ハリギリ  冬芽


冬芽は暗紫色・紫褐色ないしえんじ色をし、無毛で、2~3枚の、葉柄基部起源の芽鱗につつまれる。 頂芽は大きく、半球形、円錐状球形ないし卵形で、長さ5~9mmある。  側芽は小さく扁平し、長さ3~6mmあり、下位のものは発達しない。  (落葉広葉樹図譜)

<余談>
ハリギリはハルニレ、イタヤカエデ、オニグルミ等と並んで札幌周辺の至るところで見ることの出来る樹です。 夏のお盆前後、藻岩山など山の中腹に白い斑点のような模様若しくは白っぽい樹冠をした樹を見つけたら、それはハリギリと思っても間違いないようです。
⇒ ハリギリ
そしてもう一つ、札幌の中心部でも大きなが樹を見ることができます。 それも恐らく開拓史以前の、もともとこの地に生えていたと思われる幹の太い樹です。
 2011.11.3
写真は、中央区北2条西6丁目、道庁南側入り口に生えているハリギリ。
そのほか、北1条西7丁目札幌テレビ放送(STV)北側歩道、 北1条西12丁目(札幌高等検察庁や札幌家庭裁判所のある一画の西側歩道)、 北1条西5丁目北菓楼札幌本館東側に生えています。

ハリギリ 樹皮・樹肌

   幹径:2~3cm       幹径:10cm        幹径:10cm

幹径2~3cmのハリギリの幹には鋭いトゲが多数生えています。
中央と右側の写真の幹径はどちらも10cmほどですが、樹肌の模様・色はかなり違います。 中央の写真の幹には棘が確認できますが、右側のものには棘は生えていないように見えますが、少ないですが生えています。
    
幹径:50~60cm    幹径:70cm       幹径:100cm

写真中央のハリギリは、真駒内公園にある推定樹齢140年のものです。
写真右側北大植物園に生えているハリギリの樹肌は、左と中央のものとは趣が全然違います。 幹径が1mを越えるような大木になると、写真のように縦の割れ目模様が粗くなるのでしょうか?

写真では確認できないですが、幹径が50~60cmになっても主幹にはトゲが残っています。

<余談>
ハリギリはウコギ科に属しますが、札幌で身近に見られるのはウコギ科の仲間は、タラノキです。 その他に、エゾウコギやコシアブラがありますが、それほど見かける樹ではありません。
幹や枝にトゲが生えているのは、ハリギリとエゾウコギで、生えていないのがタラノキとコシアブラです。

 

ハリギリ

ちょうど今頃(7月末~8月中旬にかけて)、藻岩山の緑濃い山肌に所々白っぽい部分があるのに気づきます。  ハリギリの花です。

ハリギリ
2014.8.17
写真は中央区と南区の区界で、南30条辺り山鼻川沿いの樹林。 中央右手に白っぽいのものがハリギリの花

ハリギリ
2013.7.23 開花前のつぼみ


ハリギリ2015.8.5  藻岩山南側山肌  中央の白い樹木がハリギリ 開花中

ハリギリ
2014.9.6
五輪橋から見る藻岩山南側の山肌。 写真中央、白っぽいのが花の終わったハリギリ。

ハリギリ
2014.9.14
まだ、果実は緑色をしていますが、ところどころに赤い実がついています。 10月になると黒く熟します。

ハリギリ(その2)

ハリギリ(センノキ)は、イタヤカエデの葉を二回りくらい大きくした葉(掌状浅裂葉)をしていて、一目でそれと分かるため、直ぐ覚えられる樹木です。そして、この樹は札幌の中心部で、大きな公園にも、山中にと場所の偏りなく100年を超えるような大木があります。 この樹はイタヤカデやハルニレと肩を並べる、この札幌で最もよく見かける樹(自生種)の一つです。
1-008 ハリギリ
2011.9.1 真駒内公園
真駒内公園には135年を超えるハリギリが2本あります。その内の1本で、樹高21m、目通幹周315cm(幹径約1m)樹齢200年の大木です。(真駒内公園のホームページより)
1-113 ハリギリ 月寒神社
2011.9.1 月寒神社
月寒公園に隣接する月寒神社です。そこにある大木です。樹高は、近くで見上げるだけで検討がつかないのですが、20mは十分にありそうです。
それよりも、この樹は地際から1~1.5mの辺りで直径が50~70cmもある幹が均等に5本真っすぐ上に伸びて樹形をつくっていることです。近づいて上を見上げると、一種吸い込まれそうな大きさを感じます。
1-037 ハリギリ
2011.9.1 月寒神社
1-038 ハリギリ
2011.7.2 円山
円山に登る山道沿いにあります。台風などの強風で幹が斜めに傾いたのでしょか?主幹と主枝の付き方からそのように見えます。
1-106 ハリギリ STV北
2012.6.24 中央区北1条西7丁目 STV北側
樹高 約13m、幹周2m弱(幹径70cm)、樹齢約120年の樹です。都心部には、この樹のほかに、北1条西2丁目の歩道に、道庁南口、北1条西6丁目にある道立文書館別館横に樹齢100年を越すと思われる大木が残っています。
ハリギリは肥沃な土壌に生育するといわれています。豊平川が運んできた栄養のある土壌が広がる扇状地、今の札幌で言えば、中央区、南区、豊平区、白石区、東区には、その昔、このようなハリギリの大木があちこちに生えていたのでしょうか。
1 冬芽
1-RIMG0019-001(赤字)2012.12.29
①冬芽 頂芽は平べったい円錐形又は半球形をしています。 芽鱗(蕾の保護をする)は2枚のように見え、色は暗紫色でつやがあります。
②葉痕 細長いⅤ字 形で、その中に、維管束が10~13個あるらしいです。
③とげ エゾウコギやタラノキなどウコギ科の仲間は枝にトゲを持っている種類が多いのですが、このハリギリのトゲが大きくて鋭いです。
1-073 ハリギリ2011.4.30
4月下旬、冬芽がふくらみ、暖かければ明日にでも展葉しそうです。
1-088 ハリギリ2011.5.15
5月中旬、展葉しています。
ハリギリも食べられますが、これは開きすぎのようです。蕾から少し葉が開きかけ位のものが食べ頃です。しかし、苦味やえぐみが強いらしく、味はタラノ芽より落ちるようです。
1-006 ハリギリ2011.8.4
8月上旬~お盆の頃にかけて、写真ファイルのように白い花を樹冠一杯に咲かせます。
国道230号線(石山通)を車で中心部に向かって走り、五輪通の下を潜り抜けて上がりきったところで、前方左側に藻岩山が見えます。夏の盛りに、この斜面のところどころにハリギリの白い花を見ることができます。
1-008 ハリギリ2011.8.4
ハリギリ、タラノキ、エゾウコギなどウコギ科の仲間は多数の花が集まって球形になる咲き方(散形花序)をするものが多いです。この花は最盛期を過ぎています。5枚の花弁と5本?の長く延びた雄しべが目立ちます。
2 名前の由来
牧野新日本植物図鑑では、
針桐の意味で、葉の大きいことをキリに見立て、枝に針があることを述べた名。センノキは語源不明。
3 Data
・科名 ウコギ科
・属名 ハリギリ属
・学名 Kalopanax pictus
樹に咲く花や牧野新日本植物図鑑では、小種名に “septemlobus”という単語を使っており、その意味は“七浅裂の”です。一方、北海道樹木図鑑は“pictus”で、その意味は“色彩のある、美しい”です。ハリギリの葉を考えると“septemlobus”の方が的を得て良さそうな気がするのですが・・・・。
“pictus”は英語の“picture”にあたる単語と思うのですが、この“pictus”を用いた命名者(Nakai:おそらく日本人)は、ハリギリのどの部分、何を持ってこの単語を使おうと思ったのでしょうかね? このようなことに連想を膨らませるのも面白いものです。
・花期 7月中旬?~8月旬
・分布 日本、南千島、サハリン、朝鮮、中国

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冬の線香花火

この樹はハリギリ(センノキ)です。
枝先に茶色ががってもやっとしている部分が、花柄と種子です。
027 ハリギリ
2011.3.11 真駒内公園
この花柄と種子の付き方は線香花火を連想させませんか?
線香花火の軸の小さな火の玉から流れ落ちる火線を連想しませんか?
023 ハリギリ
2012.3.11 真駒内公園
この線香花火を学術的に表現すると以下のようになります
・北海道主要樹木図譜 : 散形花序で細く平滑な花柄があり、小花柄は長さ5~10mm。散形花序は小枝の先端に叢生し、大型で径20~30mm
・樹に咲く花 : 枝先に球形の散形花序を多数だし、小さな花をつける。
024 ハリギリ
2012.3.11 真駒内公園
種子については、
・北海道主要樹木図譜 : 果実はやや球形、成熟すると暗紫黒色となり、4-5個の縦溝があり、長さ4-5mm、先端 に残留した花柱がある。7月に開花、10月に果実成熟
・樹に咲く花 : 液果、直径4~5ミリの球形,はじめ赤褐色、のちに黒く熟す。種子は長さ3~4mm。
025 ハリギリ
2012.3.11 真駒内公園
ハリギリは、エゾウコギ、コシアブラ、タカノツメなどと同じ仲間でウコギ科に属し、この仲間の花の付け方は、花柄の長短はありますが、ハリギリと同じように散形花序の先に花をつけます。
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