樹まぐれ日記

コナラ:銀白の新葉が美しい

先週の土曜日(6月1日)に千歳空港行き高速バスの窓越しから撮った写真です。
1-002(アカジ)
高速道路に入る手前清田区内の道路沿いでも、このような少し褐色がかった白っぽい新葉の樹を見かけたのですが、高速道路に入ると連続してこの樹が連なっているが見えるのです。

高速道路の入口あたる北広島から千歳空港までのこの辺りは、なだらかな丘陵地帯で低い丘が連なっています。その斜面に、ある場所ではまだら模様に、あるところではこの樹が集団で群落をつくっているように生えているのです。
遠くにある樹木を見て樹種を判別しようとするのは元々無理があるのですが、それに私は相当目が悪いので、これらの樹木がなんであるか?わからなかったのです。しかし、少し想像を働かせて、芽出しが遅くて、しかも葉が白っぽく見える樹は?と考えると、コナラしかないのです。高速道路から見えたこれらの樹々はコナラではないか? と思ったのですが、いかがでしょうか? この近辺でこの時期にこのように見える樹種が何であるか?ご存知の方はコメントいただければありがたいです。
と言うことで、今回取り上げる樹木は“コナラ”です。
2013.5.31
中央に淡い緑色をした葉の樹が見えます。コナラです。左はヤエザクラ、右がエゾヤマザクラ。葉が開いてきて緑っぽくなってきていますが、芽出しの頃は白っぽい葉色でした。
2011.5.5
新芽の葉色は、イヌエンジュの新芽を連想させます。
2011.5.26
枝先から出る新葉は銀白色をしています。細長く垂れ下がっているのは雄花のようです。
2012.5.20 雄花  2012.5.20 雌花
同じブナ科でナラの仲間であるミズナラやカシワと同じように、ちんちくりんの花を咲かせます。雌花は非常に小さく、普段見慣れている草木の花からすると未発達というか原始的?形態をしています。、写真の赤いものは花弁なのでしょうか?
2012.5.19
南区真駒内にあるエドウィン・ダン記念館裏(北側)にあるコナラ(中央)です。大きさ(樹高)は15mくらいでしょうか。このエドウィン・ダン記念公園が造成される以前からこの地に自生している樹のようです。
2012.5.20 エドウィンダン記念館裏
この写真の色合い(コナラの芽出し)がうまく撮れているように思います。左の樹はイタヤカデ。
コナラは札幌市の東部(豊平区にある農業試験場(独立行政法人)、清田区の神社や住宅団地などの開発行為で残された緑地などでよく見かけるのですが、豊平川を挟んで西側(藻岩山や円山など)ではほとんど見かけない樹なのです。
コナラの北海道の分布は、北海道樹木図鑑では「十勝以西、空知以南」、北海道主要樹木図譜によると、「北海道では石狩低地帯まで」と記載されています。札幌近辺について図々しく付け加えさせていただけるならば、「豊平川の東側に多い」となります。
〇 おまけ

左上から コナラ、ミズナラ、カシワ、下二つの左:ブナ、右:クリ
〇 Data
・科名 ブナ科
・属名 コナラ属
・学名 Quercus serrata
・花期 5月中旬~6月上旬?


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