アオダモ 赤い果実

札幌は、このところ不順な天候が続いています。   空はどんよりと曇り、最高気温も20℃前後と低めです。 我家の家庭菜園のミニトマトは順調に生育しているのですが、キュウリはいまいち良くないのです。 5月30日に定植したときに、風除けとビニールマルチをしなかったのが未だに影響しているようです。 一度風や寒さに当てて生育を阻害すると、回復するのに時間がかかるようです。 週末には日差しが戻るようなので、気温が上がることを祈ってます。

アオダモ
2014.5.24
5月下旬~6月上旬にかけて、アオダモは写真のように涼しげな白い花を咲かせます。
そして、
アオダモ
2013.6.23
1ヶ月も経たないうちに、白い花から樹冠全体が赤く染まります。

アオダモ
2013.6.23
赤い花が咲いているように見えます。

アオダモ
2015.6.12
それは果実(翼果)で、トンボの羽のような形(倒披針形)をしています。 長さ2~3cm。

アオダモ
2013.8.3
夏場になると、果実は鮮やかな赤色が抜け、緑色が増してきて、 秋口には褐色に変化します。

アオダモ(その3):冬芽

134 アオダモ2010.3.13
冬芽は黒褐色で、1~2枚の芽鱗に包まれ、大きさは5~6mm
086  アオダモ2011.2010.9.18
夏場の芽
※夏場の芽はほぼ無毛ですが、冬芽は細かい毛が密生しています。
f0165160_1764258.jpg2013.3.13
枝のつき方は対生。ヤチダモ、ハシドイ、ライラック、イボタなどモクセイ科の樹木は対生のものが多いようです。

アオダモ(その1)

アオダモ(その2)

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アオダモ(その2)

前回のアオダモの花とさほど違いがないのですが、3日後の今日がちょうど満開のときのようです。
1-RIMG0027(赤字)
昨晩、カーテンを開けたら何やらいい香りがするのです。我家の居間の窓は凸型になっていて、カーテンと窓ガラスの間に花瓶挿しのアオダモが置かれています。ちょうどその間に香りが溜まっていたようです。そこでカーテンを開けたものですから、いい香りが鼻腔を刺激したのです。甘い香りではなく、清清しいというか、清楚な香りとうか、すっきりした香りです。
アオダモの花の、このような香りが漂ってくる経験が無かったので、清楚な花のほかにアオダモの良さを再認識したところです。
北国に住んでいると、アオダモの仲間で頭に浮ぶのは、名称に“タモ”がつくこともあって、大高木になりほとんど花と言えないような黒っぽい小さな花を咲かせるヤチダモだけなのです。それしか浮ばないのです。しかし、アオダモはモクセイ科に属し、その仲間には、レンギョウ、キンモクセイ、ギンモクセイ、ライラック、イボタの花木や、果実を利用するオリーブ、ジャスミン茶や鉢花で見るジャスミンなどがあります。いい香りを出す樹木が多いのです。これらの名前が出てくると さもありなん というところでしょうか.
<余談>
アオダモ(その1)で 小枝を水に浸けると青くなる話をしましたが、それに関わるちょっと印象に残るお話。
アイヌ研究の権威、児玉作左衛門医学博士は、イレズミの目的は①女の成熟をあらわす、②美の要素である、③結婚には欠くべからざる条件、の3つだが、この中で、「美の要素」が一番強い、と解釈している。50数年前(今から約100年前:明治の終わり~大正初め頃)、同博士が中学生のころ、八雲地方から函館市内に遊びにきたアイヌの娘をよく見かけたという。髪の毛が波形をうち、顔の彫りが深くてハダが白い17~18の娘が、口のまわりにした「ダークブルー」のいれずみは、実にきれいだった、という。「現代女性の赤い口紅と、アイヌ女性のブルーのイレズミと、どちらに軍配をあげてよいのか迷う」と同博士はいっている。(北方植物園:朝日新聞社編より)
17~18才の娘、波打つ豊かな黒い髪、白い肌、彫りの深い顔、その奥にある大きな目、そして口のまわりしたダークブルーのいれずみ 現代ではもう見ることができないその美しさとは、どんなものだったのでしょうか?

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アオダモ(その1)

3月中旬(17日)に公園から枝をいただいて(失敬して)きて、花瓶に挿して置いたものです。2週間ちょっとで開花しました。<花を咲かせるために、毎日花瓶の水を取り替えています。>
1-RIMG0009-001.jpg2013.4.1
水挿しでは葉も花も大きくなれないようです。花の大きさ(円錐花序の花冠)は本来なら10cm以上になるのですが、5cmほどでかなり小さめです。。
私の住んでいる南区では、アオダモと同じ仲間(同属)のヤチダモは河川敷などの自然林でよく見かけるのですが、アオダモは見かけません。専ら公園です。
1-011 アオダモ2010.8.28
これは、清田区にある平岡樹芸センターで撮ったものです。同じ仲間のヤチダモの真っすぐ上に伸びる、男らしいというか、勢いのある樹形に比べると、アオダモは、女性的で品のある樹形をしています。
・ヤチダモ:樹高30mになり、北海道では最も高くなる樹の一つ。幹径は太いもので1mくらいになる。
・アオダモ:大きいもので樹高10~12m、幹径は太いもので60cmくらいにはなるそうです。
冬芽 ~ 新葉 ~ 開花
1-056 アオダモ2012.12.2
冬芽の大きさは1cm前後。写真の冬芽の色は濃い紫をしていますが、本来はもっと白っぽい青紫。芽鱗(冬の間花や葉を保護する鱗状の小片)には細かい毛が生えています。写真で気づきました。一見しただけではそのように見えないです。それぐらい細かい毛が密生しています。冬芽(頂芽)の基部に左右1個づつ、かわいく側芽がつきます。
1-002 アオダモ2011.5.22
5月下旬、つぼみが膨らんできます。
1-032 アオダモ2013.5.18
追記:2013.5.20 これもアオダモのつぼみが膨らんでいるところです。
1-060 アオダモ2011.5.25
1-046 アオダモ2011.5.25
1-065 アオダモ2012.6.5
アオダモは雌雄異株で、雄株に雄花が、雌株に両性花(雄しべと雌しべを持つ花)がつくようです。写真の花は雄花?雌花?はっきりわかりません。花瓶挿の花をよく見ると、4枚の花弁と雄しべが2本、雌しべが1本あります。雌花です。
それにしても、雌株には両性花がつくのですから、雄花しかつけない雄株は必要ないように思えるのですが、どうでしょうか?アオダモは今までの長い間、このような方法で生き抜いてきたのですから、雄株も何らかの必要性があったのでしょう。しかし、その必要性って何なんでしょうね?
1-057 アオダモ2011.7.24
果実は翼果で、プロペラ(回転羽根)のような形をしています。
※翼果:果皮の一端が伸びてできた膜状の翼があり、風に乗って飛散する。カエデ・ニレなどにみられる。
名前の由来
「樹に咲く花」よると、
枝を切って水につけると水が青くなることによる。
アイヌの人々は、アオダモの樹皮を煮出して得た青い汁で、オヒョウの樹皮を製糸して作ったアツシと呼ばれる織物を染めたそうです。
1-010 アオダモ2011.10.26
実際にやってみました。最初、小枝をぶち切りにして数本水に浸けたのですが,全然水の色に変化が無かったのです。それで、小枝を縦割りにして内部の断面を大きくしました。その枝をコップの水に数分~10分程度浸けておきました。コップを真横から見るとほとんど透明にしか見えないのですが、角度をかえて斜め上から見ると上層部の水が薄青く変化していました。
これは10月下旬の落葉前に試しています。その理由は、この時期は樹木も冬の寒さと春の芽出しに備えて、樹木内部に最も養分が蓄えられている時期と思ったからです。しかし、思ったほど青くはならなかったです。少々期待はずれです。もしかして、夏場のほうがコップの水は青くなったかもしれません。
Data
・科名 モクセイ科
・属名 トネリコ属
・学名 Fraxinus lanuginosa
・花期 6月上中旬
・分布 日本、南千島、朝鮮


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