樹まぐれ日記

シナノキとオオバボダイジュ(その3)

シナノキとオオバボダイジュの花が7月中旬頃から咲き始めて、約1ヶ月が過ぎました。果実も実ってきています。
シナノキ科シナノキ属(Tilia属)で似たもの同士、シナノキとオオバボダイジュの違いを見てみます。先ず最初は花です。
1-008 シナノキ2012.7.22
二つの樹は似ているという先入観念があるのですが、拡大して見ると様相がだいぶ違います。シナノキの花は、雄しべが花弁より長く飛び出しているため、一見した感じ、ナナカマドやアズキナシの花を連想させます。一方、オオバボダイジュは雄しべが花弁より短いため、こじんまりとした花になっています。このように比較してみると、だいぶ違うものですね。
5月中旬の出葉は、シナノキがオオバボダイジュに比べて1週間前後早いのですが、反対に、開花時期はシナノキが1週間程度遅いようです。場所や樹木の個体によって開花時期は異なるのですが、南区内の両樹を観察していると、全般的にそれぐらいの差はあるようです。
2012.7.14
20128.9
果実はシナノキよりオオバボダイジュのほうが一回り大きいです。樹木図鑑では、シナノキの果実の大きさを5~7mm、オオバボダイジュを1cmと記載しています。果実の大きさは、一目見て両樹の違いがわかります。一回り大きいという表現はそれぐらいの違いです。
2012.8.11
2011.7.21
左がシナノキ、右がオオバボダイジュです。両樹を同時に見ることができる場合は、花や実がない時期でも直ぐその違いが判るのですが、単木の場合、特に街路樹や剪定されている樹は葉が大きくなり、その違いが判りづらくなります。その場合は、葉柄や葉裏の毛の有無を見て判断するすることになります。右側のオオバボダイジュの葉柄が白っぽいのは、毛(蜜毛)によるものです。


にほんブログ村

モバイルバージョンを終了