リョウブ(その3):冬芽(その2)

初冬のこの時期から気圧配置が西高東低になることが多く、そうするとシベリアからの寒気団が日本列島を覆うようになり、日本海側の地域は低く垂れ込めた雲に覆われる日が多くなります。 今日(12月2日:火曜日)はそんな空で、それにおまけが付いて、強い西風に乗って雪が横に吹き付けています。 幸い、降っている雪の量が少ないので吹雪ではないのですが、天気予報ではこの寒気団はしばらく居座るといっているので、この先1週間くらいの天候が気になります。大雪にならなければいいのですが・・・・・・。
リョウブの冬芽は今年の4月上旬に取り上げているのですが、今回はちょっと面白いものが撮れたので、再度の掲載です。
1-007 リョウブ2014.11.18
褐色の円錐形で枝からぶら下がっているのが果実。 枝先についている白っぽいものが冬芽。
1-011 リョウブ2014.11.30
接近して見ると、冬芽の上に蓑帽子のようなものが乗っかっています。 これは剥がれた芽鱗のようです。 今年の4月上旬に見たときは、このような蓑帽子をつけた冬芽はなかったのです。 おそらく、冬の間に風で吹き飛ばされたのでしょう。
リョウブと同じようにバッコヤナギも冬を前にして芽鱗が剥がれますが、冬芽を乾燥や凍結から守る役目の芽鱗がその目的を果たす前に剥がれては、何のためにあるのでしょうかね?

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リョウブ(その2):冬芽

真駒内公園(五輪通正面入り口横)に植わっているリョウブの冬芽です。
003 リョウブ2014.3.29
冬芽(2/5)らせん生であるが、頂芽を除くと、側芽は微小で、ほとんど発達しない。頂芽は円錐形で先がとがり、長さ3~6mmある。芽鱗は灰褐色をし、1~2枚みえるが、冬に離脱しやすく、裸出することがある。(落葉広葉樹図譜)
2枚の芽鱗は早くに落ちて裸芽になる。芽鱗の外れかけた冬芽も見られる。(冬芽ハンドブック)
この写真の冬芽は芽鱗が外れた裸芽のようです。
001 リョウブ2014.3.29
冬の樹姿 真駒内公園のリョウブ 左横はシラカバ
002 リョウブ2014.3.29
リョウブの花は、枝先から10cm~20cmの花穂を数本垂れ下げて咲きます。画面全体に褐色で房状にぶら下がっているものは、リョウブの果実(花殻)です。
028 リョウブ
2013.5.25
この果実(花殻)は新芽が出る時期になっても垂れ下がっています。
<余談>
若葉は戦国時代から食用にされ、ことに令法(りょうぶ)飯と呼ばれて糅飯(かてめし)※1にされた。御嶽の行者の食物として有名である。救荒植物※2として、葉を乾燥して備蓄した。(世界の植物)
リョウブの新葉は天ぷらにしても食べられるそうです。それで、5月下旬、ニセアカシアの花もちょうどその頃咲いているので、一緒に天ぷらして食べてみようと思っています。
※1 糅飯:量の不足を補うため、米に麦・豆・大根・海藻などをまぜて炊いた飯。
※2 救荒植物:山野に自生する植物で、飢饉(ききん)の際に食糧になるもの。ノビル・ナズナ・オオバコなど。備荒植物。

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リョウブ

札幌は、昼間少し蒸し暑く感じるときもありますが、気温が30℃を超える日はなくなり過しやすくなってきました。夜は窓を開けていては涼しいというより寒く感じるくらいです。やはり、お盆を過ぎると昼間は暑くても夜はぐんと冷えてきます。ナナカマドの実も赤味を帯びてきています。秋はすぐそこです。
今日は、リョウブです。こちらではあまり見慣れない聞きなれない樹です。身近な公園では見かけない樹です。自生地は北海道では道南までで、札幌には元々生えてない樹です。
001 リョウブ(赤字)
北大植物園と豊平公園で白い花が咲いているのを見たことがあるのですが、それ以外の公園では・・・・。ところが見つけたのです。真駒内公園で見つけました。五輪通に面する入口横にあります。
樹の大きさは4m前後で、地際から叢生して株状になっています。
026 リョウブ(赤字)2013.7.20
真駒内公園で最初に見つけたのが7月20日、今から約1ヶ月前です。花が咲いていると思ったら、まだ蕾でした。つぼみが白いので、花が咲いていると勘違いしたのです。
003 リョウブ(アカジ)2013.8.15
花は枝先から長さ10~20cmの細長い花序を数本出し、こそにたくさんの小さな花を咲かせます。そして、開花は花序の基部から先端部分に向って順次咲いていきます。花序の先端から1/3はまだ蕾、中央部分の1/3が開化中で、基部の1/3は花弁も散って種子ができかけているように、花の咲き方はずいぶんゆっくりなようです。
ということで、このリョウブは、花の咲いている期間、というより花が咲いているように見える期間が1本の樹で1ヶ月以上に渡るのです。夏場の7月中旬~8月下旬まで長い期間、楽しめる樹です。
025 リョウブ(アカジ)2013.8.11
これは、豊平公園のリョウブです。バラ園横のツルウメモドキのトンネルアーチ裏手にあります。
涼しげな樹姿で、もっと公園に植えられても良さそうな樹です。本州では10mにもなる樹もあるようですが、札幌ではそれほど大きくならないでこじんまりとまとまるようです。
<余談:樹肌>
024 リョウブ(赤字)2013.6.30
これは、リョウブの樹肌です。プラタナスのように樹肌の薄い片がはがれ斑模様になります。樹肌の色合いと斑模様はナツツバキとよく似ています。

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