プルーン  伐採

2020.3.29
我家のプルーン。 植えて30年近くになります。 樹高は3m弱、葉張りは4~5m。 葉にまんべんなく太陽が当たるように横長の樹形にしていました。 幹径は15cm強。
今シーズンは、袋掛けをして農薬をかけても、果実にシンクイムシに入られてほとんど落下してしまいました。 「労多くして益少なし」、この樹を伐採しました。
2020.10.27
太い幹はチェーンソーでブツンブツンと30cmくらいの長さに切ってもらいました。 残りの枝は自分でノコギリを使って30~50cmに切断。 今年伸びた徒長枝(細い枝)は、その場で剪定ハサミで細かく5cm程に切断。 この後(11月)に畑にすき込む予定。

この残骸(細切れした幹と枝)をどう処分するか?
札幌市の場合、剪定した枝などは月に一度回収日があり、ごみステーションに出せば持って行ってくれます。 しかし、今回は15cm以上もある太い幹があったので以下のように処分しました。

切断した太い幹や切り刻んだ枝は、庭の片隅の一角を少し掘ってそれらを積み重ねて、その上に今年栽培したトマトやピーマンなどの残渣と掘った土で覆いました。 3~5年?置いておけば腐朽が進んで、良い堆肥ができると思っています。
(この処置後に札幌市に庭木の太い幹を出せるか?について確認すると、50cm×50cm以上は大型ごみになるので、長さと幅が50cm以下ならOKとのことで、幹径が50cm以下なら、長さを50cm以内にすれば回収してくれるそうです。)

来春この場所に、キウイフルーツとブドウを植えようと思っています。 リンゴ、ナシ、プルーンなどの果実は農薬をきちんとかけないとシンクイムシに、サクランボはオウトウミバエに食害され、モモは縮葉病が必ず発生します。 その点、ブドウとキウイフルーツは剪定さえきちんとやっておけば農薬をかけなくてもとりあえず収穫ができる作物で、特にキウイフルーツは果実表面が毛に覆われているためか?、シンクイムシによる果実への加害はないようです。 実際にキウイをつくっている方の話では、農薬を全然かけていないとのこと。 これがキウイをつくってみようと思ったきっかけです。

 

 

 

プルーン 接ぎ木:台勝ち

プルーンを伐採することにしました。 袋掛けをして、さらに薬を年3回かけてもシンクイムシにやられてしまうのです。 6月中旬に450個の果実に袋掛けをしました。 しかし、食べることができたのは25個ほどです。 ほとんどがシンクムシに入られて落ちてしまいました。

⇒ プルーン  袋掛け果実落下

今回はそのシンクイムシの話ではなく接ぎ木に関することです。
リンゴやナシなど背丈が高くなる果樹はほとんどが接ぎ木されたものですが、我家の今冬伐採されるプルーンも同様です。 しかし、このプルーンは少し変わっていて、地際の接ぎ木した部分がお椀を逆さにしたような形で膨らんでいるのです。 2020.10.15
我家のプルーンは苗木を植えて30年余 。 根元幹径は16cm。 穂木(プルーンの灰白色の樹肌)と台木の接合部分がはっきりとわかる。

つぎ木した果樹を長年月栽培していると、台木とつぎ穂の間で発育量の差が蓄積して、つぎ木の接合部を境にして幹の太さに大きな差ができることがある。 このとき、台木が穂より小さいと台負け、逆に台木が大きいときは台勝ちという。 リンゴでミツバカイドウの台負け、マルバカイドウ台木の台勝ちがよく知られている。(果樹関係用語解説2)

上述の説明のように、我家のプルーンは台勝ちのようです。
「台勝ち」という現象をもう少し具体的にいうと、
樹木の生長(幹枝根がが太る)は葉で出来た養分が幹や根に渡って太くなるのですが、幹よりも根の方が太くなる(膨らむ)ということは、根の生長が旺盛で幹にいく養分より根にいく養分の方が多く、細胞数が多くなる?、1個1個の細胞が大きくなる?ので根が太るということになります。 反対に、台負けはその逆です。
そうすると、接ぎ木の穂木と台木の細胞の接合面はどうなるんでしょうね? 少しはずれるが水や養分の行き来に影響するほどではないということでしょうか? 実際に我家のプルーンは元気に育っていましたから。

ところで、プルーンの台木には何が使われているのでしょうか?
農業技術体系によると、

スモモはバラ科サクラ属のスモモ亜属に属し、北半球の温帯地域で発達したものが多く、東アジアに分布するニホンスモモ(プラム) とアジア西部からヨーロッパに分布するヨーロッパスモモ(プルーン)に分けられる。 ヨーロッパスモモ(プルーン)はドメスチカスモモとも呼ばれているが変異が大きく、果実の外観や用途(生食、缶詰、加工用)によっていくつかの系統に分けられており、プルーンはその系統の一つである。

接ぎ木の台木は、穂木との親和性(相性)や病気や土壌などその土地の環境条件に応じて選抜にされる。 歴史のあるヨーロッパではドメスチカスモが使われており。そのほかにアーモンド、モモ、ユスラウメ、スピノーサスモモなどがり、日本ではモモが広く使用されている。

2020.2.15
アーモンド 豊平公園緑のセンター


2020.5.8                                                                             2013.7.15
ユスラウメ 百合が原公園


2016.5.17                                                                             2012.9.30
スピノーサスモモ 森林総合研究所

 プルーン 開花

我が家にあるプルーンの品種「サンプルーン」は日本(長野県)で作出されており、その台木に何が使われているか?については、 日本の高温多湿な条件を考えると、ドメスチカスモモ(セイヨウスモモ)やアーモンドのように雨量の少ない地域に生えている外国に起源を持つ種類ではなく、モモが使われている可能性が高いと推測していたのですが、我家のプルーンの台木から生えているひこばえの葉を見ると、モモ特有の細長い葉ではなく、別の種類の台木が使われているようです。

 

 

プルーン  袋掛け果実落下

2020.8.29
写真は我家のプルーン。 地面に黄色いものが散らかっています。 これは6月中旬に袋掛けした果樹袋。 7月に入ってから時折黄色い袋は落ちていたのですが、それら袋に入っている果実は小さく、ちゃんと受粉できなかったものか、袋をかけるときに果軸を傷めてしまったものと思っていて、それほど気にはしていなかったのです。

ところが8月に入ると毎日ポロポロと落ち始め、日に10~20個程拾い集めるようになりました。強風が吹いた翌日には30個以上拾っているように思います。
2020.8.29
写真は、それを集めたものです。 持ち上げるとずっしりと重いです。
プルーン450個に袋掛けしたのですが、250~300個くらいは落ちてしまったようです。 これからもまだ落ち続けると思うので、ほとんどは落ちてしまいそうです。
袋を破って果実を見ると、果実表面から出た透明な液体が固まったものがついているものや、透明な液体の塊は見えないものの、果実表面に小さな穴があいているものもあります。 果実を割るとその中はどす黒く、シンクイムシ?の幼虫が出した糞らしきものが出てきます。

昨夏は今夏同様6月中旬に農薬散布をし、その翌日から袋掛けをし、約1か月後の7月中下旬に再度農薬散布をしたのですが、果実の落下は少しで、今年ほどではありませんでした。 今年の果実の落ち方の酷さは、袋掛けをしていないときとあまり変わりません。 昨年と今年の違いは、今年は毎年使っている噴霧器が使えなくなって、例年通りの農薬散布が出来なかった(手動の噴霧器で十分に農薬をかけられなかった)ことも影響しているのかもしれません。 それでも、袋掛けをしてもシンクイムシ(ヒメシンクイムシ)は袋?に卵を産み、孵った幼虫は袋の隙間から中に入り果実に潜ることができるようです。 プルーンは、定期的な農薬散布以外(6月中下旬~9月上旬まで定期的な農薬散布)以外防ぎようがないことが分かりました。

袋をかけてかつ農薬散布をしても果実に虫が入るので、プルーンを作ることを止めようと思っています。 作る甲斐、価値がありません。 その代わりに、果樹で農薬散布などの手間がかからず、それでもある程度収穫できる作物、フドウにしようと思っています。

 

 

プルーン  モモシンクイガ

昨日(6月22日)、風のない早朝、午前5時過ぎにプルーンに農薬をかけました。 その後、午前9時過ぎから袋掛けをしました。 農協で300袋買ってきていたのですが、100個程かけ残しが出来てしまいました。 残りの分については、再度農協で袋を早めに求めようと思っています。

我家のプルーンのシンクイムシ類対策は袋掛けと農薬散布を併用しています。 一般的な農薬防除では、6月中下旬~8月下旬若しくは9月上旬まで、10日間隔で10回程の農薬をかける必要があるといわれています。 しかし、我家のプルーンは1本のみで、それに本業でもないのに10日間隔で10回近くの農薬散布は煩雑過ぎるので、手間はかかりますが袋をかけて、その後に7月と8月に1回づつ農薬をかけています。 この方法で、とりあえず、袋をかけたプルーンのほとんどは収穫できています。 しかし、袋をかけてもシンクイムシに食われて落ちるプルーンも出てきます。

今回の投稿は、果実表面に卵を産みつけ、その中を食い荒らすモモシンクイガの生態(生活史)を調べてみました。
モモシンクイガの生活史の模式図は青森県農林総合研究センターリんご試験場の報告書から、説明文は、同試験場と道立農業試験場の報告書から必要な部分を自分なりに理解したつもりで書いています。

図面をクリックすると拡大します。
 越冬した冬眉(休眠幼虫)は、地上面から6cmまでの地中で越冬。
 冬眉から出てきた幼虫は夏繭をつくり、蛹(さなぎ)になる。
 蛹から羽化して成虫(越冬世代成虫)になる。 時期は6月中旬・下旬~8月上旬の長期に渡る。 最盛期は6月下旬~7月上旬。
 羽化した成虫は果実表面に産卵する。 果実内での幼虫期間は26.5日(室内で20℃の条件で育てた場合)で、果実から脱出する。
 8月中旬以前に果実から脱出した幼虫は地中で眉をつくり蛹となる。 眉は0~2cmの深さに存在し、夏繭は地表面の小石、枯葉などに付着してつくられる。
 蛹から羽化し成虫となる。
 第1世代成虫の羽化は7月下旬〜9月上旬の長期に渡る。 最盛期は8月中旬。
 第1世代成虫が生んだ卵は果実内で成長た後、果実から脱出し、繭をつくり幼虫で越冬する。
 7月下旬~8月上旬に羽化した成虫(全体の20%)が卵を産み、果実内で成長し脱出する。その幼虫は繭をつくりそのまま越冬する。

以上が、モモシンクイガの生活史であるが、産卵は6月中・下旬〜9月上旬の3ヵ月余の長期に及ぶ。 実際、我家のプルーンを見ていると、8月上旬から果実が落ち始め、8月中旬〜下旬に最盛期を迎える。 その果実を割ってみると、モモシンクイガの幼虫が存在する果実やそれを食い荒らした後に出した茶色の糞だけが残っている果実を確認できる。

このモモシンクイガの生活史から見えてくるものは、落下した果実はそのままにしないで、家庭ごみで出すなどの処置が必須のようである(越冬幼虫を減らす)。
サクランボの果実につくオウトウミバエの対処法は、被害にあった果実は土中に埋めるのでは効果がなく、水に浸けるように言っているので、モモシンクイガも同様の処置が必要のように思われる。

⇒ プルーン  シンクイムシ

 

 

プルーン  冬芽

2013.4.15
プルーンの長枝 。 2/5らせん生枝で、新梢は帯赤褐色。 冬芽の基部は膨らみ、その大きさは高さ幅共に3~4mmと小さい。

2020.2.7
写真は短枝。 おそらく頂芽が花芽。 と思って実際に花瓶の枝を確認すると、頂芽
は葉芽。 短枝基部に丸みを帯びた冬芽が花芽。


2020.2.7
長枝の先端に近い方は、冬芽は1個であるが、基部に近い方(枝が太い)は冬芽が3個つく。
写真左の冬芽は葉芽(おそらく)、その形状が三角錐で、膨らみ、丸みがない。
写真右、中央が葉芽、左右は花芽(おそらく) 3芽の下部に丸い穴のように見えるのは葉痕。
2020.2.19
写真は2月5日に枝を水差ししたもの。 開花まで2週間。 最初の1週間はほとんど芽に動きはなかったが、膨らみ始めると開花までは早い。
写真右は長枝の基部側についた冬芽が開花。 3芽の左右が花芽。 中央が葉芽で今夏長く伸びる。