プラタナス  冬芽

2018.3.18
冬芽は、勢いよい枝で※2/5のらせん生で、弱い枝では二列互生である。 枝の上〜中位につく側芽は大きく、下位が小さく、仮頂芽(枝の先につく芽)がやや小さくて、円錐状卵形で、長さ5~10mmあり、赤褐色をし、無毛で、1枚の芽鱗に帽子状に包まれる(葉柄内芽)(落葉広葉樹図譜) 2012.6.7
写真はプラタナスの葉柄基部を接写したもの。 葉柄基部に穴が開いているが、そこに芽(冬芽)が入っている。 ハクウンボクもプラタナスと同じように葉柄内芽をもつ。

<余談 らせん生冬芽>
冬芽のつき方には、対生と互生の大きく二つに分けられる。 対生は同じ位置に2個付くもので、3個以上になれば輪生となる。 互生には、二列互生とらせん互生がある。 二列互生は180°づつずれて交互につき、枝はジグザクになるので一目でわかる。 ケヤキ、シナノキ、ヤマグワなど。
らせん互生は、枝を真上から見ると芽がぐるぐると枝をらせん状にまわりながらついていて、1/3、2/5、3/8らせん生などがある。

例えば2/5らせん生は、ある位置の冬芽と下の位置にある冬芽が同じ線状につくのに枝を何回回り、その間に何個の冬芽がついているか による。 下の図の2/5では、1と6が同じ線状にきている。 その間に2周して5個の冬芽がらせん状についているので、2/5らせん生となる。


(落葉広葉図図譜より転写)

 

 

 

プラタナスの黄葉  五輪通

2019.11.3
写真は札幌の中心部、道庁や中央警察署が面する通り、南北に走る 西5丁目線。 樹高が15m近くありそうなプラタナスの街路樹が立ち並んでいる通りです。 ここ数年、プラタナスグンバイが発生して夏場過ぎから葉色が白っぽくなる樹が多くなってきて、プラタナス本来の美しい濃緑色の葉をした樹が少なくなってきているのですが、それに加えて、落葉間近になるこの時期は、緑色も色あせて街路樹の美しさもほとんどなくなってきています。


2019.10.29
住宅街に植えられている街路樹プラtナス。 最近は落葉期前に剪定することが多くなってきています。 写真のプラタナスも10月上旬に剪定されています。 理由は、落ち葉が迷惑という住民からの苦情に対応するためです。 こざっぱりとはしていますが、葉色は都心部のプラタナスと同様にくすんだ緑色か灰白色です。プラタナスは公園にもありますが、そこで見かけるプラタナスは住宅の近くに植えられているものが多く、数年に一度くらい剪定されているためか、落葉期にきれいに黄葉する樹を見かけません。
公園や街路樹など街中で見かけるプラタナスは、晩秋の紅葉期にはくすんだ緑色か灰白色に変色して、秋の風情を彩る美しさなど全くなく、早く落ちてしまった方がすっきりすると思いたくなる葉色をしています。

ところが、プラタナスも美しく黄葉します。
2019.11.1
晩秋の低い陽射しに透かされて黄褐色に映えるプラタナスの葉。
2017.10.29
上の写真2枚は、真駒内公園を南北に分けて横断する五輪通沿いのプラタナス。 写真では街路樹のように見えますが、このプラタナスは真駒内公園内の樹で、五輪通沿いに列植されています。 芝生の緑地帯に並んでいるのが街路樹のハルニレ。
これらのプラタナスは札幌冬季オリンピックが開催された1972年、今から47年前、その頃に植えられたもので、樹高が優に20mを超える大きな樹です。 周囲に電柱・電線や建物など障害となるものがないため、高さや幅を抑える剪定はほとんどされていないようです。 それが一番の要因と思うのですが、ここのプラタナスはきれいに黄葉します。
11月中旬のこの時期はもうほとんど葉を落としてその姿を見られないのですが、来秋の10月下旬に一度見ていただければと思います。 普段見られないプラタナスの意外な美しさに出会うことできます。

 

 

 

 

プラタナス  プラタナスグンバイ


2017.8.26                                                          2018.8. 25
写真は、大通公園(4丁目)から中央区西5丁目線の街路樹プラタナスを撮っています。 左側が昨年、右側が今年です。
昨年の街路樹プラタナスは葉が白っぽくなっています。 原因はプラタナスグンバイです。 ところが今年はこのプラタナスグンバイによる葉の白化は少し治まってきて
いるようです。
2018.8.25
しかし、近づいて見ると、やはり葉は白化(黄化)しています。 プラタナスグンバイによる葉を吸汁する被害が少し和らいだということようようです。 札幌でこの現象を最初に気付いたのは2013年で、その年は写真(2017年)よりさらに白化(黄化)は酷く、夏場にも関わらず大通公園の芝生には白っぽい葉があちこちに散らばっていました。 その葉裏を見ると、透明な羽を持ったプラタナスグンバイが這いずっていました。 その翌年以降も葉の白化は続いていたのですが、少し落ち着いた、治まってきたのは今年で、発生年から5年が経ちます。

⇒ プラタナス プラタナスグンバイ 2013年9月

3~4年前に札幌でマイマイガが大発生しました。 公園の樹木が丸裸になったり、早朝に散歩すると街路灯の下に無数のマイマイガが地面を覆ったりしているのを目撃しました。 しかし、それも2年程で治まっています。 マイマイガに関しては、10年単位で消長を繰り返すようです。 その原因は、寄生バチや病原菌、ウイルスなどの天敵に寄生された幼虫が大量死して大発生が治まるとのことのようです。

カンボクやケヤマハンノキなどは、ハムシに葉を食害され夏場にほとんど丸裸されている樹を時折見かけます。 しかし、毎年その樹が丸裸にされることはなく、ある年は別の樹が酷く食害されていたりと、一様ではありません。

これらの現象を見ていると、ハムシの方も、一度食害された樹木は体力(樹勢)も衰えているので、葉が美味しくない(栄養が少ない)ことを知っているのではないか?と思ったりもします。 確かに、ハムシにとっても、大家さんを殺しては元も子ありませんから、その辺の加減は分っているのでしょう。

その意味で、ここ数年のプラタナスグンバイによるプラタナスの被害について考えると、マイマイガのパターンではなく、おそらく、カンボクやケヤマハンノキのパターンではないかと思っています。 グンバイムシは葉を吸汁しすぎるとプラタナスの樹勢が弱ることを知っているので、、ここまでなら大丈夫と言うような、ある程度の折り合いが分ってきたのではないでしょうか?
さて、来年はどうなりますか?

 

 

プラタナス  街路樹

2018.6.30
中央区西4丁目線の街路樹プラタナス。 写真奥の白い建物が道警で、道路を挟んで反対側にi道庁があります。

やっと、街路樹のプラタナスの新梢が伸びてきて樹冠が緑でこんもりと街路樹らしくなりました。
というのも、プラタナスの芽吹きは比較的遅く、剪定されるとさらに遅くなり、新葉が開き始めるのが5月下旬~6月上旬で、「新葉が出てきたな」という雰囲気になる、そのように感じるのが6月中旬です。
通常、イタヤカエデ、シナノキ、シラカバ、ケヤマハンノキなど北海道に自生する樹木は5月中旬頃に芽吹き、5月末には新葉が開き、6月上旬には青々した樹冠になります。 ところが、この街中に街路樹として植えられたプラタナスはとにかく芽出しが遅く、公園などの樹木はとっくに葉を開いているのに、街路樹のプラタナスが冬枯れのように裸木が目立ちます。
今年の6月は天候が不順で、そんなことも影響しているのか、そう感じてしまうのか、街路樹プラタナスがやっと樹冠全体が葉で覆われるようになりました。

プラタナス  冬芽

2018.3.18
小枝は、灰褐色ないし帯緑灰色をし、※稜(りょう)が弱い。 1年生枝は、太く、径3~10mmあり、稜が発達して、帯赤褐色ないし帯黄褐色をし、無毛で、無毛ややジグザグに屈折する。 皮目は微小で極めて多数。(落葉広葉樹図譜)

※稜(りょう):小枝の、溝のような細い線のことのようです。

2018.3.18
冬芽は、勢いのよい枝ではらせん生で、弱い枝では二列互生で、形状は円状卵形で、長さ5~10あり、赤褐色をし、無毛で1枚の芽鱗に帽子状につつまれる。
(落葉広葉j図譜)
冬芽は1枚の芽鱗につつまれている。 写真中央にある冬芽の芽鱗基部に白い線がほぼ一周しているが、これが葉痕。 冬芽は葉柄の基部に包まれていて、葉が落葉すると顔をだす。 これを葉柄内芽といい、ハクウンボクもこれにあたる。

2012.6.18
新葉の葉柄基部に穴があいているが、そこに次年度の新芽が形成される。