7月下旬になると、郊外の道路沿いや法面などに少し赤みを帯びた白っぽい花、ヨツバヒヨドリを見かけるようになります。
2017.7.29
写真は、南区から西区に通じる道路(西野真駒内清田線:小林峠を抜けるトンネルのある道路)沿いに生えていたヨツバヒヨドリ。 2017.7.29
草丈は1.0~2.0m。 茎は分岐しないでひょろひょろと1本ずつ立ち上っているように見えます。
2017.7.29
キク科のヨツバヒヨドリ、ヒヨドリバナ、フジバカマなどこの仲間(ヒヨドリバナ属:Eupatorium属:エウパトリウム属)の花の咲き方の特徴は、髭のような細い糸のようなものが多数花から飛び出していることです。 調べると、これは雌しべのようです。 それでは雄しべはどこに? 花の中にあるそうです。 それじゃ受粉できないのではないか?と心配しますが、雌しべが花から出てくるときにしっかり受粉するそうです。 風媒花でも虫媒花でもないのです。 面白いですね。 雄しべがどのようにおさまっているのか、この花を詳しく見たくなりました。
2012.7.10
ヨツバヒヨドリの葉は3~4枚輪生してつきます。 この花と同種のヒヨドリバナ(ヨツバヒヨドリはヒヨドリバナの※亜種)は葉のつき方は対生です。
道端などでよく見かけるのはヨツバヒヨドリで、ヒヨドリバナはあまり見かけません。
2017.8.15
写真の花も道路沿いで見つけました。 ヒヨドリバナの花色は白なので、これを見たときはヒヨドリバナかな?と思ったのですが、葉のつき方が輪生してしているようなので、ヨツバヒヨドリにしました。 普段見るヨツバヒヨドリの花色は少し薄紫かピンクを帯びています。
<余談:※亜種について>
種(しゅ)は英語ではspecies、亜種はsubspecieで、分類区分では種の下位区分になります。
生物分類上の一階級。種の下の階級。種として独立させるほど大きくはないが,変種とするには相違点の多い一群の生物に用いる。例えば,北海道のキタキツネはキツネの亜種である。ただし,種と亜種とを分ける明確な基準はない。(weblio辞書より)
ヒヨドリバナとヨツバヒヨドリの関係は、
①形態的な違いは、葉のつき方がヒヨドリバナは対生で、ヨツバヒヨドリは3~4輪生
②花色は、ヒヨドリバナは白、ヨツバヒヨドリは白~ピンク・薄紫の幅がある。
③分布域の違いは、ヒヨドリバナは日本、朝鮮半島、中国、千島、サハリン、フィリピンで、ヨツバヒヨドリは、四国、本州、北海道、千島、サハリンです。
(分布域については園芸植物大辞典参照)
なので、ヨツバヒヨドリがヒヨドリバナの亜種なのは、葉のつき方や花色の違いはあるが別種にするほどでもなく、ヒヨドリバナの日本と千島、サハリンの地域限定版というふうに理解したのですが、どうなんでしょうね。
ある高原で、ヨツバヒヨドリが群生していたのに、20年ぶりに楽しみに訪れると全て笹に覆われて跡形もなくなってしまっていたという、残念な出来事がありました。アサギマダラが200頭はふわふわと飛んでいたでしょうか。現実とは思えないような、夢のような情景でした。
ヨツバヒヨドリを増やし、アサギマダラに飛来して欲しいと思っています。
ヨツバヒヨドリについてのコメント、ありがとうございます。
ヨツバヒヨドリは7~8月に札幌郊外の道路そばに群生してます。よく見かけるのは
樹林地の縁で半日以上日陰になる少し湿ったような、そんな場所に生えています。
お話のヨツバヒヨドリはアサギマダラの吸蜜植物ですが、当地札幌では見かけたことがありません。
アサギマダラはヨツバヒヨドリの開花に合わせて日本列島を数千キロもの長い距離を旅するそうですが、
北海道は本州に比べて何しろ寒いので、滅多に飛来しない?、それでもたまに飛来するようです。
それは迷いチョウ扱いになるようです。 2021年に札幌市の郊外にある西岡公園(自然の多い公園)でその姿が確認されているそうです。
アサギマダラ、黒とアサギ色の蝶模様、その美しい姿を一度見たいものです。