タマネギ(その6) 最初に植えた苗は死んでいなかった

9月7日にブログ;「タマネギ 収穫」を投稿しましたが、その中で、運よく収穫中のの農家さんと話をする機会があって、そこの畑でつくられているタマネギの品種や根切りをした時期を伺うことが出来ました、
しかし、この話にはまだ続きがあるのです。
「今年の4月24日に植えた苗が枯れて、5月下旬に再度、タマネギ苗を植えられまんせんでしかたか?」と尋ねると、
「いいえ、植えてないです。 あれはタマネギの地上部は枯れたのですが、根は生き残っているのです」
「それでは、私が6月中下旬に見たタマネギは、2回目に植えた苗が大きくなったものではないのですか?」
「そうです。 タマネギは苗づくりに約2ヵ月かかるので、一度失敗したら、その後は別の作物をつくります。 今春は4月下旬~5月にかけてほとんど雨が降らなかったのですが、こんなことは珍しいです」
「タマネギは通常5月上旬、ゴールデンウィークの頃に植え付けますが、ここの畑のタマネギは4月24日でしたよね。通常より植え付け時期は早いと思うのですが?」
「最近は4月下旬に植え付ける人もいるので、4月24日が特別早いということもないです」
という話でした。

2022.5.22                                              2022.6.16
左の5月下旬に撮った写真は、最初に植えたタマネギ苗が枯れて、再度整地しなおした畑ではなく、少雨のためタマネギ苗の地上部は枯れているが、根は生き残っていいる畑の様子。
右の写真は、5月下旬の雨で再度新葉が出てきて苗が成長しだしたもの。

ここの農家さんの話を聞いて驚いたことは、
葉の長さが20~25cm程度で根も数本のタマネギ苗が春先の1ヵ月間ほどんど雨が降らなくても生きている、地上部が枯れても根は生きていて、ちゃんと再生する、このことには驚きました。
残念だったことは、ここの農家さんに今年の玉の出来を聞くのを忘れたことです。

 

 

タマネギ(その5) 収穫

2022.9.5
百合が原公園へ行く途中で撮影しました。 ちょうど収穫をしているところでした。
たまたま、道路近くで作業中のトラクターが止まったので、その農家さんにお話を聞きことができました。
それによると、根切りを行ったのが8月24日だそうで、その11日後の9月4日が収穫日です。 タマネギの品種は「札幌黄」。
タマネギは明治初期に日本で最初に札幌で試験栽培がおこなわれたのですが、「札幌黄」は試験研究機関と札幌の栽培農家さんによって生まれ育った品種のようです。

「札幌黄」は、病気に弱いことに加え、遺伝子に多様性があるため形が不揃いのものが多いこと、また近年多く流通しているたまねぎと比べ日持ちもしないことなどから、生産量が少なく、なかなか市場に流通していません。しかしながら、一般に流通しているたまねぎよりも肉厚で柔らかく、加熱後の甘みが強いため、根強いファンも多く、近年「札幌黄」を好んで使うレストランも増えてきています。その特徴的な味と、入手のしにくさが相まって「幻のたまねぎ」と言われています。
(東区のHPより)

2022.9.5
根切り後、11日経った畑で横になっているタマネギ。
その農家さんに今年のタマネギの出来を尋ねるのを忘れたのですが、我家でつくったものに比べると、当たり前ですが、玉の大きさが揃っています。

根切りとは? なぜ収穫前に根を着る必要あるのか? 家庭菜園では、畑から引っこ抜いて食べているのに。
根切りには、収穫前と収穫後の二通りがあるようですが、栽培農家さんは、収穫前に行っています。
タマネギ栽培の多い札幌の篠路・丘珠地区では、この時期、タマネギがタテヨコ高さ約1.5mのコンテナにぎっしり詰め込まれ、何段にも積まれて屋外に保管されているのを見かけます。 これらは、これから来年の春にかけて順次出荷するタマネギなのです。 その間(長期間保存)、タマネギが腐らないように、品質が落ちないように乾燥して保存する必要があるのです。 なので、根切りの目的は、先ず第一に乾燥させて長期保存が効くようにするためのようです。そのほかの目的として、収穫作業の効率化はもちろん、大きくなることによる裂皮や皮ムケを防止することや、黄色の皮の着色促進など、品質向上を目的としているようです。

家庭菜園で根切は必要か?
もし、貯蔵保存するほどタマネギをつくっているのであれば、収穫後根切りして乾燥保存(赤い網目状のタマネギ袋にいれて)です。

 

 

タマネギ(その4) 生育は順調

2022.8.3
写真は、今春、2度目の植付けを5月下旬に行ったタマネギ畑(通常、札幌では5月上旬に植え付ける)。 タマネギ特有の青みがかった緑色の葉が畑を被っています。

⇒ タマネギ(その2)

苗の生育遅れを心配していたのですが、順調?に育っているようです。 今シーズンは6月上旬~中旬にかけて低温期があったものの、それ以降は気温も上がり、雨も例年並み?に降ったので、ここのタマネギ畑にとっても幸いだった
ようです。
2022.8.3
タマネギの玉も順調に大きくなっているようです。大きいもので10cm弱、小さいもので5cm程。 タマネギは成長のピークを過ぎると葉が倒れてくるので、ここのタマネギはまだ成長を続けているようです。 タマネギは、一定の平均気温と日の長さに当たると、玉が肥大するスイッチが入る仕組みになっています。 この気温と日長時間は、タマネギの品種によって異なります。

・極早生種の場合、15度以下で11時間~11.5時間以上の日長で肥大
・中晩生種の場合、15度~20度で13.5時間以上の日長で肥大
・晩生種の場合、20度~25度で14.25時間以上の日長で肥大

極早生種は温度も低く、日長時間も短くて肥大のスイッチが入る、つまり植付後の早めの時期から玉の肥大が始まるので、玉は早い時期に大きくなり、収穫期も早くなる、ということのようです。

ということは、ここの農家さんは、1回目に植え付けたタマネギ品種と2回目に植え付けた品種では当然異なるものを植え付けているのでしょうね。
失敗した1回目はタマネギの玉は少し小さめでも早く収穫したいので極早生種を、2回目は中晩生種を植えているのでしょうか?

<余談>
私自身もタマネギを作ったことがあります。 1回目はタネから育てました。 3月下旬にセルトレイにタネをまいて、6月上旬に畑に植え付けました。 玉は大きくならなかったのを憶えています。 タネをもっと早くまけばいいのかもしれませんが、3月上旬はまだ冬で、気分的にそうはならないのです。 タネをまくのは3月下旬、トマトやピーマンなどと一緒になってしまうのです。
それに懲りて、2回目からは1束20本の苗を2束購入して、5月中旬に植え付けました。 結果は、玉のバラツキが大きく、直径が10cmを超えるような大玉が3~4個、それなりの大きさのものが7~8個、残りは小さい玉でした。 タマネギの栽培はそんなに難しいものとは思っていなかったので、その結果に少々がっかりして、3年程でつくるのを止めました。 上の写真のようにある程度の大きさの粒が揃うように作れない、ならないのです。
大きな玉を収穫するには、植付け時の茎の太さが重要だと言われていますが、苗を購入して植えているので、そこには農家さんとの差はないと思うので、やはり、畑土のつくり方、植え方、肥料の施し方などの技術的な差なのでしょうか?

 

 

タマネギ(その3) 

2022.6.16
今春5月22日に写真を撮ったときには、畑は掘り起こされ、タマネギ苗を再度植え付けする?ために、畑はきれいに整地されていました。
それから、約1ヵ月弱、再度その現場に行ってみると、タマネギ苗が整然と植え付けられていました。
4月22日の植付け ⇒ タマネギ 植付 
2022.6.12
近づいて見ると、苗の大きさには少しバラツキがありますが、大きいもので草丈が15~20cmで葉数が5~6枚、小さいもので草丈10~15cmで葉数が3~4枚です。 4月22日に見たとき(植付け時)の苗の大きさは、草丈10cm前後、葉数は3~4枚でした。 その時期から比べるとぐんと大きくなっています。 東区の丘珠などタマネギが多く植えられている畑を見ていないので何とも言えないのですが、通常の5月上旬に植え付けられた苗に比べると小さいのでしょうね。

それにしても、ここの農家さん、タマネギ苗があって良かったですね。
推測するに、苗は元々2回植える分だけ準備してあったのでしょう。 それで、4月下旬、通常の苗を植え付けるより10日程も早く植え付けたのです。 もし、それが失敗しても、2回目をすぐに植える計画だったのではないでしょうか。

それでは、なぜ、そんなことをしたのでしょうか?
今年に入ってからタマネギが異常なほど高値を続けています。 その理由はいくつかあるようで、一番大きな原因は、全国の生産量の60%以上を占める北海道で、昨夏の異常乾燥(少雨)が超不作をもたらしたこと、それ以外にも、静岡、淡路島、佐賀など本州での産地でも不作だったことや、海外からの輸入タマネギでは、上海のロックダウンで輸入が滞ったことも高値が続く要因のようです。

このタマネギの高値が続いたことがここの農家さんに作用した?影響を与えた?のではないでしょうか? 他の人より早く植えて早く収穫すれば、高値で売れるという思惑が働いたのでしょう? それでも、通常のタマネギの植え付け時期より10日程早く植えるのは危険が伴うので、もし失敗したときのために、苗を通常の倍用意しておいたのでしょう。

これが2回植えの真相のように思うのです。 ただの推測ですが・・・・。

 

 

 

 

タマネギ(その2)

2022.5.22
約1ヵ月前の4月24日に、この畑でタマネギ苗の植付け作業が行われていました。 時期的に少し早いなと思いながらも、最近はゴールデンウェーク前に植付をするのだと思いながらカメラを向けていました。
ところが、今回(5月22日)にその畑を見ると、タマネギ苗は無くなっていました。 再度、植付前の状態に戻っていました。 おそらく、苗の植付け時期が早かったことと、今春の雨の少なかったことが原因と思われます。ちなみに、札幌の4月24日〜5月22日の降水量は10mmです。4月は0mmでした。札幌の過去30年間(1991〜2010)の平均降水量は41,8mmなので、平年の1/4以下だったのです。 現在、タマネギの高値が続いていますが、その原因は全国のタマネギ生産の60%以上を占める北海道の昨夏の異常干ばつで、小さなタマネギしか(出荷するほどの大きさなタマネギが出来なかった)できなかったようですす。 今春の少雨が今後のタメネギの成長に影響しなければいいのですが・・・・・。
ここの農家さんは、これからどうするのでしょうかね。 タマネギ苗を作りなおすにしても、タネをまいて定植できるまでに約2ヵ月(この時期にタネをまくと定植までの育苗期間はもう少し短くなる)かかるので、今からでは遅すぎます。どこかに苗が余っていれば幸運でしょうが、通常タマネギ苗は5月上旬に植え付けるので、余り苗?を見つけるのも大変でしょうね。 しかし、畑がきれいに整地されているので、再度、タマネギ苗を植付するつもりなのでしょうか? そうであればいいのですが・・・・。