フジバカマ  秋の七草 

秋の七草は、ハギ(萩)、キキョウ(桔梗)、クズ(葛)、フジバカマ(藤袴)、オミナエシ(女郎花)、オバナ(尾花)<ススキ>、ナデシコ(撫子)<カワラナデシ>の七つです。 キキョウ、クズ、ナデシコは夏の花、オミナエシは夏から秋、ススキとハギは秋の花というイメージがあるのですが、フジバカマ?と言われると、今までにこの花を見たことがなかったのです。
2018.10.13
百合が原公園の正面入口から入って、駅舎に向かって歩いていくとパーゴラ風の休憩施設コーナー左側に、幅7~8m、長さ50mほどの宿根草花壇が続いています。 その中に、フジバカマが植えられています。
フジバカマは草本が何本も立ち上がる株状を呈し、草丈の高いものは1m20~30cmになります。 その先にピンクの小さな花を房状に多数つけます。

この株を最初に見つけたのは7月で、そのときは赤味を帯びた艶のある葉で、株はまだ小さいものでした。 8月末に再度見ると葉先(株のてっぺん)に小さな花芽が出来ていました。 この宿根草園で作業をしてい方に、
「この花はいつ頃咲きますか? 9月中頃に花は咲きますか?」と尋ねると、
「ふ~ん、その頃に咲いていたな?、もっと遅い時期のような気がしたけどね」と教えてくれました。 それで10月上旬に行ってみると、ほんの一部花が咲いているだけでほとんどが蕾のままでした。
2018.10.13
10月中旬に再度行ってみると、背丈の高い株は開花しているのですが、低いものは蕾のままででした。 この咲き方を見ると、10月中旬以降シベリアからの寒気が入が入りやすい札幌ではフジバカマの花は咲ききれない、満開になることができない花のようです。

フジバカマやヨツバヒヨドリなどヒヨドリバナ属(Eupatorium属:キク科)の花は左図のようになっていて、上の写真の白いひげのようなものは雌しべです。 それが2本1対で一つの花です。 それを管状花と言い、それが数個集まったものを頭花というようです。 上の写真で小さな蕾のように見える1個が頭花で、それが集まって塊になって散房状の大きな蕾に見えるのです。(左図:「北海道の野の花」から転写)


豊平公園、緑のセンター北東側の花壇で見つけました。 花の形態はフジバカマ(Eupatorium属)と同じなのですが、草丈が2m前後あり、
2018.9.2
花色も紫がかった薄桃色です。 種類は分かりません。

<余談>
フジバカマは元々北海道に自生していないので道民にとっては野生で出会うことのない植物ですが、園芸植物大辞典には以下のような記述があります。

秋の七草に選ばれているように、昔は各地の原野に野生があったものと思われるが、田畑の開発や堤防の改修などのため、その自生地がなくなってほとんど日本では絶滅に瀕し、植物園などに栽培してあるものしか今日では見られなくなった。

環境省の準絶滅危惧種に指定されています。

 

 

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