シソ(その2) シソの実 醤油漬け

初めて、シソの実の醤油漬けをつくってみました。
毎年、5月中旬に園芸店からシソの苗を購入して庭に植えています。 シソは、害虫はつかないし、トマトの芽かきやキュウリの整枝のように手間のかかる作業もないので、ただ植えておくだけで長い期間収穫できる、家庭菜園に最適の作物です。 7月半ばから冷奴やソーメンの薬味として使っています。 昨年まではこれで終りでした。 しかし、今年は、たまたまシソの効能を調べていた時期がシソの実を収穫する時期と重なったので、いろいろ調べているうちに、シソの実の醤油漬けに出会って、つくってみることにしました。
シソ
2015.10.12
ウェブサイトではシソの実の収穫時期について、9月下旬ごろとか、穂先に2~3個の花がまだ咲いている頃とか、いろいろ書かれているのですが、はっきりしません。 おそらく、それらの記事は関東以西の話で、札幌では参考にならないと思い、実際に庭のシソを見ると、9月20日過ぎでは、まだ、種の膨らんだものが少ないようなのでとりあえず延期しました。 収穫は約3週間後の10月12日です。
写真はシソの花穂。 長さは6~7cm、それにぷっくり膨らんだ実が数個ついている。


シソ 2015.10.12
花軸をしごいて採ったシソの実。 シソ1株から60gの花穂が採れました。 しごいてシソの実だけの重さは30g。 約半分に。 それを半日水に晒します。 水を切って一晩乾かします。 シソ
2015.10.12
翌朝、幾分水気の残ったシソの実を熱湯で消毒した小びんの中へ。 シソの実が浸るくらいに醤油を入れいます。 翌日からでも食べられるとのことですが、とりあえず、1週間冷蔵庫に入れておきました。 お弁当のおにぎりにシソの実が入っていました。 朝食で白いご飯の上にのせて食べました。 口の中でシソの実をぷっちぃっと噛み砕くときに拡がる、あの昔から慣れ親しんだ香り?、味? やはり美味しいです。 来年は、シソを3株植えようと思っています。

追記:2015.10.26
シソの実の収穫時期について(10月25日にシソの実を収穫した方の話)
・この時期では、シソの実が地面に落ちている
・水洗いするときに、枯れた花や実を取り除く必要があった
とのことで、札幌のシソの実の収穫は10月下旬では遅いようで、10月上旬~中旬が良さそうです。

 

シソ

短日性植物。 初秋のころ枝先に穂状の花序を伸ばし、淡い紫紅色でしん(唇)状の小さな花を多数蜜につけます。 青シソは白い花です。
シソ
2011.10.11

◆よみがえる草
シソ科、1年草。 直立葉は対生し、鋸歯(きょし)があります。
中国南西部、ヒマラヤの原産といわれているが、わが国にはずいぶん古くから渡来しており、奈良時代すでに栽培されていたことが知られています。 和名はイヌエとかノラエと呼ばれていました。 イヌエとは似奴荏(いぬえ)から発したもで、エゴマ(荏)に似て非なるものという意味です。
ノラエは多分野良荏(のらえ)のことなのでしょう。「農業全書」(1697)には、
「是に二色あり。 葉ちぢみて、裏表なく色のこゆきをうゆべし。ちぢまずして、葉のうら青きはつくるべ、からず・・・・・・」
とあります。
漢名は、紫蘇または蘇。 蘇という字には、よみがえるという意味もあります。 シソは全身に芳香を有し、食欲をよみがえらせる野菜です。中国には、江蘇省、蘇州など地名があり、蘇という氏もあります。 きっと、縁起のいい文字なのでしよう。
シソ
2015.10.3

◆若芽・葉・花、 用途によって使い分け
葉の色素は、アントシアニンの1種でシソニンと呼ばれ、香気成分は紫蘇油といい、アルデヒドというもので防腐力があります。
発芽して間もない幼植物を “芽ジシ” といって、刺身のつまに使います。 赤芽(赤シソ)は白身の魚に、青芽(青シソ)は赤身の魚に添えます。 “葉ジソ”は刺身の添え物やテンプラ、梅干の着色に、極めて一般的に利用されるものです。 花軸の30%くらい開花したものを“花穂” といい、一部が実になったものを “穂ジソ” と呼び、テンプラやつくだ煮の材料とされます。

◆欠くことのできない保健野菜
貝原益軒の「大和本草」(1708)には、「生葉魚膾(なます)に加エ食ス。魚毒を去り、香気アリ」と書かれており、古くからその制菌作用が知られていました。 風邪の初期にはシソ湯を飲み、茎葉を浴槽に入れ、薬湯として体を暖めることにも用いられました。 シソの葉は、梅干の着色に欠かせません。 梅干しの酸味は、レモンと同じクエン酸です。 クエン酸は脳を刺激してカツを入れ、胃液を分泌させ、食欲を増進させます。 防腐効果が高く、弁当やおにぎりに大活躍です。 シソの利用、そして梅干しとの調和、いずれも私たちの先祖が厳しい生活の体験から生み出したすばらしい日本の伝統食品です。

紫蘇の実や
母亡きあとは妻が摘み  櫻 桃子

(札幌市農業センター 林 繁)

シソの薬効は、別な言い方をすると、 “機能性食品としてのシソ”  となりますが、以下のホームページが シソの機能性を上手にまとめています。

http://www.health.ne.jp/library/5000/w5000425.html

機能性食品
体の調子を整える機能があることを強調した食品。食品には病気予防や老化防止の助けになる成分が微量ながら色々と含まれており、これらを抽出して効果的に摂取できるように開発されたものが一般的に機能性食品とされる。「健康食品」と同様に法的に定義された用語ではなく、機能を表示することは規制されている。(コトバンクより抜粋)