ミヤマザクラ:目立たないサクラ

1-006.jpg2013.4.21
2週間程前に公園から頂いてきた?失敬してきたサクラです。ミヤマザクラの花を咲かせようと以前におおよその目星をつけておいた樹から枝を採ってきたつもりだったのですが、雪の中ではその目星も当てにならず、エゾヤマザクラか他の種類のサクラを採ってきたようです。
1-028 ミヤマザクラ(赤字)
これは、開花直前のミヤマザクラです。エゾヤマザクラやソメイヨシノの花の咲き方(つき方)は、花の基部から花軸が伸びその1本ずつに花を咲かせます(散形花序)。一方、ミヤマザクラは花軸が枝分かれしてその先に花を咲かせます(散房花序)。これがミヤマザクラの花の咲き方の大きな特徴(違う点)です。
1-062 エゾヤマザクラクリックすると写真が拡大します。
1-052 ミヤマザクラ  2012.5.27
エゾヤマザクラなどと花の咲き方がもう一つ違う点は、葉が展葉してから花が咲くことです。
1-069 ウワミズザクラ2012.5.27
そのため、エゾヤマザクラなどと比べると目立たないというか、地味で控えめな花(樹)という印象を持ってしまいます。
そんなこともあって、自然林の残っている大きな公園や山地に普通に生えているようですが、エゾヤマザクラやソメイヨシノのように街中のどこにでも見られる種類ではありません。しかし、よく探すとところどころで見ることができます。
1-006 ミヤマザクラ ホテル モントレエーデルホフ2012.5.17
都心にあるホテル モントレエーデルホフの創成川沿いに面する入口に植えられています。ちょうど開花前に撮っているのですが、ホテルの玄関前に植えられているとなると、この樹の評価も変わり、‟渋みのある”とか、“深みのある”樹ということになるのでしょうか。
1-020 ミヤマザクラ 南沢小学校2012.5.26
これは、南区にある南の沢小学校前の歩道に植えられているミヤマザクラです。この街路樹並木は、エゾヤマザクラとカスミザクラが交互に植えられていて、その一番端の1本がなぜかミヤマザクラなのです。5月上旬にエゾヤマザクラが咲き出し、1週間程遅れてカスミザクラが続きます。そしてカスミザクラの花が終わりかけの頃、このミヤマザクラが咲き始めます。時期は5月下旬になっています。
1-015 ミヤマザクラ? 真駒内公園2012.6.1
最後にもう一つ。樹高が10m近くあり、花を近くで見ることができないので確信はないのですが・・・・。花の咲く時期や全体的な雰囲気からミヤマザクラではないかと思っています。しかし、ミヤマザクラはシロザクラの別名があるとおり、花色は白なのですが、これは淡桃色をしています。「世界の植物」(朝日新聞社編)には、まれにピンクのミヤマザクラがあると書かれていますが・・・・・。場所は、真駒内公園南東側園路沿いです。もし、この樹をご存知の方がいらしたら、教えていただければありがたいです。
・科名 バラ科
・属名 サクラ属
・学名 Prunus maximowiczii
・花期 5月下旬~6月上旬
・分布 日本、南千島、サハリン、朝鮮、中国東北部
※ 札幌近辺では、山地に普通に生えている樹ですが、西日本では標高の高い山、深山に見られる樹のようで,名前の由来もこの辺りから来ているようです。


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