少し時期が過ぎているのですが、クンシランの話です。
下の写真は豊平公園緑のセンター展示温室のクンシランです。 朱色の花を咲かせているクンシランが、白い大きな鉢の間に2鉢、黒と白の鉢の間に2鉢あります。
4鉢とも葉の間から花茎がすんなりと上がり、バランスよく端正な姿で花を咲かせています。
これは、我家のクンシラン。ダルマ系クンシラン。5~6年?前に購入。 毎年2月下旬から葉の間からつぼみを出して花を咲かせます。
しかし、豊平公園緑のセンターのシクラメンのように花茎がすんなり伸びて端正な姿で花を咲かせないのです。毎年、写真のように花茎は葉の合わせ目までしか伸びず、ずんぐりむっくりな姿で花を咲かせます。
ダルマ系クンシランは葉が短く幅広で、株全体が締まった姿になるのが特徴で、このため葉の重なりが密になり、花茎が葉の間を抜けにくく、花茎が上がらない傾向があると言われています。
しかし、クンシランの花茎がすんなりと伸びない主要因は、クンシランの花芽ができる時期(秋~冬)に低温が必要で、最低気温5~10℃に60日間合わせる必要があります。 札幌では9月~11上旬まで約2カ月 間外に出してしっかり低温に当てること、極端な言い方をすると、霜に当てて葉が痛むくらい外に置いておくと、しっかり花茎が伸びると言われています。
🔵 それでは、我家のクンシランはどのような環境(置き場所) で育てられていたか?
夏の間、鉢花を屋外で育てると葉にアブラムシやカイガラムシ、鉢土にコバエの幼虫(鉢土の表面に卵を産み付ける)やナメクジが侵入するので、1年を通して室内で育てています。置き場所が南向きの部屋なので、日光不足になることはなく、室内温度も 冬場(11月下旬~3月上旬)は12℃~16℃くらいの範囲の環境条件で育てています。
おそらく、秋から冬にかけての室内温度12~16℃が花茎をすんなりと伸びさせない原因のようです。最低温度が10℃以上の部屋に置いておくと、低温処理不足になるようです。
自分としては、屋外で管理して虫がつくより、とりあえず、ずんぐりむっくりでもいいので花を咲かせてくれたら、「良し」と思っています。
🔵 補足
クンシランの花が咲かない、若しくは、花茎が長く伸びない原因は、秋口の低温以外に肥料のやりすぎや日光不足もあるので、注意が必要です。
🔵 クンシラン(Clivia.miniata)の自生地はどのような気候・環境なのか?
クンシランの自生地は南アフリカで、もっと正確に言うと、南アフリカ共和国の東海岸で、場所的には森林地帯の半日蔭に生息しています。この地域、特に海岸線沿いは亜熱帯に属し、冬でも12~15℃程度と温暖・湿潤な気候で、
・夏季に雨が多く(南半球の夏11~3月に80~150mm/月の降雨)
・冬季は乾燥(5~9月;10~30mm/月)
クンシランが自生している地域の年間降雨量は600~1200mm。 札幌は年間降雨量が1100~1200mmなので、クンシランの自生地は札幌より幾分少ないというところでしょうか。
以上がクンシランの自生地の環境ですが、クンシランの花芽形成には最低気温が10℃以下で約2カ月の期間が必要です。
なので、クンシランの自生地をより正確に言うと、冬場の気温が12~15℃の海岸線沿いではなく、内陸の少し標高高い場所、もう少し冷える、最低気温が10℃を切る森林地帯に生育しているのではないでしょうか。