樹まぐれ日記

ガードレールを丸呑みするヤナギ

街中で、シュロ縄が幹に食い込んでいる街路樹、公園などで樹名板に取り付けてある針金などの線が樹幹に深く入り込んでいるのを見かけます。

 2012.7.28
しかし、この写真のようにガードレールのパイプを丸呑みしている樹を見かける機会はなかなかありません。飲み込んだのはヤナギです。
動物の場合、前方や周辺に邪魔物があれば、通常それを押しのけるか避けること考えます。樹は移動ができませんので押しのける以外に方法はありません。しかし、このパイプは樹に押されて通路側に湾曲している様子はなく、真っすぐです。樹はゆっくりじっくりパイプを丸呑みしたのです。街中で、歩道を歩いていると舗装板が盛り上がっているのをよく見かけます。それでつまずくと危ないのですが、なかなか補修してもらえません。この場合は、近くの街路樹の根が舗装板を持ち上げているのです。
根は舗装板を押し上げるのですから、このヤナギの幹もガードレールを横に押し曲げてもよさそうなものです。なぜ、押し曲げるのではなく、丸呑みしたのでしょか?
調べてみました。
樹は風が吹くと揺れたりしなったりします。その時に、ガードレールと接触します。その接触による刺激やその時にできる傷を直そうとするために、樹体内にあるオーキシンなどのホルモンがその部分に集まり、成長を早めて、周りより肥りが大きくなります。そして、樹皮がガードレールを押して成長するのではなく、それを取り込むようにして成長を重ねます。



2012.7.28
この写真は、ヤナギの樹幹が覆いかぶさるようにしてガードレールのパイプを飲み込んでいます。上から覆いかぶさるのは、葉でできた養分が上から降りてきて接触した部分に溜まってできたものです。
このヤナギのある場所は、真駒内南町4丁目、真駒内川沿いのサイクリングロードです。

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