堆肥(14) 植物の根と菌類の関係(その3)

今から5億年前弱(地球が誕生して41億年が経過)、ゼニゴケ様の植物が陸上に進出したとき、すでに陸上に進出していた菌類は菌糸で岩盤を溶かしながらその中に入り込み栄養素を取り出すことができていました。
一方、植物は仮根だけでは十分な栄養を吸収できず、菌類の菌糸が仮根に絡みついてリンなどの無機栄養を供給しました。 この原始的な菌根との共生こそが、陸上植物の生存と進化を可能にしたのです。植物が陸上に進出した当初から両者は共生関係にあったのです。言い換えれば、植物は菌類との共存無しにでは陸上への進出はできなかったのです。
堆肥(13)植物の根と菌類の関係(その2)で記述したように、ゼニゴケ様植物の仮根はリンや窒素、微量要素を吸収する能力を持っているのですが、仮根だけでは栄養を取り込む力が弱かったので、菌類の菌糸が仮根の周囲に絡みつき、栄養を届けるという関係が自然に成立したのです。

🔵アーバスキュラー菌根菌(AM菌)

植物の根と最初に共存した菌がアーバスキュラー菌根菌と考えられています。菌類は菌糸を土壌中の微細な隙間に入り込ませ、植物の根の届かない何倍もの範囲から栄養を吸収することができるのですが、このアーバスキュラー菌根菌は、その菌糸を植物の根の細胞内に入れて、アーバスキュール(樹枝状構造)を作り、土壌中から吸収したリン酸などの栄養分を植物に渡します。一方、植物は光合成で作った糖を菌に渡すというお互いが利益を得る「相利共存」の関係にあったのです。

〇 それでは、植物と菌根菌はお互いにどれくらいの量、割合を物々交換いていたのか?

研究によれば、おおよそ、植物の光合成でつくられた有機物で4~20%を菌類が受け取っていて、反対に、植物が菌類から受け取るリン酸や微量要素などの栄養素、例えば最も量の多いリン酸では、植物が吸収するリン酸の50~90%をアーバスキュラー菌根菌が供給し、土壌がリン不足の場合はほぼ100%を菌が供給する例もあるそうです。

リン酸は土壌中の鉄(Fe)やアルミニウム(Al)といった金属イオンと結びついて、水に溶けない化合物(リン酸塩)になって、植物はそれを根から 吸収できなくなります。 例えば、畑にリン酸を含む肥料をまくと多く(70~90%)は数日~数週間で不溶化(根が吸収できなくなる)してしまいます。その意味で、植物にとってアーバスキュラー菌根菌は、切っても切れない大きな役割を果たしている存在だといえます。

 

 

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