キクイモモドキ

7月中旬頃から、我家周辺の個人の庭や、今は何年も人の住んでいない空家の庭などに黄色い花が咲いているのをよく見かけます。 茎はまっすぐ伸びて、草丈は1.0~1.5mくらいです。
キクイモモドキ 2016.8.4
キクの種類はたくさんあって、種類を特定するのは難しいのですが、この黄色い花は、どうも、キクイモモドキのようです。

このキクイモモドキが各家庭の庭でよく見かけるのは、仏花として使い勝手がいいのがその理由のようです。
夏に咲くキクの仲間には、エキナセアやルドベキアがありますが、仏壇に供えるにしては花が少し大きめで、花持ちもそれほど長くないように見えます。 その点、キクイモモドキは、切花にするのに十分な背丈があり、花も小さめで、しかも、長持ちしそうなしっかりとした花なので、エキナセアやルドベキアの上記2種に比べると、格段に仏花として適しています。

“ キクイモモドキ ” という “ モドキ ” がつく名前なので、“ キクイモ ” という名前のつく種類もあるようです。
園芸植物大辞典で調べてみると、
〇キクイモ
・キク科 ヒマワリ属(Helianthus tuberosus ヘリアンツス ツベルスス)
・原産地:北アメリカ
・茎は2m以上も達し、上部で多く分岐し、頭花(キクやタンポポのような花)をつける。
・葉は長い葉柄を持ち、下部の葉は卵形、上部は細長い卵形で 葉柄に翼がつく。
・葉は茎の基部で対生するが、上部で互生。
・頭花は黄色で9~10月に咲く。
・地下には三角錐のような形をした芋(塊茎)ができる。
・食用としては異臭はあるが、漬物にするとよいという。 大部分は飼料作物として利用。
・北海道に多いという(飼料作物として作られているためと思われる)。

〇キクイモモドキ
・キク科 ヘリオプシス属(Heliopusis helianthoides ヘリオプシス ヘリアントイデス)
・原産地 :北アメリカ
・性質の強い多年草で、一部では帰化植物になって野生化している。
・草丈は1.0mあまりで、茎を叢生する。
・葉は対生で有柄、卵形、葉の縁は鋸歯あり。
・花期は夏から秋。
・キクイモのように塊茎はつくらない。

2種の違いは、
・花の咲く時期はキクイモモドキは夏、キクイモは秋
・葉はキクイモモドキが対生、キクイモが互生

近所の黄色い花を再度調べてみると、
葉のつき方が対生だったので、また、花がちょうど今、7~8月に咲いているので、
それらは、キクイモモドキのようです。
ただし、キクイモモドキの変種(variety)に日本で古くから切花に利用されている “ 内田ヒマワリ ”(Heliopusis helianthoides var scabra)があるので、それの可能性もあります。

キクイモモドキ 2016.8.4

キクイモモドキ ヘリオプシス 2016.8.4