堆肥(11)団粒構造はどのようにして形成されるのか?

団粒構造がしっかり発達した畑土は、
① 色は黒々としており、
➁ 握ると湿り気を感じ、ぎゅっと締まるが、手を開くとほろっと崩れ、
③ 湿っていてもべたつかず、
④ つまむと粒粒とした感触があり、指先で押しつぶすと、しっとりと指腹に沿ってやわらかく広がる

というような感じの土です。
そして、その働き・作用は前回の投稿で説明したとおりです。

⇒ 堆肥 (9) 有機物を分解すると最後に何が残るのか?

では、本題の「団粒構造はどのようにして形成されるのか?」
についてです。

土壌の「団粒構造」は、単なる土の塊ではなく、微生物や植物、そして、それらが作り出す物質が複雑に絡み合ってできる「ミクロの建築物」で、それは、細菌や菌類、植物の根などの相互作用によって作り出されていくようです。

🔵 細菌(バクテリア)の役割
・最小単位の粘土や砂の粒子をくっつけるのが細菌の仕事。
・細菌はエサ(有機物)を分解する際や、自分たちの身を守るために「バイオフィルム」と呼ばれるネバネバした物質を放出。
・このネバネバ物質が接着剤となり、バラバラだった粘土粒子などをつなぎ合わせ、ごく小さな塊(ミクロ団粒)を作る。

🔵 菌類(カビ・キノコ)の役割
・細菌が作った小さな塊を、さらに大きく、丈夫な「団粒」へと成長させるのが菌類の役割。
・菌類は土壌中に細長い菌糸を縦横無尽に張り巡らせ、これがネットのように土の粒子やミクロ団粒を包み込み、物理的にバラバラにならないよう縛り上げる。
・特に植物と共生する「菌根菌」は非常に分解されにくい粘着性のあるタンパク質を放出し、これが強力な「防水性ワニス」のように働き、水に濡れても崩れない強い団粒(マクロ団粒)を作り上げる。

🔵 植物の根の役割
・根が土の中に伸びていくとき、周囲の土を押し固め、また、根が水を吸うことで土が一時的に乾燥・収縮をする。この「押す」「縮む」の繰り返しが、土を適度な塊に成形するプレス機のような役割を果す。
・植物の根の先端からは糖やアミノ酸などの「根端分泌物」が放出され、これが微生物(細菌や菌類)にとっての重要なエサとなり、根の周り(根圏)で微生物の活動が爆発的に活発になる。

以上のことをまとめると、

植物の根が伸長するとき分泌物を出し、また周りの土を押す。その分泌物が細菌のエサになり、ネバネバを出し、小さな粒を接着し、菌類の糸(菌糸)がその粒を網で包み込み、大きな塊にする。
ミミズなどの小動物がそこを通ることで、さらに隙間(団粒間孔隙)が生まれ、ふかふかの土になる。
団粒構造とは、微生物(菌類や細菌)と植物が織りなす、土の中の小さな芸術作品です。

しかし、
団粒構造は一度できたら終わりではなく、微生物が活動し続けることで維持される「動的な構造」です。耕しすぎたり、化学肥料だけで微生物のエサ(有機物)がなくなると、この「接着剤」や「網」が失われ、土は再びカチカチの単粒構造に戻ってしまいます。

野菜を育てるための家庭園芸の書物には、堆肥(完熟堆肥)を毎年2kg/㎡入れることを推奨しています。
病気が出にくい、しっかり根を生やせる土、別の言い方をすると、畑が痩せるのを防ぎ、安定して作物が収穫できる土を保持することは、団粒構造を保つことを意味します。

 

 

 

堆肥(10) 腐植物質

微生物が樹木や草花を分解していくと最終的には水と二酸化炭素に分解されるのですが、その過程で腐植物質が形成されます。 この腐植物質は、大きく3つ(フルボ酸、フミン酸、ヒューミン)に分類されます。
腐植物質は土壌(畑の土)の良し悪しを決める重要な成分です。

🔵 土壌構造の改善(団粒構造の形成)と保肥力の向上
団粒構造をつくる

「植物工場ラボ」さんのサイトからお借りしました。
団粒構造ができると、
・水はけ、水もちが良くなる
・通気性が良くなる
・その結果、根が良く伸びる
つまり、植物が育ちやすい土壌構造ができるのです。
上図の右端の円形図は団粒構造の中身を拡大したもの。砂、粘土、水、空気、腐植物質がくっつき合って団粒をつくり、そこに、根っこの先端部分が入っていくのです。この団粒の中の水分は重力で地下に流れ出ていくことのない水です。


カリウム、マグネシュウムなどの肥料成分をつかまえて保持
する力がある

「シェアリング未来ec」さんのサイトの画像をお借りしました。
上図の土壌コロイド(丸い大きな円)は、団粒の中の腐植と粘土に相当し、どちらもマイナス(ー)の電荷を帯びていて、プラス(+)の電荷をもったカリウム(K⁺)やマグネシュウム(Mg²⁺)などの肥料成分が引き付けられてくっつくのです。
肥料成分は水の中に溶けて存在するので、雨が降って地下に浸透すると肥料成分も一緒に地下に流れていきます。 しかし、腐植や粘土が土壌中にたくさんあると、肥料分は腐植や粘土にくっついて流れません。これが腐植の肥料成分を保持する力です。

🔵 腐植物質は、堆肥(有機物)を入れることで団粒構造が形成され、肥料成分の保持力を高めますが、その腐植物質(フルボ酸、フミン酸、ヒューミン)とはどのようなもので、どのような働き・作用があるのでしょうか?

◉ 腐植物質(フルボ酸・フミン酸・ヒューミン)の特性・作用

分類
(分子量)
水溶性(色) 主な機能・働き 分解までの年数
フルボ酸
(小さい)
酸性・中性で水に溶ける(黄褐羽賀研二色) ・キレート作用が強く、微量要素の可給性を高める
・植物の根からの吸収を助ける
・微生物活性を促進
数週間~数ヵ月
フミン酸 (中程度)) アルカリ性で水に溶ける(黒褐色) ・団粒構造の形成促進
・保肥力(CEC)の向上
・根の伸長促進やストレス耐性向上
数年(3~10年程度)
ヒューミン (非常に大きい) 水に溶けない(黒色) ・非常に安定で長期的な炭素貯蔵
・土壌の物理性改善(団粒の骨格)
・緩衝能の向上
数十年~100年以上

〇 フルボ酸
堆肥が分解される過程で比較的早い段階に生成される腐植物質で、根の成長を促進し、養分や水分の吸収を助ける働きがあるが、比較的早く分解される。また、土壌コロイドと肥料成分のくっつきやすさ(保肥力)を高める。

〇 フミン酸
フミン酸は団粒構造の中核をなし、土壌コロイドと結合してその構造を安定化させる働きがある。こうして形成された団粒構造は、耕起や乾湿の繰り返しによって徐々に分解されるが、フミン酸の存在によってその耐久性が高まり、土壌の物理性(団粒構造)や保肥力の維持する。

〇 ヒューミンは、フミン酸と同じように団粒構造を形成し、土壌のの物理性・保肥力を向上させ、分解までの年月が非常に長く数十年~数百年の単位で安定する物質。

🔵 上述の3種類の腐植物質は、水と二酸化炭素に分解されるまでにどれくらいの年月がかかるのでしょうか?

〇 腐植物質は最終的には水と二酸化炭素に分解されるが、その速度は極めて遅く、※数十年~数千年かかり、土壌中では長期間安定して存在する。 → ◉腐植物質の特性と作用の右端列参照
※数十年~数千年とは非常に幅があるが、これは、寒冷地や乾燥地、熱帯雨林など環境による違い、測定法によっても違いが出てくる。

🔵 堆肥の中に、腐植物質はどれくらいの割合で存在するのでしょうか?

〇 有機物内にある分解されやすい物質(糖やたんぱく質)は早く分解されて微生物のエサになって無くなっていくが、リグニンなど難解性有機物は微生物の作用により変性(分解と再合成)を繰り返して腐植物質(フミン酸、フルボ酸、ヒューミン)になる。その割合は、牛ふん堆肥;10~20%、植物性堆肥;20~30%。
残りの堆肥=非腐植物質(リグニンなどの難解性有機物)も順次分解と再合成を繰り返して腐植物質に変わっていくようである。

🔵 まとめ
腐植物質とは、微生物が有機物を分解する過程で生成される、分解されにくい高分子有機物の集合体で、フルボ酸・フミン酸・ヒューミンの3種に分類されます。これらは、土壌の団粒構造を形成し、保肥力を高め、植物の根の生長や微生物の活性を支えるなど、土壌の健康と作物の生育に不可欠な存在です。

 

 

 

チランジア

2023.1.28
このチランジアは、3年前に豊平公園の展示温室売店で買ったときのもの。茎は細く、葉の枚数も6~7枚。 2024.2.1
それから1年、葉の枚数も増え、茎も太くなり、一回り以上大きくなりました。
2024.2.1
写真のように小さなかごに入れて窓際に吊るしてやりました。
かごのチランジアに比べて広口瓶のものの方が大きく見えますが、同じ日に写真を撮っているので、この二つは同じ大きさです。
2026.2.4
それから、さらに2年が過ぎ、草丈と葉の枚数は2倍に、茎も一段と太ってきました。
ミズゴケに挿していますが、根は全く出ていません。

購入後丸3年が過ぎ、株も大きくなってきたので、
「花がいつ咲くか?」
が気になり、AIに尋ねてみました。

🔵 AIへの問いかけ、
・葉が6~7枚の小さなチランジアの株を購入して3年経過
・現在は、草丈は約2倍、葉の枚数は25~27枚、茎の太さは2~3倍に
・置き場所は、直射日光はほとんど当たらない明るい窓際
・住まいが札幌なので、6~9月は風通しは良いが、それ以外は窓は占めっぱなし
・日常の管理;週3~5回くらい、朝に霧吹きで水やり
・肥料はほとんど与えていない
・種類は不明、サイトの図鑑では“ベルゲリ”に似ている

以上の条件で問いかけると、

🔵 AIの回答は、
「株のサイズがここまで来ているので、 あと1〜3年以内に開花する可能性が高いです。」

このまま、今までどおりの管理をしていれば1~3年先が楽しみです。
それにしても、AIは凄いですね。以下はAIの回答全文です。

ここまでの追加情報で、開花までの推定精度が一気に上がりました。 葉数25〜27枚・草丈2倍・茎の太さ2〜3倍 というのは、ベルゲリ系としては「ほぼ開花サイズに到達した」状態です。

結論から言うと、 今の株は “開花まであと1〜3年” の段階に入っています。

🌸 開花までの推定年数(現在の株の状態から逆算)

■ 葉数25〜27枚

ベルゲリが開花する典型的な葉数は 15〜25枚前後。 すでにその範囲に入っており、むしろ「開花可能サイズ」に達しています。

■ 草丈・茎の太さが2〜3倍

ベルゲリは開花前に

  • 茎が太くなる
  • ロゼットが広がる
  • 葉数が増える という“成熟サイン”が出ます。

治彦さんの株は、まさにこの段階に入っています。

■ 3年間でここまで成長した

札幌の光量・通風条件を考えると、 成長速度としてはむしろ良い方です。 このペースなら、開花は十分現実的。

結論:開花までの推定

■ 現状の環境のまま

1〜3年以内に開花する可能性が高い

■ 光量・通風を少し改善した場合

1〜2年以内に開花する確率がさらに上がる

(特に冬のLED補光と弱風ファンは効果が大きい)

🌼 開花が近い株の特徴(チェックポイント)

  • 株全体がふくらむ
  • 葉の中心部がやや明るい色になる
  • 子株(パップ)が出始める
  • 葉の付け根が詰まり、ロゼットが密になる

これらが見え始めたら、 半年〜1年以内に花芽が上がることが多いです。

🔍 まとめ

株は、 すでに“開花可能サイズ”に到達している成熟株です。 環境的に成長が遅れやすい札幌でも、ここまで育っているなら、 あと1〜3年で開花するラインに入っています。

 

🌸 チランジア(ベルゲリ系)が開花するまでの一般的な年数

硬葉系チランジア(特にベルゲリ)は、 開花まで 3〜7年 かかることが多いです。

ただしこれは、 十分な光・風・栄養がある場合のスピード

 

 

堆肥 (9) 有機物を分解すると最後に何が残るのか?

家庭菜園の片隅にブロックで囲いをつくり、そこに夏の間に除草した草、野菜の残渣などを少量の土を間に挟みながら順次積んで置き、思い出したころに切り返しをする(2回程)と、翌春には黒褐色の土になっています。 少量ですが堆肥として畑にまいています。
この黒褐色の土(腐植化した土)は、
「微生物が有機物を分解し、再合成し、安定した高分子に変換した状態の土壌有機物」です。その主成分はフミン酸、フルボ酸、ヒューミンといった腐植物質で、これらは分解されにくく、数十~百年単位で残るという特徴があるそうです。

〇 有機物を分解すると最後に何が残るか?
微生物が有機物を分解するということは、自分の体の増殖と自分の体を維持するためエネルギーを得ることですが、その分解が進んで最後の物質が水(H₂O)と二酸化炭素(CO₂)になるのです。堆肥も有機物ですから、長い時間をかけて、最終的には水(H₂O)と二酸化炭素(CO₂)になります。
しかし、植物は根から窒素(N)やリン酸(P)、また、鉄(Fe)、マグネシュウム(Mg)といった微量要素(ミネラル)を吸収しているので、それらは土壌中に残ります。これらの物質は、他の鉱物と結合するなどの化学反応を経て沈殿するものや、土壌中の水の中を浮遊するものなど様々な形態があるようです。

ここで注目すべきは、堆肥の成分であるフミン酸、フルボ酸、ヒューミンといった腐植物質です。しかし、これらの物質も長い時間をかけて最終的には水と二酸化炭素に分解されるのですが、これら3種の腐植物質は、長期間に渡って堆肥の本質部分である、
・団粒構造を形成・維持する
・団粒構造ができることによって、土壌の保水性、排水性の改善
・団粒構造ができることによって、肥料(N・P・K 、微量要素(ミネラル)を土壌中に保持する力が高まる
※N・P・Kや微量要素は、土壌中で酸化や沈殿などの化学変化を起こすと、それらの物質は植物の根から吸収されなくなるが、フミン酸、フルボ酸、ヒューミンといった腐植物質に吸着した物質は根から吸収される
・堆肥は微生物の「えさ」であり、その微生物が増えることによって土壌の多様性が増し、乾燥や過湿、低温や高温など外部からのストレスに対する耐性が増す

というように、フミン酸、フルボ酸、ヒューミンといった腐植物質は堆肥の本質的価値を担っているのです。

次回は、
➀ 微生物(菌類や細菌 )が有機物を分解する過程で、団粒構造はどのようにして形成されるのか(微生物と団粒構造の関係)
➁ フミン酸、フルボ酸、ヒューミンといった腐植物質はどのような働き・作用があるのか?

を検討したいと思います。

 

節分 冬と春を分ける日

節分は二十四節季の一つで季節を分ける日という意味です。
1年に4回あり、立春、立夏、立秋、立冬のそれぞれの前日です。しかし、昔から節分は立春の前日、2月3日前後を指します。

それでは、なぜ立春の前日だけが節分になったのでしょうか?
新暦(現在使っている暦)が始まったのが明治6年で、それ以前は、立春が一年の始まり(旧暦の正月)とされていて、今日でいうお正月です。
その前日、つまり節分は現在の大晦日で、「新しい年を迎える前に邪気を払う日」として、特に重要視されていました。豆まきで「鬼は外、福は内」ってやるのも、まさにそのためなのです。

しかし、これは本州、特に関東以西の話、そこから遠く離れ遥か北に位置する札幌に生活する者にとって、
「冬と春を分ける」といわれてもピンと来ないというか、
「春はまだまだ先のこと」、
「節分なんて札幌のような北国には関係ない」
という感覚です。
しかし、面白いデータを見つけました。

このグラフは、札幌の1月~2月の過去30年間の平均気温(朝9時頃の気温)。
〇 表の見方
・左側の縦に並んでいる数値(0~-4)は気温
・上の小さな数値は月日

この折れ線グラフ、気温の流れを見ると、
・1月14日~1月30日まで半月の間、-3.5℃を一定間保った後、1月31日~2月3日の節分まで-3.6℃とその冬の最も低い温度を記録して、その翌日の立春に-3.5℃と0.1℃の気温が上昇。それ以降は気温が急上昇していく。

札幌の気温は、節分(立春)に底を打ってから、立春から急上昇していくのです。
12月20日に1年で最も昼間の短い冬至を、その約1カ月後の1月20日に1年で最も寒い大寒を迎えます。そして、その約2週間後に節分・立春があります。札幌ではこの期間が最も暗くて最も寒い時期に当たります。
そして、その期間が終わる節分から気温が下降から上昇する転換点なのです。正に季節の変わり目です。その変わり目の2月4日が「さっぽろ雪まつり 」の初日になります。

ちなみに、東京で最低気温(過去30年間の平均気温)を記録するのが、1月21日と1月22日です。気温は5.1℃。ちょうど大寒辺りになります。