朝目覚めて窓のカーテンを開けても薄暗く、日中も曇りの日が続くと太陽の光と暖かさが恋しくなります。なぜか?そういう時期に国立天文台暦計算室の「札幌の日の出日の入り(こよみ)」を見ることが多くなります。 いつもは日の出日の入りだけを見ていて、南中時刻という欄があることに気づいてはいても意識はなかったのでしょう、しかし、今回はたまたまその欄を見て不思議に思ったことがあります。
南中とは、その日の太陽の位置が真南で真上(一番高い位置)に来る状態のことです。 時刻で言うと本来は12時に当たるのですが、札幌の場合、兵庫県明石市(日本の標準時刻)を通る東経135度と札幌の東経141度とに約5度の差があるため(地球は反時計回り)、札幌の南中は日本の正午より早く来ることになります。
我家の窓は真南に面しており、午前11時半頃、太陽光線が真っ直ぐに入り込むので、私は札幌の南中(12時)は日本の南中より30分ほど早く来て、時刻は年中変わらないと思っていたのです。 それなので、日本の標準時刻の明石は1年じゅう南中は12時と思っていたのです。 ところが、札幌の南中時刻の欄を見ると日々変わっていて、年間を通して見ても南中の時刻が月によって早晩があるのです。 神戸市もやはり札幌と同様に南中の時刻が日々変わっていて、最大で30分の早晩があるのです。
〇 札幌市と神戸市の南中時刻
※ 国立天文台の「日の出日の入り」は、各都道府県の県庁所在地のみの掲載になっているので、明石市に最も近い神戸市を採用。
` 札幌(140°21′16″) 神戸(135°11′44″) 明石(135°)
1月1日 11:38 12:03
2月1日 11:48 12:13
3月1日 11:47 12:12
4月1日 11:38 12:03
5月1日 11:32 11:56
6月1日 11.32 12:03
7月1日 11.39 12:03
8月1日 11:41 12:06
9月1日 11:35 11:59
10月1日 11:24 11:48
11月1日 11:18 11:43
12月1日 11:24 11:48
数字ではわかりにくいので図にすると、
➀ 青線:札幌市、赤線:神戸市
⓶ 左の数値は時刻 11が11時で、12が12時。小数点に6をかけると分になる。
例:11.8=11時8×6分=11時48分
図で見るとわかりやすく、月毎に南中時刻が波打つように変わっています。 2月が最も南中時刻が遅くなり、11月が最も早くなります。 「秋の日は釣瓶落とし」の慣用句?諺?がありますが、これは秋は日の暮れるのが早いことの例えで、秋分の日を挟んで8月のお盆頃から11月中旬まで毎日約1分強日の入りの時刻が早くなっているのですが、それに輪をかけて、この時期(10月下旬~11月上旬)に南中時刻が最も早くなることで秋の日暮れをより一層早く感じるのでしょうか。 反対に、2月は毎日1分強づつ日が長くなり、南中時刻が1年で最も遅くなるので、日が長くなるのを感じるのでしょうね。
それにしても、なぜ南中時刻が変化するのでしょうか? ネットで検索すると詳しく説明しているページがいくつもあるのですが、太陽と地球の位置関係や地球が自転しながら太陽の回りを回っていること、地球の自転軸が23.4°傾いていることを頭に描いてそれらを読むのですが、なかなか、どうしても南中時刻が変化するイメージが浮かび上がってこないのです。 というより、理解しようとすることが面倒臭くなってあきらめたのが本音です。 自分の理解力やイメージする力のなさを感じてしまいます。 とりあえず、国立天文台のページを載せておきます。