オオハンゴンソウ


2017.8.29
この時期、車で郊外の道路を走ると、道端やその奥の草むらで必ず目に留まるのは黄色の花です。 それは、おそらく、セイタカアワダチソウかオオハンゴウソウです。 国道230号や小林峠越えて西区に至る西野真駒内清田線では、セイタカアワダチソウよりオオハンゴウソウのほうが目立つというか蔓延っている割合がかなり高いように思えます。

2017.8.29
オオハンゴンソウは北アメリカ原産のキク科の植物で、明治中期に観賞用として輸入されました。今では、野生化して全国に分布し、特に中部地方以北の寒冷な地域の道端、河川敷、湿原、荒れ地で繁茂しています。 2017.8.26
「オオハンゴウソウを撤去しました」という説明板は、北大植物園の草本分化園に設置されています。 その説明内容は以下のとおりです。
「オハンゴンソウは繁殖力が強く、日本の自生植物や希少固有種の生育場所に侵入して悪影響をあたえることから、環境省が定める「外来生物法」の特定外来生物に指定され、栽培が禁止されました。このため、植物園では、草本分科園から撤去することにしました。」

2011.8.18
写真は、山鼻川に生えているオオハンゴウソウ。 河床にびっしり生えています。
この河川に沿って散策路が通っているのですが、花の最盛期は黄色が鮮やかできれいです。
しかし、このオオハンゴウソウは管理者によって撤去されました。理由は定かではありませんが、一つは流路を妨げるため、もう一つは上記北大植物園が撤去した理由と同じ、この二つと思います。

<余談:オオハンゴンソウの繁殖力>
この植物の繁殖力が旺盛なのは、
①作られる種子数が多いこと(一株当たり1,600の種子ができる)、
②その種子は休眠性があり、土壌に埋まっていても発芽能力を維持しており(埋土種子)、発芽の障害となる条件がなくなると発芽する
③種子以外に根茎(地下にある茎の部分)から側枝を伸ばし繁殖できること。埋土種子も地下茎も地中にあり、寒さなどの不良環境にも耐えることできる。
④背丈が1.5~2mに達する植物なので、下部に光を入らないようにして草丈の低い植物を抑制する。
(日本植物生理学会 みんなのひろば オオハンゴンソウの駆除方法より抜粋要約)

日本の河川とその流域で繁茂が問題になっているニセカシアの種子も、土壌に埋まっていても発芽能力が落ちない埋土種子です。 繁殖力の旺盛な植物は、種子や地下茎など繁殖するための共通点を持っているのですね。