樹まぐれ日記

ハナアカシア  ローズのニセアカシア

「今から30年以上前でしょうか。 街路樹のニセアカシアは、トゲがある、台風などの強風で倒れやすい、成長が早く、剪定を年に2回しなければならない などの理由で、街路樹を管理する側にとっては、それほどありがたい存在ではありませんでした。 そんな背景も合ってか、当時、それに代わるものとして、ピンクの花の咲くニセアカシアが街路樹に植えられました。 それは、樹高約3~4m、幹径10cmで、丸太状のニセアカシアの先に4ヶ所?ほどピンクの花の咲くニセアカシアを接木したものでした。 パラソルアカシアと呼ばれていたように記憶しています。 6月上旬には、まん丸い樹冠にピンクの花がきれいに咲いていました。 しかし、数年もすると、樹形が乱れ花も咲かなくなり、その街路樹自体もなくなってしまいました。 その理由は、札幌は雪が多いので、接木した枝が成長するとそれだけ雪を被る部分が多くなり、その重みで接木部分から折れてしまったのです。


2015.6.12  道路の右手は石山緑地。 歩道の左手は急斜面
ピンク色の花のニセアカシアが地面を覆うように生えています。 ニセアカシアを伐採すると、その周りに根萌芽があちこちに出てくるのですが、このアカシアもニセアカシアと同じように地下茎で繋がっているようです。


2013.6.15
歩道左下崖地にもこのように、地下茎が伸びてきて萌芽しています。


2012.7.15
このニセアカシアの特徴は、茎や葉柄にびっしり赤褐色の毛が密生することです。


2013.6.16
石積擁壁の天端から垂れ下がるピンクのニセアカシア。 この使い方は洒落ていて、管理の行き届いたところに植えることが出来れば、なかなかのものになりそうです。

ハナエンジュ:Robinia.hispida(ロビニア ヒスピダ)
北アメリカ原産の低木で、高さ0.5~2.0m。樹形は伏生状で、地下をほふく枝が走り、周辺に新株を生ずる。 枝、葉柄、花序などに赤褐色毛を密生する。 花は大きく、淡紅色または淡紫紅色で、5~6月に開花する。 性質は強健で、排水のよい土壌と十分な日照を好む。増殖には挿し木を行い、また地下より生じた株を分ける。庭木として植栽される。 八重咲種もある。(園芸植物大辞典)
上3枚の写真の樹種は、園芸大辞典の記載のとおり、ハナエンジュのようです。
2015.6.16  百合が原公園
樹高は約8m、幹径は20~25cmの立派なハナアカシアです。 このような高木を見たのは、写真の百合が原公園と滝野すずらん公園の2ヶ所です。 ハナエンジュは背が高くならずに地面を這う性質だと思っていたので、 この樹に近寄って見たとき、先ず接木の箇所を確認しました。 ところが、見当たらないのです。
調べてみると、「ニセアカシア (R.pseudoacasia:ロビニア プセウドアカシア) の根茎に接木され4~5mの木に作り変えられそれが出回っている」とウェブサイトに載っているのです。
「あぁ そうなんだ。 でも、台木はニセアカシアでも穂木はハナエンジュなのだから、その性質は残るというか、出てくるのでは? でも、作り方で高木にできるんだ」 と、疑問を持ちながら納得した次第です。

2015.6.16
普段、白い花のニセアカシアしか見ていないので、ピンクのニセアカシアを見ると、一瞬ハッとします。     
2015.6.16
近くで見ると、ニセアカシアの花房より大きいようで、豪華に見えます。

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