特に、太陽の光を透かして見える葉は白く輝き、その美しさを増します。
別名ハクロニシキ(白露錦)とも言うそうで、ウェブページではこの名前で出ています。
斑入りヤナギ 2011.7.9
この斑入りヤナギは白ではなく、少しピンクっぽい色をしています。斑入りヤナギ 2014.6.20
新葉は赤みを帯びていますが、 葉が成長するにつれてその赤みが抜けて白に変わっていくようです。
斑入りヤナギが白く輝くのはこの時期だけのようで、それ以降街中(個人の庭)で斑入りヤナギを見かけなくなります。 おそらく、夏場には白葉が緑葉(斑入り)に変わっていくようです。

<余談>
ウェブサイトで斑入りヤナギを調べると、イヌコリヤナギの園芸品種だと分かりました。
思いもよらない “イヌコリヤナギ” の名前が出てきたので、一瞬ある種驚きのようなものを感じたのですが、 株立ち状の樹形や新葉が赤みを帯びる点など、感じはイヌコリヤナギに似ているので納得しました、
イヌコリヤナギ
2016.6.12
イヌコリヤナギ  豊平川河川敷   南22条大橋近辺

イヌコリヤナギ  :  小川や湿地の近くに生える落葉樹、※高さ6m。 葉は狭長楕円形で長さ4~10cm。 若葉は黄緑~紅色、葉柄は短く、対生ときに互生。(北海道樹木図鑑)

※北海道樹木図鑑には樹高6mと記載されていて普通の大きさの樹木を想像しますが、普段河川敷や川沿いで見かけるイヌコリヤナギは2~3mの株立ち状ものが多いです。

斑入りヤナギ詳細 → http://garden-vision.net/tree/h_line/hakuronishiki.html