ケヤマハンノキ  ハンノキハムシ

2017.7.25
2017.7.25
写真は、国道230号に架かる北の沢橋から、北の沢川の河川敷に生えている樹木を撮っています。 ところどころに赤茶けた樹木が見えます。 ハンノキハムシの幼虫に食害されたケヤマハンノキです。
所用があって小林峠を越えて西区に行ってきましたが、その道すがら、道路法面に生えている樹にも赤茶けた葉をした樹を見つけました。 犯人はハンノキハムシのようです。
真駒内川沿いにあるサイクリングロードを自転車で走ると、やはり、赤茶けた樹を見かけます。 ハンノキハムシの仕業のようです。 ケヤマハンノキだけではなく、シラカバも灰色がかった透き通った葉をつけています。 さらに、ケヤマハンノキと思ってい近づいて見るとハルニレの葉も葉脈を残して網目状に食われています。 ハムシ類による食害なのでしょう。
今から3~5年前にも同様の光景を見ていますが、今夏と同じように暑い夏だったような気がします。
2014.7.27
南区真駒内川沿い 樹木斜面上は柏ケ丘団地

2017.7.25
ハンノキハムシの幼虫(画像をクリックすると拡大します)
・加害樹種 : ハンノキ類、カンバ類、その他広葉樹
・特   徴 : 終齢幼虫は体長12mmで濃褐色、濃褐色。若齢幼虫は黄土色に黒色の斑点がある。 成虫は体長6~7mmで全体が光沢のある黒青色。
・生   態 : 年1回発生。 成虫で越冬。 6月頃に出現して葉に穴をあけるように食害する。 黄色の卵を葉裏にまとめて産みつけ、幼虫は7月に出現し、葉肉だけを削るように食害して、7~8月に地中で蛹化する。 夏に成虫が羽化し、葉を摂食した後、秋に落葉中や地中に潜り越冬する。(北海道 樹木の病気・虫害・獣害)

2011.10.31
越冬前のハンノキハムシの成虫(おそらく)

ケヤマハンノキ  冬芽

2012.11.24
冬芽はほとんど開出せず(芽が枝にそう)、だ円形で、先が円く、長さ6~10mmあり、毛がはえ、帯赤紫色ないし暗紫色をし、太くて長さ2~5mある柄をもつ。 頂芽はやや太く、予備芽を伴う(写真の冬芽には予備芽は見られない)。 ※短枝では、1個の冬芽が頂生し、2~4個の葉痕がある。芽鱗は托葉起源で、外側の1対と内側の1枚がみえ、ろう質ないし樹脂質でおおわれる。
2013.4.29   芽出し
2個ある冬芽の内、写真上部の冬芽の基部から2本の細長い筒状のものが伸びだしています。 展葉の初期のようです。

※短枝 : 文字通り短い枝のこと。枝には、よく伸びた枝(徒長枝)・その年伸びた枝の基部付近から出る生長の少ない枝(短枝)・その中間の枝(中枝)があり、短枝は組織が充実していて、花芽や実が結実しやすいという性質がある。特に実もの樹種の一部ではこの短枝にのみ花芽を持つものが多いので、枝づくり過程で短枝を多く残すことを目指したい。(コトバンク)

この木はなんでしょう?

この赤い断面をもつ木は何だと思いますか?
029 ケヤマハンノキ?2011.5.20
おそらくケヤマハンノキです。
030 ケヤマハンノキ?2011.5.20
ケヤマハンノキやハンノキなどハンノキの仲間は、伐採後株の切口は空気に触れると橙色を帯びてきます。
この写真の株は前年の秋か冬に伐採されていますので、半年経ってもこの色を保っているのです。
もし、暖房用の薪材が積んであるところで、このような色の断面の薪を見つけたら、ハンノキの仲間の種類と思って良さそうです。
更科源蔵が著した「コタン生物記」に以下のような記述があります。
薬にする木 - ケヤマハンノキ
・・・・・・ケネとはハンノキのことで、また、ケネという言葉はケ・ニから来たもので血の木という意味である。それはこの木の皮に傷をつけると、傷口が人間の皮膚が傷ついたように、見るみる赤く血がにじみ出たようになるからである。この木の皮を煎じてつくった赤い浸出液は染料として、織物にするオヒョウの皮の繊維をひたして赤褐色に染めるのに用いた。赤く染める染料としてはイチイの木質の芯部とこの木の皮以外になかった。

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ケヤマハンノキ:ハンノキの雄花

先週、先々週の週末は2週続けて荒れた天気でした。しかし、今日(3月17日)は、久しぶりに太陽がまぶしい、気温も6℃前後まで上がって、春が近いと思わせる日でした。今度の水曜日は春分の日(お彼岸)です。北国札幌にも春が近づいてきているようです。
この時期(3月)に公園などに行って、冬芽を近くで見ると、蕾が膨らんでいるもの、葉が開きかけようとしているものなど、静かに春への準備をしているのが見ることができます。しかし、遠くからみると、ヤナギの白い花序が目に付く程度で、ほとんどの樹木はまだ真冬と同じで、芽など動き出しているような気配は見当たりません。
しかし、ヤナギのほかにもう一つあるのです。ハンノキ類の雄花です。
1-021 ケヤマハンノキ2011.2.6
中央の黒っぽい樹木は、真冬のケヤマハンノキです。枝先に小さな粒々が見えます。これは雄花です。まだ堅くしまった雄花です。長さは1.5~2㎝程でしょうか?
1-017 ケヤマハンノキ2013.3.17
それがこの時期になると長く伸び始めるのです。長く伸びるだけでなく、茶褐色の雄花序が変色して赤味を増すのです。目立つのは、雄花の大きさではなく、まだ周りが白い世界の中でその赤さのようです。。
1-022 ケヤマハンノキ2013.3.17
1-020 ケヤマハンノキ2013.3.17
小さな雌花(5mm前後)と長く垂れ下がっている雄花(5~8cm)。
1-044.jpg2011.4.25
4月下旬の雄花(雄花序)です。3月中旬に長く垂れ始めた雄花(雄花序)は1ヶ月かけてこのようになります。
札幌のハンノキ花粉は、その年の気象条件で大きく違いますが、おおよそ3月上旬から5月下旬まで飛散するようです。この雄花(雄花序)は2011年(平成23年)に撮っていますが、この年の飛散時期は3月中旬から5月上旬で、最盛期が4月中旬となっています。ので、この雄花(雄花序)は最盛期を過ぎた、花粉を飛ばし終えた?花のようです。
冬芽 ~ 新葉
1-054 ケヤマハンノキ2011.11.24
名前のとおり、枝と冬芽に毛が生えています。毛のないものをヤマハンノキというらしいです。ケヤマハンノキの冬芽はワックスをかけたような滑らかで光っています。
1-038 ケヤマハンノキ2011.5.5
5月上旬に展葉します。
1-056 ケヤマハンノキ2011.5.22
そして、5月下旬には来年の春咲く雄花と雌花が枝先に出来上がっています。グリーンぽっいのが雄花で、赤っぽいのが雌花のようです。
名前の由来
名前のとおり、ケヤマハンノキは葉や枝などに毛があり、山にも生えるハンノキという意味。
ハンノキについては、
牧野新日本小物図鑑:ハリノキが転訛したものであるが、ハリノキの語源は不明である。古くはハンノキに榛の字をあてていたが、榛はハシバミの漢名である。
そのほかでは、ハリノキの転訛、開墾を意味するハリ(墾)から出たとする説があり。
※ハンノキは空気中の窒素を固定する菌を根に持っているため、昔から肥料木として田んぼの畦などに植えられた。
Data
・科名 カバノキ科
・属名 ハンノキ属
・学名 Alnus hirsuta ちなみに、ハンノキは、Alnus japonica
・花期 3月中下旬?~4月
・分布 日本、朝鮮、サハリン、シベリアなど

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