樹まぐれ日記

アオダモ(その2)

前回のアオダモの花とさほど違いがないのですが、3日後の今日がちょうど満開のときのようです。
1-RIMG0027(赤字)
昨晩、カーテンを開けたら何やらいい香りがするのです。我家の居間の窓は凸型になっていて、カーテンと窓ガラスの間に花瓶挿しのアオダモが置かれています。ちょうどその間に香りが溜まっていたようです。そこでカーテンを開けたものですから、いい香りが鼻腔を刺激したのです。甘い香りではなく、清清しいというか、清楚な香りとうか、すっきりした香りです。
アオダモの花の、このような香りが漂ってくる経験が無かったので、清楚な花のほかにアオダモの良さを再認識したところです。
北国に住んでいると、アオダモの仲間で頭に浮ぶのは、名称に“タモ”がつくこともあって、大高木になりほとんど花と言えないような黒っぽい小さな花を咲かせるヤチダモだけなのです。それしか浮ばないのです。しかし、アオダモはモクセイ科に属し、その仲間には、レンギョウ、キンモクセイ、ギンモクセイ、ライラック、イボタの花木や、果実を利用するオリーブ、ジャスミン茶や鉢花で見るジャスミンなどがあります。いい香りを出す樹木が多いのです。これらの名前が出てくると さもありなん というところでしょうか.
<余談>
アオダモ(その1)で 小枝を水に浸けると青くなる話をしましたが、それに関わるちょっと印象に残るお話。
アイヌ研究の権威、児玉作左衛門医学博士は、イレズミの目的は①女の成熟をあらわす、②美の要素である、③結婚には欠くべからざる条件、の3つだが、この中で、「美の要素」が一番強い、と解釈している。50数年前(今から約100年前:明治の終わり~大正初め頃)、同博士が中学生のころ、八雲地方から函館市内に遊びにきたアイヌの娘をよく見かけたという。髪の毛が波形をうち、顔の彫りが深くてハダが白い17~18の娘が、口のまわりにした「ダークブルー」のいれずみは、実にきれいだった、という。「現代女性の赤い口紅と、アイヌ女性のブルーのイレズミと、どちらに軍配をあげてよいのか迷う」と同博士はいっている。(北方植物園:朝日新聞社編より)
17~18才の娘、波打つ豊かな黒い髪、白い肌、彫りの深い顔、その奥にある大きな目、そして口のまわりしたダークブルーのいれずみ 現代ではもう見ることができないその美しさとは、どんなものだったのでしょうか?


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