ユリノキ(その3)

 先週の土曜日(10月25日)は、北大(イチョウ並木)、大通公園、中島公園など街の中心部に出かけ、変わり行く秋(紅葉・黄葉)の樹々を観察してきました。

1-001 ユリノキ 大通5丁目2014.10.25
場所は大通西5丁目。 中央のオレンジがかった黄葉樹がユリノキ。  樹高約20m以上。
左右にある樹はプラタナス。 以前は、この時期でもプラタナスの葉は青々としていました。 紅葉でもない燻った、色の抜けたような葉色の原因はプラタナスグンバイの吸汁によるものです。

1-005 ユリノキ 8丁目2014.10.25
大通西8丁目。 写真左から2本の大きな樹がユリノキ。 樹高25mはありそうです。
1-008 ユリノキ2014.10.25
下から見上げると 少し離れて樹を見るときの大きさとは別の感覚でその大きさを感じます。
1-009 ユリノキ2011.11.26
11月半ばの落葉した後には、今まで葉に隠れて見えにくかった果実が枝先に顔を出します。
1-008 ユリノキ 大通2011.11.26
ユリノキには二つの別名があります。一つは“ハンテンボク” これは、ユリノキの葉形が“はんてん:袢纏”に似ているところから来ています。もう一つは、“チューリップツリー”。 花の形がチューリップに似ているからチューリップツリーと呼ばれるのですが、この果実もチューリップの形に似ていると思いませんか。
1-027.jpg2011.8.13
6月に咲いた花は、8月になるとこのような紡錘形の実になります。
1-042 ユリノキ2011.11.4
果実は翼果が松かさ状に集まった集合果。 それぞれの翼果の付け根に種子がついています。
1-070 ユリノキ2011.4.29
一冬を越した果実(実殻)。 風に飛ばされて?残り少なくなった翼果。 中央に細く長く伸びているのは、雌しべの一部なのでしょうが、この部分にはなんと言う名前がついているのでしょうかね?
1-024 ユリノキ  2014.4.23
大通5丁目のユリノキの冬姿。 写真は芽吹き前の4月下旬に撮っているので、樹上には実殻はほとんど付いていないようです。

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ユリノキ(その2)

先月の5月29日に30℃を越す真夏日になって、それから約1週間夏のような天気が続きました。それ以降どんよりとした雲からときどき雨が降る日が2週間弱続いています。 例年ならこの時期、さわやかな風とすっきりした青空の日が多いのですが、このうっとうしい天気には参っています。 これを蝦夷梅雨というのでしょうか?
蝦夷梅雨というのは、通常この時期、関東~九州に停滞する前線が北の方に偏って東北地方まで上がるため、その前線の雲が北海道まで影響することでしとしと雨が長く続くことをいうらしいのですが、今回の長雨は前線の影響ではなく、北太平洋にある高気圧の勢力が強く、西から移動してくる低気圧がその行先をブロックされて、北海道に長く居座り続けることで長雨の原因になるようです。
それにしても、この天候いつまで続くのでしょうかね? 本来のすっきりした青空を早く見たいです。
大通公園西7丁目のユリノキの花が咲いています。006 ユリノキ 芽だし2011.5.18   5月「中旬に新葉が展葉します。
004 ユリノキ2014.6.10
写真中央の大きな樹、樹冠全体に黄色の点々が見えます。ユリノキの花です。樹高が25mくらいある大きな樹なので、大通公園を何気なく歩いていては、その花にほとんど気づきません。
047 ユリノキ2011.7.92012.6.16
枝先にチューリップのような花を咲かせます。近くでこの花を見ると意外に大きく、7~8cmありそうです。花弁のパステル調のオレンジ色が印象的です。
042 ユリノキ2011.7.9
053 ユリノキ 円山公園 2011.10.9
幹径が1m近くあるユリノキが、大通公園、円山公園、北大植物園にあります。
066 ユリノキ
北大植物園にある説明板。
RIMG0909.jpg2013.6.29
ユリノキの別名ハンテンボクは、葉の形 が着物の上に羽織って着る半纏(はんてん)に似ていることによります。
学名(Liriodendron tulipifera::ユリノキ属:リリオデンドロン ツリピフェラ)は、“チューリップのようなユリの木”という意味。

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ユリノキ(その1):冬芽

今日は平成26年3月31日(月)。札幌は澄み切った青空が拡がり陽光もまぶしいのですが、体をすり抜ける風は冷たく、先週の春を思わせる陽気から、寒風が吹く冬に少し逆戻りです。まだまだ春には程遠いです。
写真は、豊平川の河川敷に一冬積上げられた雪を溶かす作業をしているところを映したものです。
005 雪堆積場2014.3.31
札幌に降る雪は、12月中旬から3月上旬まで気温がマイナスになることが多く、ほとんど解けません。それで道路の除雪で道路脇に積み上げられた雪は排雪しなければなりません。その排雪場所(雪置場)は札幌の郊外に多数あるのですが、その一つに豊平川の河川敷(夏はサッカーや野球場などの運動施設や芝生地などになる公園緑地)があります。
写真前面のごつごつした雪の塊が見えます。これは、バックホウ(建設機械)で雪を削って表面積を多くし、雪を1日でも早く溶かすためにです。中央右に青いバックホウ(建設機械)が見えます。その奥の茶色っぽい部分の下には、一冬に道路の排雪で持ち込まれた雪が数メートル積みあがっています。この部分をバックホウやブルドーザで溝状に幾筋も掘り(削り)雪を溶かしていきます。
006 豊平川2014.4.13
この写真も、豊平川の河川敷に堆積された雪です。数メートルの高さがあります。全て解ける(解かす)のは、5月中旬になるのではないでしょうか。
関東以西ではサクラも開花して、今ちょうど見頃を迎えている地方が多いのではないでしょうか。そんな時期に冬芽を取り上げるのは季節はすれの感は否めませんが、札幌はまだまだ冬から抜け切れません。もう少しの間、冬芽を続けます。今日はユリノキです。
ユリノキは、北アメリカ東部に自生する落葉高木です。現地では20年で60~90フィート(18~27m)に、大きいものでは120フィート(36m)に、最大級の大きさになると150フィート(45m)になるそうです。
030 ユリノキ2014.3.30
冬芽はらせん生(2/5)であり、紫色をし、だ円形ないし長だ円形で、扁平し、芽柄をもち無毛で、托葉そのもののの1対の芽鱗につつまれる。頂芽は大きく、長さ10~15mmあり、烏帽子状ないしアヒルの口ばし状である。(落葉広葉樹図譜)
冬芽下の丸いのは葉痕。
031 ユリノキ2014.3.30
托葉そのものの1対の芽鱗を開く(取り除く)と、中に小さなユリノキの葉が納まっています。
032 ユリノキ2014.3.30
その内側の芽鱗を開くと、ユリノキの小さな葉が出てきます。さらにその内側の芽鱗をひらくと・・・・・・・・。
035 ユリノキ2011.5.22
そして、5月中下旬、ユリノキは新葉を展開していきます。

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