カキノキ:こんな大きな樹が

先日、大通~道庁~北大植物付近を歩いてきました。紅葉には少し早いのですが、大通西2丁目にあるサトウカエデがきれいに紅葉していました。この近辺は街路樹にプラタナスが多く植えられていて、周りの樹々が黄色くなってひらひらと葉を落とす時期になっても、プラタナスはいつまでも青々としています。しかし、今年は(一昨年から?)プラタナスグンバイの加害(葉の液を吸う)により、樹冠全体が白く薄汚れた葉に覆われています。少し街の雰囲気が変わったような気がします。
北大植物園の正面入口のある歩道を歩いていると、植物園のガラス温室横に赤い実のなっている樹が見えます。普段、この歩道を自転車で走るときはほとんど意識しない樹なのですが、赤い実が目に留まり、よく見るとカキです。
012 カキ 北大植物園(赤字)2013.10.19
実の大きさは5~6cmで、スーパーで買ってくるカキに比べるとふた回りくらい小さいです。驚いたのは、
RIMG0011(赤字)2019.10.19
その樹の大きさです。10m前後あるのではないでしょうか。カキは暖地性の果樹です。札幌でも、個人の庭で2~4mのカキをまれに見かけますが、こんなに大きなカキノキは初めてです。もともと自分の意識の中では、カキは北海道では育たないもの、育ってもそれほど大きくならないものと思っていたので、植物園に来るたびに幾度となく見ているのですが、それがカキと判って改めてその大きさに驚きました。
写真を撮っていると、折りよく植物園の関係者の方が見えたので、フェンス越しに
「このカキノキの種類はなんです?」と尋ねると
「植物園の関係者が種をまいたようですが、種類はわからないです。」
「それにしても大きいですね。札幌でもこんなに大きくなるのですね」と
「横に温室があるので、それが影響しているのではないかと思っています」との答え。
「渋柿ですか}と尋ねると、
「少し置いておくと甘みがでてきます」とのこと。
味を見たくて、
「落ちているカキをいただけますか」と尋ねると、
渋々?いやいや?変な人だなと思われながら、1個頂くことができました(これは内緒)。
食べてみると、それほど渋くはありません。ほんのりと甘みがあります。札幌の寒い気候では、暖かさが足りないため、実が十分大きく生れないことと甘さものらないのでしょうか。
015 カキ(赤)2013.10.19
カキの樹幹とカラスの嘴で突かれて落ちたカキの実。
<余談:甘柿と渋柿の違い>
甘柿は、成熟すると樹上で果実の渋が抜けますが、渋柿は、完全に軟化するまで渋いままです。これは、甘柿が、果実の成長後半に渋味をもつタンニン物質が固まり、水に溶けなくなるため、舌に渋味を感じなくなるのに対し、渋柿は、成熟してもタンニンが固まらなかったり、部分的にしか固まらなかったりするために渋味を感じるからです。ただし、渋柿でも過熟して、いわゆる熟柿(じゅくし)になると渋が抜けます。なお、甘柿には、種子ができるとそのまわりにゴマといわれる黒褐色の斑点ができて渋が抜ける不完全甘柿と、種子ができるできないに関係なく渋が抜ける完全甘柿とがあります。<農林水産省のHPより>
こちら(札幌)でよく食べるカキに“おけさ”や“庄内”柿などの品種があります。これらは渋柿ですが、水溶性のタンニンをアルコールや炭酸ガスを使って不溶性にして、渋みを感じなくさせているそうです。

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