宿根サルビア ネモロサ

“サルビア” と言えば、夏から初秋にかけて公園の花壇や街路樹の下など街のあちこちを真っ赤に染めてくれる夏を代表する花で、5月末に植えて7~9月まで楽しめる花壇花というイメージがあります。
しかし、“サルビア”という名前が付く植物(サルビア属)は種類が多く、世界中に900~1000種あるといわれています。
私たちが普段見慣れているサルビアは熱帯のブラジル原産で、名前(学名)はサルビア  スプレンデンス(Salvia splendens)。

下の写真中央に紫色の花が咲いています。名前はサルビア  ネモロサ(Salvia nemorosa、品種名;カラドンナ
2026.6.24
左側;キバノコデマリ、中央;サルビア ネモロサ、右側;斑入りイトススキ。
豊平公園緑のセンター正面に植栽。
サルビア ネモロサ;草丈50~60cm、花の大きさは、サルビア スプレンデンスに比べると小さいが、花数は多い。
2026.6.24
2026.6.24
写真はサルビア ネモロサ。緑のセンター西側に植栽。
緑のセンター正面のサルビア  ネモロサより少し小ぶりで、花色は桃紫色。

サルビア ネモロサの原産地は、ポーランド、ウクライナ、西ロシアなどの東ヨーロッパ、アフガニスタンやパキスタンなど中央・西アジアの地域で、非常に耐寒性があるので札幌でも越冬し、毎年花を咲かせます

ロシアンセージ(サルビア ヤンシー)やコモンセージ(サルビア オフィキナリス)もサルビア ネモロサと同じ地域に自生しています。花の付き方などサルビア ネモロサと似ています。ちなみに、ロシアンセージはロシアが付きますが、ロシアには自生していないそうです。

 

 

 

ツリバナ 胴枯病 真駒内公園のツリバナその後  

今から7年前の真駒内公園内少年野球場横のツリバナ。16~
17本列植。 その内1本が枯死(中央やや左側;白色で四角の注意看板右横の枯損木))
2019.6.30 2026.6.12
7年後の今春(2026年6月12日)のツリバナ。16~17本あったツリバナのほとんどが伐採され、生き残ったのは中央に植えられていた3本のみ。  2026.6.12
3本の内、真ん中の1本は元気で、マサキナガタマムシの食害による枝枯れ、幹の損傷は見られない。その左右2本は、枝先の枯れが目立つ。
今まで見てきたツリバナは、マサキナガタマムシによる食害1~3年後には枯死、その後伐採という経緯をたどるが、この3本は生き残っている。特に真ん中の1本は他の2本より元気。

樹木は、キクイムシなどの穿孔虫に食害されると1~3年で枯れてしまいます。 その理由は、幹枝に潜入した幼虫が養分の豊富な樹皮下の維管束部分を食害するためです。葉で作られた養分が幹や根に届かなくなり、また、根から吸い上げた水分や養分が樹幹上部の葉に届けられなれなくなるためです。

🔵 それでは、なぜ真駒内公園のツリバナ3本は生き残れたのか?
要因として以下の2つが考えられます
① 樹勢の強さ
・樹木は、葉を食害されたり樹皮を傷つけられたりすると、防御反応として抵抗物質や樹脂を産生して、自身の体を守ろうとする
・マサキナガタマムシは小さいので細い枝などに卵を産み付け、孵化した幼虫は樹皮下に侵入するが、樹勢の強いツリバナは防御物質の濃度が高く、侵入した幼虫に高い抵抗性を示し、その結果、幼虫の生存率が下がる(ようです)
② 遺伝的要因
・生き残った3本、特に真ん中の1本は、他のツリバナに比べてたまたま防衛物質を大量に、若しくは素早く分泌できる遺伝的な特性?を持っており、マサキナガタマムシの幼虫が樹皮下に侵入しても、この防衛物質によって発育の遅延や、そのまま死滅した可能性が考えられる。

おそらく、生き残った3本、特に真ん中の1本は、遺伝的特性と樹勢の強さの両方を持ち合わせていたのではないでしょうか?

🔵 マサキナガタマムシの防除と予防
・ナガタマムシやキクイムシなど穿孔虫の幼虫が樹幹に入ってしまうと農薬を外から散布しても効果は期待できない
・ツリバナは庭や公園などに植えられていることが多く、本数的にも少ないことから個体ごとの管理が比較的可能な樹種である
・このことから、幹内部に薬剤を浸透させる樹幹注入が適当と思われる
・樹幹に薬剤を注入する時期は
①樹液の流動が活発な時期;5月上中旬~8月中旬?まで
②穿孔虫の成虫が活動を開始する前(5月中旬~)
③穿孔虫の幼虫が活動を開始する前(5月中下旬~)
・おそらく、5月上中旬~6月中旬が樹幹注入最適期と思われる

真駒内公園で今も生き残っているツリバナは、これからもマサキナガタマムシの攻撃に耐え、生き続けることができるのでしょうかね?

 

 

ツリバナ 胴枯病 犯人判明

今から7年前(2019年)に南区にあるエドウィン・ダン記念公園で、胴枯病と思われる症状で枯れかかったツリバナを見つけました。その後、真駒内公園でも同じ症状のツリバナを見かけました。

そのときは、樹皮の枯れ具合から、自分では確信的に何らかのカビ菌が原因でこの症状が出ると思っていました。 以下のブログは、その当時のツリバナの被害状況を記しています。

⇒ ツリバナ  胴枯病
⇒ ツリバナ 胴枯病(その2) 

それから3年後(2022年)の秋、樹木医会北海道支部による研修会が中島公園で開催されました。 そのときに中島公園の関係者から、
「中島公園内の日本庭園とその周辺にあるツリバナが枯れてきている。 これは何が原因か?教えてほしい」という質問が出ました。
現場で症状の出ているツリバナを見ると、エドウィン・ダン記念公園や真駒内公園にあるツリバナと同じ病徴を示していました。
その後、上述の中央区や南区の公園以外にも枯死症状を示すツリバナが見つかっています。

🔵 ツリバナの枯死原因
南区エドウィン・ダン記念公園のツリバナの枯死株を見つけて7年がたちます。今から2年前(2024年9月)に樹木医会北海道支部のホームページに、 ツリバナの枯損原因に関する情報提供が掲載されました。

🔵 ツリバナの新害虫「マサキナガタマムシ」 樹木医会北海道支部のホームページより
札幌市内のエドウィン・ダン記念公園や中島公園など、札幌市内の公園や庭木のツリバナを加害している害虫が判明しました。
 本年(2024年)6月29日に樹木医会北海道支部のメンバーで、中島公園のツリバナから幼虫がいそうな枝を採取し室内飼育したところ、15頭羽化しました。
 成虫を森林総合研究所北海道支部を通じ、※石川県ふれあい昆虫館で同定していただいたところ、「マサキナガタマムシ」であるとのことでした。
マサキナガタマムシは、これまで北海道には生息していないとされていましたが、今回新たに北海道での生息が確認されたことから、今後ツリバナの害虫として注意が必要です。
石川県ふれあい昆虫館の「日本産タマムシ大図鑑」の著者の一人である福富宏和氏に同定していただいています。

🔵 マサキナガタマムシ
⇒ マサキナガタマムシhttps://yohbo.main.jp/Buprestoidea/masaki_naga.html
※「マサキナガタマムシ」は、「対馬のタマムシ」のページの一部。
・体長約6.5 mm前後の小型ナガタマムシ類で、マサキ(柾)などニシキギ科植物を主な寄主とするタマムシ科の昆虫(甲虫)
・ナガタマムシは、卵→幼虫→蛹→成虫の完全変態
・成虫の餌は、花の蜜・若葉が主
・幼虫のエサは木の内部で、形成層付近の師部(葉でつくった養分を幹や根に運ぶ管)や木部の外側(根が吸い上げた水分や養分を葉に運ぶ管)を食い荒らす。
・その部分は水分が豊富で、最も栄養があり柔らかい部分 2023.9.8
・真駒内公園の枯損したツリバナの幹。樹幹の縦横に筋が走っているが、これがマサキナガタマムシの幼虫がエサを食べるために残した痕跡
・樹皮は完全に向けて木部の堅い部分が露出
・マサキナガタマムシは、タマムシ科ナガタマムシ属で、ナガタマムシ属は世界に約3,300種、日本には数十種と推定されている
・マサキナガタマムシは今まで北海道に生息していなかったが、マサキナガタマムシと同属のナガタマムシ類がシラカバなどの樹木に15種以上確認されている

🔵 ツリバナの枯損枯死を胴枯病と見間違った理由(推測)
・写真は、マサキナガタマムシがツリバナを食害した痕。 蛇行する赤い筋は、マサキナガタマムシが樹皮下の師管や若い木部を食害してできた孔道痕。
・この部分が枯死している
・食害痕が赤く見えるのは、樹皮下の組織が酸化して褐変したため(鉄が錆びると赤くなる、リンゴの皮をむくと果肉が赤くなるのと同じ現象)
食害痕(孔道)が枯死後、二次的に腐朽菌が侵入し、樹皮がボロボロになる ⇒ これが胴枯病と勘違いした理由

 

 

エダマメ 発芽(その2)

この写真は、5月14日にタネをまいたエダマメの発芽できなかったタネ。
2026.6.5
エダマメのタネをまいてから22日が経過。
種子は水を吸って膨らみ、胚という部分から根を出します。写真のエダマメのタネは、ちょうど発根して主根から細根が出て来たところです。
エダマメの発芽適温は、25~30℃で、最低でも15℃の温度が必要で、札幌では、5月下旬~6月上中旬が適期と言われています。15℃前後の温度でタネをまくと、、発芽まで10日以上かかるようです。
今年の5月14日にタネをまいたエダマメの発芽状況(6月6日現在)は、
・タネをまいてから10日(5月24日)では、保温と保湿のために不織布をかけているので、発芽状況は分かりにくいが、おそらく、子葉が土から顔を出すころ。
・5月末になって、発芽がそろってきた
・6月5日時点で、初生葉から本葉が出てきている状況
・個々の発芽のばらつきが大きく、発芽揃いの判定が難しい
・発芽率は例年に比べると良かった
・しかし、発芽しないタネもある。上の写真はその一つ。

以上が5月14日にタネをまいたエダマメの発芽状況(6月6日)です。順調に発根・発芽しているものは本葉まで生育しているのですが、写真のタネは発根はしているものの、そこで生育が止まって発芽ができていません。

🔵 この原因調べてみると、以下の可能性があることが分かりました
① タネの深植え;1~1.5cmと種子の大きさの割に深さは浅植え。 深植えは発芽の障害になる
② 地温が低く、胚軸が腐敗した(根は低温でもゆっくり伸びるが、胚軸は低温に弱く、腐りやすい)
③ 粘土質の畑土で、それが重く表面が固まって芽がでない
①~③の内、最も可能性が高いのがのようです。
エダマメの種子内部の様子(この画像は、タキイ種苗さんからお借りしました)。
ダイズのタネが吸水して膨らみ、胚芽の下部から幼根を、上部から幼芽を出すが、幼芽側の細胞は寒さ弱く、しかも、地上部へと伸びるので寒さを受けやすい。一方、幼根は地下に伸び、地温が一定していることもあり寒さの害を受けにくい。

🔵 エダマメが発根しても発芽しなかった理由
5月14日にタネをまいたエダマメは23日も経っているのですが、新根だけ残って新芽が出ていないのは、5月中下旬の寒さが胚芽の上部、幼芽が出てくる部分を枯死させたようです。

エダマメの発芽適温は15℃以上なので、札幌では5月中旬にエダマメのタネまきをすることは、いつもこの寒さのリスクがあるのです。

⇒ エダマメ 発芽

今年も5月14日に続き2回目の6月1日にエダマメのタネをまいています。札幌の6月上旬の平均気温は15℃を少し超える程度なので、やはり、5月中旬同様に低温リスクが残ります。
5月14日のエダマメのタネまきは、ここ数年の内では発芽率は良好な方ですが、それでも、発芽しないタネが3割程度あります。
6月1日のタネまきは、低温に加えて乾燥のリスクが5月よりも増します。タネをまく前日にしっかり潅水をして畑土に水分を十分沁み込ませたつもりですが、やはり雨には適いません。
何日も雨が降らないときは、水道水で潅水してもいいのですが、水道水の水温は10℃前後ととても冷たいので、それが発芽に悪影響を与えるのではないか?と考えると、やはり躊躇してしまいます。

エダマメは大豆の未熟果で、大豆は畑作物です。畑作物は、園芸作物(野菜、果樹、花き)と違って、広い面積で大量に育てる作物です。タネをまいてから潅水をするような育て方をする作物ではないと思っているので、適期に、天候を見ながら(雨の降る時期)タネをまく、そして、発芽を待つ、これしかないと思っているのですが・・・。

 

 

西洋シャクナゲ   豊平公園


2016.6.5
豊平公園の花木園にある西洋シャクナゲ。 樹高は約3m。6月上旬が見頃
2026.6.7

2026.6.7
豊平公園緑のセンターすぐ横;西側):地下鉄東豊線豊平公園駅近く)、園路沿いに植栽されている西洋シャクナゲ

2026.6.7
西洋シャクナゲは、1個の蕾から10個前後の花が咲くものが多い。


2012.6.3
北大植物園のシャクナゲ。 高さは約4m。名前;ロードデンドロン  フォーチュネイ(Rhododendron  Fortunei)
ロードデンドロンはツツジ属を、フォーチュネイは、このシャクナゲを紹介した人の名前 を表す。
北大植物園を探索していて、このシャクナゲに出会ったときは、
「こんなに上品で美しいシャクナゲを見るのは初めて」
と心の高鳴りを覚えました。
白地をベースに蕾のピンクが淡く白に溶けていく色合いは、なんとも上品で美しい。それに樹姿が端正で、花の咲き方が段状に、ある種整然と花を咲かせる姿は気品があります。


2016.6.5
西洋シャクナゲの花色は、白~ピンク~紫の系統が多く、黄色の西洋シャクナゲは少ない。黄色系シャクナゲでは地面に這うように拡がるキバナシャクナゲが良く知られているが、花色が黄色と言っても淡い黄色で、写真のような黄色のシャクナゲはほとんど見かけない。
ヒバ類の生垣の間に植えられて、垂れ下がるように咲いているこの黄色のシャクナゲは、遠くからでも目を引く。


2011.7.24
シャクナゲは5月上旬から咲き始めるが、見頃は5月中下旬~6月上旬。
シャクナゲの仲間で最も遅く咲くのがハクサンシャクナゲ。写真は豊平区西岡にある森林総合研究所北海道支所で撮ったもの。撮影時期は7月下旬。

2013.7.6
我家から近い住宅街の個人宅にあった、おそらく、ハクサンシャクナゲ。幹の直径が20cm以上、樹高が3m前後の立派なもの。