フジバカマ  秋の七草 

秋の七草は、ハギ、キキョウ、クズ、オミナエシ、オバナ(ススキ)、ナデシコ、フジバカマの7種です。
札幌でこれらの花が咲く時期は、ハギが8~9月、キキョウは7月中旬~8月、クズは8月、オミナエシは8~9月、オバナ(ススキ)は8~9月、、ナデシコ(エゾカワラナデシコ)は7月~9月です。
七つ目、最後のフジバカマは北海道に自生していないこともあってか、最近までこの花を見たことがなかったのですが、2年前の8月下旬に百合が原公園の宿根草花壇で見つけました。 草丈は40~60cmで、ちょうど蕾が膨らみ始めの頃でした。 これなら9月中旬になれば花が見られると思って、再度、百合が原公園へ行ってみました。 期待に反して、まだ蕾のままでした。 蕾が見え始めてから1ヵ月近く経っても開花しないとは、随分開花まで時間のかかる花だと思ったものです。 それで、再再度、おそらく満開のフジバカマが見られると10月中旬に百合が原公園へ行ったときに撮った写真がこれです。
2018.10.13 2018.10.13
花が咲いているものもありますが、多くははまだ蕾のままでした。開花状況は2~3分咲きといったところでしょうか。
それで、満開を見たいと思って10月下旬に再々々度、当公園に行ったのです。 が、その時はもうフジバカマの株はなくなっていました。 公園管理者により地上部数cmを残して刈り取られていました。 北国札幌にとって10月下旬は冬囲いの季節に入っているのです。 札幌でこの花を見かけないはずです。 フジバカマは花は咲くけれど、満開は期待できないのです。

山と渓谷社から出版されている “ 日本の野草 ” でフジバカマの写真を見ると、蕾も花もほとんど白色で、ヨツバヒヨドリのイメージに近いものです。 百合が原公園のフジバカマの蕾は濃いピンクで関東以西に自生しているものとはおよそ同じ種類には見えません。 現在、苗で販売されているものは、野生種から選抜された色の良いものなのでしょうね。

2017.9.2
2017.9.2
上の写真2枚は、外国産のフジバカマ(キク科ヒヨドリバナ属
<Eupatorium.purpureumu:エウパトリウム プルプレウム、日本名なし>)
草丈は2m近くになるようです。葉は5枚輪生。
豊平公園緑のセンターの北東側、建物の裏手に植えられています。 今年(2019年)の見頃は8月下旬でした。

<Eupatorium.purpureumu>
北アメリカ原産。 花壇特に低木花木間に適する。 耐寒性多年草で草丈1
~2ⅿに達する。 葉は5~6枚輪生し、卵状披針形で先端やや尖り、荒い鋸歯がある。 花色は紫色で、桃まれに白色、花期は秋。(最新園芸大辞典)

 

 

 

フジバカマ  秋の七草 

秋の七草は、ハギ(萩)、キキョウ(桔梗)、クズ(葛)、フジバカマ(藤袴)、オミナエシ(女郎花)、オバナ(尾花)<ススキ>、ナデシコ(撫子)<カワラナデシ>の七つです。 キキョウ、クズ、ナデシコは夏の花、オミナエシは夏から秋、ススキとハギは秋の花というイメージがあるのですが、フジバカマ?と言われると、今までにこの花を見たことがなかったのです。
2018.10.13
百合が原公園の正面入口から入って、駅舎に向かって歩いていくとパーゴラ風の休憩施設コーナー左側に、幅7~8m、長さ50mほどの宿根草花壇が続いています。 その中に、フジバカマが植えられています。
フジバカマは草本が何本も立ち上がる株状を呈し、草丈の高いものは1m20~30cmになります。 その先にピンクの小さな花を房状に多数つけます。

この株を最初に見つけたのは7月で、そのときは赤味を帯びた艶のある葉で、株はまだ小さいものでした。 8月末に再度見ると葉先(株のてっぺん)に小さな花芽が出来ていました。 この宿根草園で作業をしてい方に、
「この花はいつ頃咲きますか? 9月中頃に花は咲きますか?」と尋ねると、
「ふ~ん、その頃に咲いていたな?、もっと遅い時期のような気がしたけどね」と教えてくれました。 それで10月上旬に行ってみると、ほんの一部花が咲いているだけでほとんどが蕾のままでした。
2018.10.13
10月中旬に再度行ってみると、背丈の高い株は開花しているのですが、低いものは蕾のままででした。 この咲き方を見ると、10月中旬以降シベリアからの寒気が入が入りやすい札幌ではフジバカマの花は咲ききれない、満開になることができない花のようです。

フジバカマやヨツバヒヨドリなどヒヨドリバナ属(Eupatorium属:キク科)の花は左図のようになっていて、上の写真の白いひげのようなものは雌しべです。 それが2本1対で一つの花です。 それを管状花と言い、それが数個集まったものを頭花というようです。 上の写真で小さな蕾のように見える1個が頭花で、それが集まって塊になって散房状の大きな蕾に見えるのです。(左図:「北海道の野の花」から転写)


豊平公園、緑のセンター北東側の花壇で見つけました。 花の形態はフジバカマ(Eupatorium属)と同じなのですが、草丈が2m前後あり、
2018.9.2
花色も紫がかった薄桃色です。 種類は分かりません。

<余談>
フジバカマは元々北海道に自生していないので道民にとっては野生で出会うことのない植物ですが、園芸植物大辞典には以下のような記述があります。

秋の七草に選ばれているように、昔は各地の原野に野生があったものと思われるが、田畑の開発や堤防の改修などのため、その自生地がなくなってほとんど日本では絶滅に瀕し、植物園などに栽培してあるものしか今日では見られなくなった。

環境省の準絶滅危惧種に指定されています。