ヤグルマソウ

2011.7.3
この花をずっ~とヤグルマソウと思っていました。しかし、正式名はヤグルマギクです。
・ヤグルマギク:キク科 ヤグルマギク属
・ヤグルマソウ:ユキノシタ科 ヤグルマソウ属 2018.6.10
本当のヤグルマソウは写真のように白い花を咲かせる草花です。 時折り個人の庭先で出会うことはありますが、そう多くはありません。

山の谷筋の斜面や樹陰を埋めつくして生える大きな草は、掌状に5つに切れ込んだ大きな葉が印象的で、ちょうど鯉のぼりの先につける矢車を思わせる。 長野県北部ではずばりゴハ(五葉)とよぶ。 明治以降、煙草欠乏の折には、この葉が貴重な代用品になった(朝日百科 世界の植物)。
2015.5.16                                2018.5.23                               2018.5.23
上の写真3枚は、ヤグルマソウの芽出し~つぼみ(開花直前)までのものです。
芽出しころの葉色は赤褐色をしていますが、つぼみの頃になると少し赤味が抜けて褐色に微妙に変化しています。
それが開花時になると、赤味が完全に抜けて緑色に変化します。
この現象は、草花の芽だし時期に赤色をしていて少し大きくなるとそれが抜けるのと同じで、ヤグルマソウはそれが大きくなるまで続くだけで、草花一般に起こることのようです。

この現象の説明を、日本植物生理学会の「みんなのひろば」登録番号:0693で以下のように説明しています。

新緑の頃、幾つかの木本植物が赤色の新芽を出しています。例えば垣根によく植えられるウバメガシは4-5月の間、新芽は赤色に見えますがこれらはアントシアニンによるものです。葉が成長して大きくなる6月頃に赤色は消え、葉は緑色になります。アントシアニンは主に葉の表皮細胞に分布し、表皮細胞の下にある柵状組織や海綿状組織にある(緑色の)光合成を行う葉緑体を紫外線や強い(太陽)光から守っていると考えられています。6月頃になって葉緑体が紫外線を防ぐことができ、太陽光に対する備えが充分できると、アントシアンニンは消え、緑色の葉になります。