ヤマツツジ

5月29日(木曜日)に気温が30℃をこえました。北海道?札幌?で5月に気温が30℃を超えるのは45年ぶりだそうです。その3日前は最高気温が14℃で寒いくらいでした。1ヶ月ちょっと前は、道路脇に堆積された雪がやっとなくなったと喜んでいたのに、そして、この暑さです。気温に体がなかなかついていけません。それでも、この暑さは歓迎です。畑に植えたトマトやキュウリにとって天からの最高の贈り物ですから。とも言い切れないです。 人間と同じように植物にとってもこの急激な温度変化は少々迷惑なのかも知れません
エゾムラサキツツジやアカヤシオが5月上旬に咲き始めて1ヶ月がたちます。ミツバツツジ、クロフネ、ヨドガワツツジ、ムラサキヤシオ、シロヤシオなど順次咲き、今はヒノデツツジも咲き始め、リュウキュウツツジが満開になりつつあります。カバレンゲ、キレンゲもきれいに咲いています。
007 ヤマツツジ・シバザクラ-0012014.5.29
ヤマツツジが満開です。シバザクラのピンクもきれいです。
我家から3kmほど離れたところにある個人のお庭です。
先日、写真を撮らせてもらおうと伺ったところ、ご婦人、年のころ40代と70代の2名がいらしたので、
「写真を撮らせてください」とお願いすると、頭を下げて“OK”のようだったので写真を撮らせてもらいました。
この2名の女性も庭を見に来たとのことで、ここのご主人(庭をつくった人)から聞いた話を私にしてくれました。
「この庭の作者は、40歳のころから、主に土日の休みを利用してこの庭を作り始め、ここまでに造り上げるのに40年かかったそうです。現在80歳だそうです。当初の10年は斜面にある大きな立木を伐採抜根など斜面の整理にかかったそうです。現在は、ツツジ類も大きくなっているが、小さい苗木草花を植えた当初は相当の苦労があった」
などの話をしてくれました。
庭の大きさは、幅30~40m、奥行き10m強でしょうか。面積約350㎡くらいです。ヤマツツジとシバザクラを中心にオンコ(イチイ)の刈り込みやシャクナゲなどが植え込まれています。
平らなところに樹や草花を植え育てるのは、植栽後除草や施肥などの一般的な管理でよいのですが、このような斜面では、それ以外にというよりそれを乗り越えればと言ったほうが正しいのでしょう、大雨(台風など)や春先の雪解け水で斜面の土が流されて、特に、植え付けから2~3年の植物の根付くまでが大変で、大雨ごとに植物が土砂の中に埋もれたり倒れたりで、何回も植替えたり斜面の手直しをされたことは推して知るべしです。
ここのご主人(庭の製作者)に直接話を聞けなかったのですが、庭一杯にヤマツツジとシバザクラが満開になるこの時期、80歳になる彼にとってライフワークとも言うべきこの庭をどんな気分、気持ちで眺めているのでしょうか?

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ヤマツツジがいたるところで満開です。

この時期、街中を自転車で走ると、道路沿いの個人宅の庭にツツジの花が美しく咲いているのを見ることができます。ピンクで八重咲きのヨドガワツツジ、小さな花が株全体を被うヒノデツツジ・ミヤマキリシシマ・クルメツツジなどの淡い桃色から鮮やかな赤や紫の花々、キシツツジ、エクスバリーアザレヤ、キレンゲ、カバレンゲツツジなど実に多彩できれいなツツジ類が咲き誇っています。その中でも一番よく見かけるのがヤマツツジです。
045 ヤマツツジ 西岡-0012012.5.27
個人宅のお庭の写真を撮らせてもらいました。真ん中のお椀を逆さにした形のものがヤマツツジと思います。右側のライラックの下に鮮やかな朱色のツツジが見えます。その左横に黄色のツツジが植えられていますが、ヤマツツジとキレンゲでは無さそうです。色の鮮やかさからすると、この二つはエクスバリーアザレアではないかと思っています。札幌の、今、この時期が個人の庭の最も輝くひとときです。
046 ヤマツツジ H-2.5 W=5~62012.5.20
北大構内で撮ったものです。樹高が約2.5m、幅が5~6mある立派な株です。どれぐらいの年数が経っているのでしょうか?見当も付きませんが、100年は過ぎているのでしょうか?
008 ヤマツツジ2011.6.3
このヤマツツジは、エドウィン・ダン記念公園(旧真駒内中央公園)の東側(真駒内郵便局側)に植えられています。高さは約1.5mです。このヤマツツジはこの公園が造成された時に植えられたと思いますので、樹齢は50年前後でしょうか? 公園に植えられているヤマツツジでは、立派な部類に属します。
札幌市では、昭和50年代~平成の初めにかけて多くの公園がつくられ、その間に大量のヤマツツジが植栽されました。しかし、エドウィン・ダン記念公園のツツジのように立派に育つツツジはそう多くはなかったように思います。
その理由は、ツツジ類特有の酸性土壌を好むことと、それ以上に根の特性、透明で極細の根が乾燥と加湿に弱いところにあるようです。個人の庭のように水遣りなど極め細かい手当てができるのとは異なり、公園のような植えっぱなしでその後にほとんど何もしない粗放な管理には不向きな樹種のようです。
ここのツツジが毎年花を咲かせるのは、植えられた当時の環境は分かりませんが、現在、上部にカツラなどの大きな樹に覆われて、直射日光が当たる時間が少なく、ツツジ周辺の土壌が乾燥から守られているのが大きな要因と思っています。