カラマツ(その2) : 冬芽 

カラマツ:冬芽
1-009クリ2015.2.12
カラマツの冬芽と球果。 球果は2~3cmで他のマツ類に比べると小さいです。 球果の1枚1枚反り返ったうろこ状のものを “種鱗”(しゅりん) というのだそうです。 その種鱗の内側に種が入っています。
1-058カラマツ2015.2.12
カラマツの冬芽。 大きさは2~3mmと非常に小さいので、私の安物のカメラではなかなか上手く撮れなくて、冬芽の先のほうがピンボケになっています。
褐色の冬芽の基部に白い点々が一周しています。 これらは葉痕のようです。 そして、この葉痕が何段も積み重なっているように見えます。 数えると8段あります。 この冬芽(短枝)は、大きさ(高さ)は1cmくらいですが、8年経っているということになります。
1-023 カラマツ2013.3.24
円山公園のカラマツ。
幹径70~80cm、樹高は優に20mを超える立派な樹が列状に植わっています。
1-052 カラマツ 円山公園2011.10.9
カラマツは公園などでもよく見かける樹ですが、 特に、11月上旬に車で郊外を走ると、トドマツの黒味がかった緑が山肌を覆うぐらいで、ほとんど冬枯れの中にところどころ黄色い布で継はぎしたように樹木があるのを見かけます。 戦前?、戦中?戦後?いつごろか分かりませんが、カラマツが植林されたところです。
カラマツはそれぐらい良く見かける樹です。 今回は円山公園のカラマツを取り上げます。 その理由は、おそらく、この円山公園のカラマツは道内で一番古い樹、樹齢を重ねた樹ではないかと言うことです。 カラマツは寒さに強い樹ですが、元々北海道に自生している樹ではないのです。 私達が身近に見ているカラマツは全て植えられた樹なのです。 以下は、円山公園を管理している札幌市公園緑化協会のホームページからの抜粋です。
「 円山公園には、養樹園と呼ばれる苗木の育成センターが、開拓使によって明治13年に開設されていました。国内はもとより、様々な外国産の樹木をここで試験栽培し、殖産興業に役立ちそうな樹木の苗木を、道内に配布する役割を持っていたのです。そこから配布された樹木には、ウルシやクロマツ、アカマツ、ニセアカシアなどもありますが、カラマツもその中に含まれていました。園地中央部にあるカラマツの大木は、その名残の木であり、記録によると1890年(明治23年)に植えられていることが分かります。道内でも最も古いカラマツであるといえるでしょう。」
→ カラマツ

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カラマツ:山に残る最後の黄葉

今日(11月16 土曜日)の札幌は、11月中旬にしては珍しく暖かい日差しに覆われて、お出かけするには絶好の日和でした。小春日和とは今日のような天候を言うんでしょうね。
※小春日和(こはるびより)とは、晩秋から初冬にかけて、移動性高気圧に覆われた時などの、穏やかで暖かい天候のこと
札幌の街中も郊外も、葉をいつまでも付けている樹々はニセアカシアやプラタナスなど外来種のみで、ハルニレ、イタヤカエデ、ハリギリなど北海道に元々自生している樹々はすっかり葉を落としています。しかし、豊平川沿いの山々を見ると、まだ褐色の葉を付けている樹を見かけます。カラマツです。
002 藻岩山(赤字)2013.11.16
これは、豊平川沿いに面する(北東に面する)藻岩山で、豊平幹線(豊平川沿いに走っている道路)の藻岩橋下流から撮った写真です。茶褐色に黄葉している樹がカラマツです。写真左側の暗い部分は落葉した樹々で,写真右手に深緑色の樹々が、おそらくトドマツと思います。
006 藻岩山(赤字)2013.11.16
これは、上の写真の反対側、南方面から撮ったものです。左側、山の稜線に白い建物が見えます。藻岩山の展望台です。写真下の建物は、藻岩高校と中村記念病院です。
藻岩山の南側も褐色に黄葉する樹々が見えます。カラマツです。上の写真と同じように濃緑色の樹々が見えます。トドマツではないでしょうか。
)009(赤字2013.11.16 写真左、鮮やかな橙色に黄葉している単木もカラマツ
この写真は南区の豊平川に沿って広がる山々で、場所は十五島公園を少し上流に上ったところで撮ったものです。写真中央に2箇所、褐色に黄葉した樹木群があります。カラマツです。
この時期、豊平川およびその支流に沿って車を走らせると、至るところでこのような光景を見ることができます。
夏場に遠くから山を見ていると緑一色でどんな種類の樹が生えているのかわからないのですが、この時期になると、カラマツの黄葉が至る所で目に付きます。
カラマツは、樹高30mに達する、日本で唯一の落葉性の針葉樹です。自生地は、中部~関東地方の山地に点々と自生するものと、宮城県の蔵王山系にわずかに分布するものとがあります。寒さに強いうえ、成長が早く、材の強度が優れ、また、苗木を増やしやすいことから、寒冷地の造林木として、明治時代以降、東北地方から北海道で広く植えられるようになりました。
身近な山々でカラマツ林が至る所で見られることは、札幌周辺の山々は、ほとんどのところで人の手が入っているようで 人間の手のつかない樹林を残している山はほとんどないようです。札幌の中心部からわずか5km程しか離ていないところに、“円山・藻岩山原始林”として天然記念物の区域が指定されている藻岩山は、普段何気なく眺めている山なのですが、その意味で本当に貴重な存在なのでしょうね。

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