樹まぐれ日記

オオカメノキ(ムシカリ)

1-043 オオカメノキ?2011.6.18  滝野すずらん公園
オオカメノキ(ムシカリ)は、公園など街中ではあまり見かけない樹ですが、札幌市の郊外を走る国道453号線(旧支笏湖線)や滝野すずらん公園へ通じる滝野御料線の山林縁で見かけます。そしてそれに気づくのは、花が咲く時期ではなく、秋口の赤い実が生っているときです。
1 冬芽
2010.9.12
夏が終わり秋に入るころには、このようにちゃんと冬芽の形をしています。将来葉になる部分が掌を合わせるようにしている形がかわいいです。
 2011.10.31
秋も深まる10月下旬になると、真ん中にある丸い花芽が膨らみ、両側にある葉はウサギの耳のように拡がります。
2011.3.13
3月中旬、展葉するにはもう少し時間が必要ですが、花芽はだんだん膨らんできています。大きさは1cm弱くらいでしょうか。オオカメノキは、冬の間、葉や花を包み保護する芽鱗がありません。それを裸芽(らが)といいます。その代わり冬芽は、星状毛という細かい毛に覆われていて、その毛が寒さを防いでくれているのでしょう。葉の葉脈がはっきりわかります。
この形は何かに似ているのですが、どうもそれが浮んでこないのです。それでも、なんとなくかわいい感じがします。
2011.3.13
万年筆のペン先のような形をしているのは、葉芽です。
2011.4.10
4月上旬、花芽が蕾になり、その蕾から花が膨らんできています。
2011.4.29
花軸も伸びてきて、一個一個の花も開く準備をしています。それよりも、両サイドの葉、その葉の葉脈に目が行きます。
2011.5.15
5月中旬、開花しました。オオカメノキの葉の特徴は、他の樹木の葉に比べると分厚めで照葉です。大きさや形は、その付く位置で相当の開きがあります。標準的な大きさは(写真の葉)で10~15cmくらいでしょうか。
2011.5.11
中央にある小さな蕾は雄しべと雌しべがある花です。周りに咲いている白い花は装飾花です。この花には雄しべと雌しべは退化?してありません。
このオオカメノキやカンボクなどガマズミ属の装飾花は、花びらが変化したもので、アジサイの仲間の装飾花は がく が変化したものだそうです。
2 名前の由来 
牧野新日本植物図鑑では、
虫喰われからきたもので、葉がよく虫に食われているからだという説があるがはたしてそうだろうか。またオオカメノキは、大きな亀の甲を思わせる葉がついているからであるという。
樹に咲く花では上述の二つの説を載せた上で、
ガマズミの漢名の莢迷(キョウメイ)がカメとなり、おおきなガマズミの意味で、オオカメノキとなったとする説が説得力がある
と書かれています。
3 Data
・科名 スイカズラ科
・属名 ガマズミ属
・学名 Viburnum furcatum
・花期 5月~6月
・分布 日本、千島、サハリン、朝鮮


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