シャクナゲ  西洋シャクナゲ

2019.5.7
我家の庭に植わっている西洋シャクナゲです。 やっと咲きました。 苗を購入したのは今から20年以上前。 樹高は1m弱、根元の幹径も5~6cmです。 植えてからしばらく、10年くらいは成長する様子もなく、数年前(5~6年前?)から土地に馴染んできたというか、やっと元気になってきたように思います。

植えている場所は火山礫を敷き詰めたところなのですが、シャクナゲは酸性土壌を好むので、購入時にはピートモスを入れて土壌改良はしています。
日当たりについても、西側にはお隣さんの建物があるものの、午前中は日光は当たるので問題はないように思います。 水はけも悪い場所ではありません。
このようにシャクナゲにとって土壌・環境の面で問題はないと思うのですが、長い間成長してくれませんでした。
「シャクナゲを枯らした」という話はよく聞きますが、それでも、個人の庭には大きく育って立派な花を咲かせたものをよく見かけます。

シャクナゲは、土壌や環境などその土地に上手に適応すれば、すくすく育つようですが、何かちょっとしたした原因がシャクナゲの機嫌を悪くして、その後の成長を阻害してしまうことも多いようで、よく言われるように、シャクナゲは気難しい植物のようです。
2019.5.7
直径6~7cmの花を12~13個つけ、花房は15×15cmの大きさになる豪華なものです。 この株が大きくなって、樹冠一杯にこの大きさの花房をつけてくれれば、大層素晴らしいのですが・・・・・・・。

<追記> 購入してからしばらくは根元にラベルはあったのですが、いつの間にかなくなってしまいました。 残念ながら品種名は不明です。

 

 

シャクナゲ 西洋シャクナゲ

日曜日(6月5日)に豊平公園に行ってきました。 ツツジ類が終わって園内の華やかさは無くなっていますが、久しぶりの好天で、青空に映える新緑が美しいです。
シャクナゲ  豊平公園  2016.6.5  豊平公園
写真の西洋シャクナゲは、以前このブログで採り上げているのですが、今回見たシャクナゲが一番の見頃、最も美しい時期に出会えたので、再度、載せました。
豊平公園バラ園の一角に植えられています。 高さは3~4mくらい。
シャクナゲ  豊平公園  2016.6.5
セイヨウシャクナゲ 2016.6.11
こんなに美しく咲いていますが、数年?に一度、寒さのために、葉は赤く枯れ上がって花がほとんど咲かない年もあります。  秋口(10月下旬~11月上旬)に真冬の寒さがやってくると、冬場には耐えられる寒さも秋口にはその準備が出来ていないために、残念ながら、蕾と葉は枯れることがあります。

<余談>
今から40年ほど前、私の最初の勤務地 札幌市農業センター(現在:小金湯さくらの森)で、西洋シャクナゲの耐寒性の調査をいていたことがあります。 その当時は西洋シャクナゲが北海道に入ってきて日が浅く、種類によって寒さに強くいものや、葉が赤く枯れてしまうものなど様々でした。
シャクナゲは、タイやビルマなど暑い地域からヒマラヤ、チベット、シベリアなど寒い地域までアジアの地域、特に中国を中心に多くの種(しゅ)が分布していて、日本にもハクサンシャクナゲやヤクシマシャクナゲなどの種があります。 また、ヨーロッパや北アメリカにも数は少ないですがいくつかの種が分布しています。
ヨーロッパの育種家を中心に、それらを掛け合わせて大きくて美しいシャクナゲの品種が数多くつくられました。 現在、個人の庭で赤やピンク等の大きな花を咲かせているシャクナゲは、多くがそれらの系統に当たると思います。
その当時、農業センターの栽培地にあるシャクナゲは、まだ植えられたばかりのものが多く、高さ30cm~1.0m未満で、雪解け後に冬囲いを外すと、葉と蕾は褐色に枯れあがっているものが多く、がっかりしたものでした。 しかし、その中には立派に花を咲かせるものもありました。
そんなときに、書物で見る西洋シャクナゲのすばらしい姿、特にイギリスやアメリカ(ポートランド)のシャクナゲは、園路沿いに植えられている株高が4.0~5.0mもあるシャクナゲに株全体が赤やピンクの花で覆われているその豪華な樹姿を見ると、札幌でも、このようなシャクナゲが育つのだろうか?、育ててみたいと思った記憶があります。
現在、豊平公園で写真のような立派なシャクナゲを見ると、その当時、40年前の記憶が懐かしく蘇ってきます。

 

 

西洋シャクナゲ(その1)

シャクナゲの花が咲き始めています。下の写真は、我家の西洋シャクナゲです。買ったときは名札が付いていて品種名がわかったのですが、今となっては皆目見当もつきません。植えてからかれこれ25年立つでしょうか?赤色が鮮やかです。毎年、このようにきれいに咲いてくれます。冬の寒さで葉が真っ赤になったり、花芽が枯死して花が咲かないことはありません。これは、おそらく、株高50cmほどでそれほど大きくないので冬の間雪にすっぽりおおわれることと、晩秋~初冬(冬の寒さに備え、耐寒性を増す時期)に数年に一度やってくる寒さに耐える性質を持ち合わせていることが、毎年きれいな花を咲かせてくれる要因・理由だと思っています。
R0010322.jpg2014.5.18
肥料は春先の畑おこしに併せて忘れていなければ申し訳程度にほんの少々与えています。冬囲いはしていません。このシャクナゲの後ろに景石があって、それが枝の雪折れを防いでくれているようです。花が終わったあとの花摘み(種子をつくるための栄養を枝葉と来年咲く花芽の形成にまわす)もしていません。樹形がコンパクトにまとまっているので剪定の必要もなく、何も手当をしていません。我家にとっては出来の良いシャクナゲです。というのは、過去にシャクナゲの苗木を買って植えたのですが、枯れたものや、枯れはしないのですが、順調に生育してくれずに十数年たっても花が咲かない、という経験があるからです。
124 西洋シャクナゲ2012.6.19
上下の写真は、豊平公園に植えられている西洋シャクナゲです。高さは2~3mあるでしょうか?。大きなシャクナゲです。ツツジの仲間には出せない、ボリューム感のある豪華な咲き方です。西洋シャクナゲの素晴らしさ、豪華さがでています。
095 西洋シャクネゲ2012.6.4
これくらい大きくなると、こもなどで囲って寒風を遮るための冬囲いはしてもらえなくなります。このようにきれいに咲いてくれるのですから、これらは冬の寒さに耐える性質(耐寒性、耐乾性)を持ち合わせているようです。しかし、
010.jpg2012.4.25
このような状態になる年もあるのです。こうなると花芽も枯れていて花は咲きません。寒さに耐えうる性質を持っているといっても冬の寒さの程度・性質によって、前述のように晩秋の急激な冷え込みや真冬の寒風の強弱によって葉が真っ赤になる年もあるのです。
雪に埋もれてしまう低木性のシャクナゲは、晩秋の急激な寒さだけを考慮すればいいのですが、高木性のシャクナゲは、前述の性質と真冬に雪の上に出てしまう葉がより強い耐寒性と耐乾性を持っていなければ、葉が真っ赤になってしまう年もあるのです。
シャクナゲ類は苗木を買って大事に育てていても枯れたり花を咲かせてくれないことがあり、栽培のしにくい気難しい植物と言われています。また、年によって葉や花芽が枯死し 翌春に花が咲かないなど、冬の寒さに弱い(冬の寒さに耐える品種がはっきりしないことや特に高木が冬の寒さにやられてしまう)ために、ハクサンシャクナゲなど日本に自生しているシャクナゲほど個人の庭に見かけません。
096 シャクナゲ 石山通2012.6.10
ピンクと白の色合いが絶妙です。
097 シャクナゲ2012.6.10
022 シャクナゲ 西洋シャクナゲ2012.5.26
中央の白が西洋シャクナゲ、ピンクがヨドガワツツジ、右端のピンクはヤエザクラ
001 セイヨウシャクナゲ 2014.5.10
実際の花色はもう少し黄色味を帯びていて、キバナシャクナゲを想起させます。
しかし、この時期、住宅街できれいに咲いている西洋シャクナゲをたまに見かけます。これらが、毎年、上述の写真のようにきれいに咲いてくれるのか? 葉が真っ赤になることはないのか? 冬囲いをしているのか?など、どのように冬を越しているのか?知りたいものです。

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ロードデンドロン フォーチュネイ 


追記:7月30日
033 シャクナゲ ロードデンドロン フォーチュネイ2012.7.22
前回、7月8日に植物園を訪れたときは、花殻と種子、それに樹形を乱す、アンバランスに伸びた新梢が取り除かれていました。それから2週間が過ぎました。それらの部分から新たな新芽が出てきています。
032  シャクナゲ ロードデンドロン フォーチュネイ2012.7.22
新葉が樹冠全体から万遍なく出てきています。
これで来年も今年同様にすばらしい花が見られる と思うのですが、残念ながら、それは無理です。今年は花を咲かせるのに相当のエネルギーを使っています。そのため、今出てきている新梢には花芽をつけません。付けられないのです。札幌の気候は、このシャクナゲに花をめいっぱい咲かせて、それからその年に充実した花芽を付けさせるほど暖かくは無いのです。今年は、体を十分に休ませ、来年、充実した枝に花芽をつけます。
残念ながら、今年のようなすばらしい花は再来年におあずけです。
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追記:7月9日
昨日、北大植物園に行ってきました。前回6月のときは、ツツジ・シャクナゲ類が色鮮やかに咲いていました。今回、バラが満開です。そのほかに、ノリウツギ、ガクアジサイ、アマチャなどアジサイの仲間が咲き始めていました。
園内を歩いてシャクナゲ(ロードデンドロン・フォーチュネイ:6月9日)のところに来ると、前回満開のシャクナゲの樹冠下には、切落とされた新梢や花殻と種子がたくさん落ちていました。写真で、芝生の上が茶色っぽく見えるのは、花殻と膨らみかけた種子です。バランスを欠く伸びすぎた新梢も切落とされています。
016 ロードデンドロン フォーチュネイ202.7.8
花殻と種子が切落とされた花軸部分の拡大写真です。写真では4本の茎の内、右側の2本には新しく新芽が伸びてきていますが、中央の2本は、1本づつ切落とされた新茎の切口が見えます。これは、1本だけ伸びすぎると全体のバランスを欠くために切落とされたのでしょう。 そして、出来ればこれから新たしく1本の茎から2~3本の新芽を出させたいのだと思います。
017 ロードデンドロン フォチュネイ2012.7.8
あんなに花をいっぱい咲かせたのですから、何か手当てをしないと株を弱めます。シャクナゲは、”花が終わったら種(たね)を取れ”といわれます。
その理由は、種子を付けっ放しにしておくと、種子をつくることに養分を取られて、新しく出る新梢に栄養が十分に行かないためです。そのため、しっかりとした枝葉ができなくなり、また、充実した花芽も出来ません。寒さに抵抗性のない株ができあがり、冬枯れの原因となります。特に北海道の場合、夏の生長期間が短く冬の寒さが厳しいことから、シャクナゲを育てる上で重要な作業の一つです。逆に言えば、シャクナゲの管理は、植えられた場所(土壌と環境)に馴染んでしまえば、冬囲いと花殻と種子の除去だけで十分といえます。
そういう意味で、北大植物園のあのシャクナゲ(ロードデンドロン フォーチュネイ)には、必要な手当てはきちんとなされているのです。そうでないと、あれほどきれいな花を咲かせられないのです。改めて納得しました。
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北大植物園に行ってきました。先ず、潅木園を見て、樹木園へ回り、続いて野草園へ。野草園を出て、中央芝生地で、このシャクナゲに出会いました。(6月9日)
その瞬間、その美しさにドキッとしました。ツツジ類の鮮やかさに目をひきつけられるのとは違う、上品で気品のある美しさに見入る という感じです。
広い芝生の片隅に、このシャクナゲは植えられています。大きさは3m強です。正午前には太陽の直射日光には当たらなくなります。上空はシラカバの葉で覆われ、シャクナゲを守っています。
品種名“OLDENBURG”。この品種は、シャクナゲの原種 ロードデンドロン フォーチュネイ(Rhoddendron fortunei)とカンピロカルプム(Rhododendron campylocarpum)をかけ合せて出来たものです。 ロードデンドロン=ツツジ属
068 シャクナゲ2012.6.3
もう少しいいカメラで撮れば、もっと本当の美しさを伝えられるのですが・・・・・。
067 シャクナゲ2012.6.3
ロードデンドロン フォーチュネイです。 シャクナゲにはこんなに美しい花を咲かせる原種があるのです。シャクナゲの解説書によると以下のように書かれています。
6mぐらいの小高木。産地は、中国中部の1,000mの山林中に自生。栽培は最も容易。重要な交配原種
074 シャクナゲ2012.6.3
豊平公園のバラ園に植えられている高さ約2mのピンクの花を咲かせる西洋シャクナゲです。昨年の春にはきれいな花を咲かせていたのですが、今年は、冬の寒さのために葉がほとんど枯死して褐色になっていました。
124 西洋シャクナゲ20111.6.9
美しい花を咲かせる種類であっても、このようになると評価を落としてしまいます。
020 シャクナゲ2012.5.14
076 シャクナゲ2012.6.3
このシャクナゲは、どにような冬囲いがなされているのでしょうか?矢倉を組んで,こもで覆っているのでしょうか?どんな方法にしろ、今年1月の異常な寒さに耐えて、すばらしくきれいな花を咲かせるのですから、もっと庭木にあってもいい樹です。このシャクナゲはお勧めです。
069 シャクナゲ2012.6.3
シャクナゲでよく見られる、つぼみの時にはピンク色しているのですが、つぼみが開くにつれて、花弁が白くなっていきます。その色合いが実に美しいです。

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