樹まぐれ日記

キタコブシ(その3)

4月下旬、周辺の山々がまだ灰褐色の色合いの中で、ぽつんぽつんと白いもの、コブシの花が咲き始めます。ゴールデンウィーク頃には、山のあちらこちらにコブシの花を見ることができます。
1-157 コブシ2011.4.30
キタコブシの花です。右上のピンクの花はエゾヤマザクラです。
①冬芽
2011.3.13
①花芽:花芽は長い毛に覆われています。もしかして、葉芽の左側にあるのは退化した?、出来損ないの芽鱗なのでしょうか?写真を見て初めて気づきました。キタコブシの芽には芽鱗はないものと思っていました。
②葉芽:短毛が密生。花芽と葉芽では同じ樹種とは思えないくらい様相が違っている。
③葉痕:V字型をしているのが維管束痕。その上の丸っぽいのは葉芽なんでしょうか?
④皮目:白っぽいのが皮目
2012.4.15
②名前の由来
・拳の意味で、つぼみの形によるものである。実をかむと辛味があるので、昔はこれをヤマアララギまたはコブシハジカミといった。ヤマアララギは山に生えて辛味があるから言ったものだろうし、コブシハジカミのハジカミはサンショウのことで、サンショウのように辛味があるという意味である。(牧野新日本植物図鑑)
・こぶしの名はつぼみによるとするのが通説で、古い歌に、「時しあればこぶしの花もひらけたり、君がにぎれる手のかかれかし」というのがある。しかし、秋成熟した果実の形がもっと拳の形に近いので、これによるものだという人もいる。(木の大百科)
2012.9.1
2012.10.12
上の2枚の写真はコブシの果実です。9月初めと10月中旬に撮っています。あいにく、つぼみの写真ファイルがなく、つぼみと果実の二つを比較できないのが残念ですが、私としては、夏の終わりにできる果実、果実のもこもこ感が手を握った拳を連想させ、木の大百科の後者の意見を持ちたいです。
③Data
科名 モクレン科
属名 モクレン属
学名 Magnolia kobus var.borealis Sarg * boreais は北方の意
花期 4月下旬~5月上旬
分布 北海道、本州中部以北
④知事公館のコブシ
2012.4.30
樹高は12・3m~15m弱くらいでしょうか。コブシの独立樹です。撮影日が4月30日ですので、都心部だと花は咲いているはずなのですが、ほとんど咲いていません。上の枝先に白いものがぽつんぽつんと見えます。それが花です。今年は花が咲かない年なのでしょう。
この樹を撮った目的は、整然と伸びた枝先ときれいに整った樹形のためです。花が咲いていないので、かえって樹形の美しさが目を引きます。


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