樹まぐれ日記

シナノキとオオバボダイジュ(その1)

今、シナノキの花が満開です。街を歩いているとき、公園などを散策しているとき、甘酸っぱいような香りがほのかに漂ってくることがあります。近くにシナノキかオオバボダイジュの花が咲いています。
023 シナノキ2011.7.22
ミュンヘン大橋近くの藻岩下公園にあるシナノキです。ちょうど満開のときに撮っています。白っぽく見えるのは、花の集まり(集散花序)と苞と呼ばれる細長い舌のようなものです。
2012.7.17
拡大写真です。
2012.714
苞がはっきり見えます。なぜこんなものをつけているのかと疑問に思いますが、実が落ちるとき、この苞ごと落ちるため、苞がプロペラの役割をして実全体が回転して落ち、種を遠くまで散布することができる のだそうです。樹木も意味のないものをつけていないのですね。
シナノキとオオバボダイジュは北海道を代表する樹木で、ここ藻岩山では、イタヤカエデ、ハリギリ、カツラ、ミズナラ、ホオノキ、エゾヤマザクラ、イヌエンジュ、キタコブシなどと混交しています。
2012.7.17
これは毎月初め定点観測している藻岩山です。赤い○の付いている白っぽく見える樹がシナノキかオオバボダイジュです。実は、この写真には写ってないのですが、右側の山の斜面には、ここ以上に白っぽい部分が多く見られます(シナノキ・オオバボダイジュが生えています)。円山に登ると、途中で大きなシナノキに何本も出会いますが、円山から藻岩山にかけて、シナノキ・オオバボダイジュが多いようです。この時期に白い花を咲かせる樹としてクリがありますが、双眼鏡で確認する限り、ここ藻岩山の斜面には見当たりませんでした。2012.7.17
シナノキは公園や街路樹にもよく植えられる樹です。
2012.7.1
これは、真駒内めぐみ公園(街区公園)にあるオオバボダイジュです。樹高は15~20m、幹径は1m弱です。真駒内団地造成時の昭和40年前後に植えられていますので、樹齢は50~60年と思います。3年前に剪定されていますが、それ以前から、このように丸くコンパクトにまとまっています。右下にある樹は、ツリバナです。
2012.7.14
これは、真駒内公園にあるシナノキです。花の咲く前で、白っぽく見えるのは、さきほどの苞とつぼみです。この樹はおそらく剪定など人間の手は加えられていない思います。まとまりのある、実に端正な樹形を作ります。ヨーロッパで街路樹や公園樹として最も多く利用されている樹の一つであることに納得します。


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