ネギ  植替え(定植)

4月9日に、ミニトマトパックのふたの部分を切り取って、それにネギのタネをまきました。 タネは、「万能葉ネギ」という種類なので、葉ネギの仲間です。
2017.5.3
ネギは寒さに強いので、4月下旬に畑の隅を起して植付ければいいと思って4月9日にタネをまいたのですが、暖かくなってくるとなんやかんやと忙しく、5月上旬からのジャガイモの植付けやダイコンなど他の作物の種まきと同じ時期になってしまいました。
写真でも分るように、は種後1ヶ月近くになると、パックの中でびっしり伸びて、植替え時期(通常は直播でしょうね)はとっくの昔に過ぎているのですが、それが出来なくてこのような状態になってしまったのです。
捨てるのはもったいないと思い、とりあえず植え替えることにしました。

まだ太陽の低い朝5時頃に作業を始めました。
先ず、昨日起こして平らにした植床に灌水して、十分に土を湿らせます。
次に、苗の根を傷めないようしてパックから1本1本土からほぐすように取り出します。全部いっぺんにやると、植え付けが終わるまでに根が乾くと思い、1/4づつほぐして取り出します。
2017.5.3
パックからほぐして取り出したネギ苗
根の長さが意外に短いのですが、おそらく切れてしまったのだと思います(パックから取り出す前、白い根がパック底にたくさんまわっていた)。
そして、植床に箸で穴をあけ、そこにネギの根を入れて、空いた穴を指でふさぎます。 植え終わったあと、目の細かい如雨露で灌水します。
2017.5.3
やさしく潅水したので、ネギの苗は思ったほど倒れませんでした。 しかし、箸で穴を開けているので、潅水後苗の横に凹みができたので、何箇所か手でその凹みを修正しました。

5月6日で植替え後3日経ちますが、苗は枯れなかったようです。

 

ネギ  植替え

トマトやピーマン等果菜類は、苗を大きく成長させて、花を咲かせて、そして実が生ってそれが大きくなってやっと収穫できるので、収穫期まで日数を必要とします。 一方 ミズナやホウレンソウなど葉もの類は、は種(種まき)から収穫期までの期間が短かく、夏場で早いものは1ヶ月強収穫できます。 ところが、ネギも葉もの類の仲間なのですが、収穫までに比較的日数を必要とする野菜です。 葉ネギ(比較的小さめで収穫するネギ)でも、4月中旬に露地にタネをまくと、収穫できるるようになるのは9月以降です。

それで、毎年、園芸店でネギの苗を購入していたのですが、今から3年?前に、いつもの園芸店ではなく、別の店でネギの苗を売っていたので購入したのです。 その苗は、毎年買っている苗と違って、株(苗)の大きさが15cm以上あり、茎も太いものでした。 毎年購入していた苗は、その年の2月?頃に温室でタネをまいて育てられたもので、それとは明らかに違っていました。  その購入した苗は根元で分けつしているもので、それを分けて植え付けました。
2017.4.22
写真は、昨秋に株分けしたものを今春撮影したもの。 1本づつではなく、1株を2~4本にして植え込んでいます。

 

 

 

 

 

 

2017.4.24
掘り起こすと、写真のような状態です。 3~4倍に分けつしています。 草丈は20cm弱。 雪解けからとう立ち(抽苔:花が上がってくる)が始まる5月中旬までの1ヶ月と、花も終わりその後夏場に出てきた葉を、10月以降?堀上げてうどん、味噌汁、納豆などの薬味に使っています。 夏場に出てきた葉はかたくて食べられません。

2017.4.24
今春、株分けして植え付けたところ。 1株は3~4本。

<余談>ネギの種類
ネギの栽培品種を大まかに分けると、根深ネギと葉ネギに分けられるようです。
園芸植物大事典によると、
「葉身は円筒状で先はとがり、表面にろう物質がある。葉鞘も円筒状で、内部の葉を包み、淡緑色で、土寄せすると白色化し、質がやわらかくなる。 葉鞘を俗に白根と呼び、白根の長い栽培品種を根深ネギ、葉身(緑の部分)を主とする栽培品種を葉ネギと呼ぶ。」

以下の表は、ネギの栽培品種を形態的、生態的特性から分類している。
園芸植物大辞典より  山川邦夫(1983)より作成
上記の表では、栽培品種群をヤグラネギ、千住ネギ、加賀ネギ、晩ネギ、株ネギ、九条ネギに分けています。
上表を詳細に見ると、それぞれの栽培品種群が根深ネギグループまたは葉ネギグループに分けられるかというとそうではなく、例えば、栽培品種群「加賀」の中に、根深ネギの「下仁田」という品種が、葉ネギ「岩槻」という品種があります。 これを見ると、ネギは分げつする性質は品種によってその傾向が違うようです。 また、栽培方法(肥料や植栽間隔)によっても分げつを左右するようです。
上記の表は30年以上前に作成されていますが、現在でもネギの主要品種は栽培品種群の「千住<根深ネギ>」と「九条<葉ネギ>」なのだそうです。

当方が購入したネギは、よく分げつするので、九条ネギの系統なのでしょう。 深植えにして、葉鞘(白根の)部分が多く食べられるようにしています。

追記 2017.5.2
ホーマックの園芸コーナーで、上述のネギと同じと思われるネギを見つけました。 比布町の 「越冬千年」 いう名前で売られていました。 おそらくそのようです。
しかし、下記ウェブサイトを読むと、
「20年以上前、農家の方が道北方面から貰ってきた苗があり、たまたま冬に放置してしまい、もうダメだろうなぁと思いながら育てたら大きくなったそうです。」
ということで、正確な系統、品種は判りません。
比布農協千本ネギ → http://ameblo.jp/kamikawa-tabemonogatari/entry-11093426261.html

 

ネギ

初夏のころ、葉の間から中空の花軸が伸び、頂部に白い小花が密集した球状の花序をつけます。 俗にいう葱坊主です。 最初は緑色の薄い総包に包まれています。 裂開した花球に近づいてみると美しい幾何学的な小花の集合は自然の妙を思わせます。

ネギ 2016.5.30  総苞につつまれているネギの花

■ 古く、中国の野菜
ユリ科の多年草草花ですが、栽培上は1・2年生。 ネギ属は世界に約300種あり、北半球、特に中央アジアの高山地帯に多く分布しています。 わが国で栽培されているネギは、中国西部、シベリア、アルタイあたりの原産と考えられていますが、野生種は不明です。 中国では、2000年以上も前の書に葱という字が見られるそうです。 わが国への渡来も随分古く、昔は『き』と呼ばれており、一字であることから<ひともじ>ともいい、これに対してニラを<ふたもじ>といいました。
『き』の根を賞味することから根葱(ねぎ)と名付けられたという説もあり、別名を根深(ねぶか)ともいいます。

■ 東の千住、西の九条寒さに強い加賀ネギ
あまりにも渡来が古く、日本人の好みに合ったネギは、地方によって特異な発達を示しました。 九条ネギの歴史は1000年以上といわれており、京都九条(現在の下京区)が栽培の中心でした。 分けつ性が強く、白根の少ない葉ネギとして関西や九州で愛好されています。 い法、関東では白根の多いものが好まれます。 千住ネギは白根の長い1本ネギとして改良され、明治のころ、すでに金町村(現在の東京都葛飾区)が特産地として知られていました。
加賀ネギは太くてがっちりした耐寒型、越年して2年ネギとしても利用されます。 “札幌1本” といわれる品種もこの群に属します。 群馬県の耕土の浅い下仁田地方には、太くて短い殿様ネギと呼ばれるものがあります。 食味がよく、将軍家に献上されたという話です。

■ 料理の脇役、庶民の野菜
上品といわれる日本料理には、ネギはあまり使われないという話です。 これは、五辛を戒めた仏教の影響なのでしょう。 <鴨が葱を背負って来る> という洒落は、ネギが無くては肉の調味が出来ないこを意味します。 そば・うどんなどのめん類の薬味には欠かせません。 汁の実にもよく、とうふともよく調和します。 ネギ無くして庶民の味は成立しません。
しかし、ネギが主役となる料理となるとほとんどなく、あくまでも他を引き立たせる奥ゆかしい野菜なのです。
うら町に葱うる声や宵の月 <蕪村>
<札幌市農業センター 林 繁>

ネギ 2016.7.5
花はすっかり終り、花梗の先には実(タネ)がなっています。

<余談:ネギ属>
ネギ属(Allium属)は、ユリ科で北半球を中心に400種とも800種近くもあるといわれ、単子葉植物では最大の属だそうです。その中には、大きな紫色の花を咲かせるアリウム ギガンチウムもありますが、やはり、ネギ属はネギを初めとして野菜として知られているものが多いです。 タマネギ、ニンニク、ラッキョウ、ギョウジャニンニク(アイヌネギ)、ニラ、ラッキョウ、アサツキ、リーキなどがあります。

その内、我家の家庭菜園で栽培しているのは、ネギ、ニンニク、ギョウジャニンニク、ニラ、アサツキの5種です。 栽培しているといっても、ギョウジャニンニクは一度植えたきりで放ったらかしなのですが元気に育ち、毎年 “ ギョウジャニンニクの酢味噌和え ” を楽しんでいます。アサツキは球根なので秋に植替えが必要ですが、そのときに散らばって庭のあちこちに生えて雑草化しています。 ニラも種を蒔けば何年も葉を刈り取ることができます。 ネギ属は至って丈夫な作物の仲間のようで、札幌、北国向きの作物のようです。