エゾノコリンゴ? それとも ズミ?

5月下旬のこの時期に、公園で樹高が3~7m位の樹木全体が真っ白い花を咲かせる樹を見たら、なんの疑いもなくエゾノコリンゴと思っていました。どうも間違っていたようです。ズミが混じっていることもあるようです。
019 エゾノコリンゴ2012.5.25 川沿サフラン公園
今から25年以上前の話になりますが、札幌市が毎年、数十箇所の公園を造成している時代に、私も一時期ですが公園の設計に携わったことがあります。設計で新しく造る公園に植える樹木を選ぶとき、樹木の価格が載っている単価表という冊子を使うのですが、その当時の設計者は、 ほとんどの樹木をこの単価表から選んでいたのです。その中に、エゾノコリンゴがあり(ズミは無かったように思います)、自分自身も使った記憶があります。そんなことで、この時期に公園で白い花を咲かせる樹は、ズミは全く念頭になく、エゾノコリンゴだという潜入観念を持ち続けていました。
上の話とは別に、20年程前に道路の緑地帯の植栽工事でエゾノコリンゴを植えたことがあります。それらの樹木を通りすがりに見ることはあっても、改めて見ることはありませんでしたが、一昨年の夏の終わりに、じっくり葉を見る機会がありました。自分では当然エゾノコリンゴと思っていますので、中裂した葉が混じっている樹を見つけたとき、少し驚いたことを覚えています。このことが気になって、石山緑地にあるエゾノコリンゴを見ると、中裂した葉を持つ樹がありました。市内の公園で、エゾノコリンゴとして植えられた樹の中に少なからずズミが混じっている可能性があります。
エゾノコリンゴとズミの見分け方は、細かい点を除くと、2つあります。一つは、葉が中裂しているか否か、もう一つは、果実の大きさです。エゾノコリンゴのほうが一回り大きいのです。
ズミの中裂した葉は、開花と同時に出てくる葉(短枝)にはほとんど現れず、その後に出てくる葉(長枝)に見られるようです。今現在ある葉(短枝)が中裂していなくても、今後、出てくる葉に中裂した葉が出てくる可能性は大いにあります。
これらのことは、これから秋にかけて現れるので、時間を見つけてもう少し調べたいと思います。
090 ズミ2011.5.13
ズミのつぼみ 北大植物園
141.jpg2011.8.17
ズミの葉 北大植物園
〇参考までに:エゾノコリンゴとズミの違い
・ズミ                         ・エゾノコリンゴ
若葉      :2つ折りで出てくる          巻いて出てくる
蕾       :濃紅色                 白色~淡紅色
葉の形    :3~5中裂する葉がある      中裂しない
花柄の長さ :2~2.5センチ              2~2.5 センチ
花の大きさ :2~2.5                  3~4センチ
花柱      :ふつう3個(稀に4個や5個のことも)  5個(稀に3個や4個のことも)                                     参照:Nature Log (植物記)

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