心材と辺材

樹幹の木口面、即ち丸太の断面図では、最も外側を樹皮が覆い、その内側の外周近くが淡色で内部が濃色に見えることが多い。 外周近くの淡色部分は生きている辺材で、内部の濃色部分は生細胞を含まず、通導機能を停止している心材である。 中心には樹皮や木部に比べて非常に小さく目立たないが髄がある。 

辺材は根から吸い上げた窒素、リン酸、カリウム等の無機塩類を含む水分を樹体の各部へ供給する機能(水分通導機能)を有し、また一部の細胞は生きていて光合成の産物のでんぷん等を貯蔵する機能を果たしている。 辺材細胞は内側の古い部分から少しづつ生活機能(水分通導機能、養分貯蔵機能)を失い、心材化する。 同時に、材木中に水分を多く含んだ状態から徐々に水分を失っていく。 

辺材として通導機能を果たす年数、即ち心材化までの年数は樹種や個体によって異なるが、普通は数年間である。 辺材の幅は1cm未満から数cm以上もある。 従って、若木では心材は形成されておらず、木部の全てが辺材である。 しかし、ハリエンジュやイヌエンジュのように1~2年で心材化するものもあり、一方ではブナのように明確な正常心材を持たないものもある。 (最新・樹木医の手引き より抜粋)


シナノキ                        プラタナス
ドロノキ                         ハルニレ

上述の説明のとおり、心材化は樹種によってかなり違うもののようです。
プラタナスやドロノキのように辺材と心材が明確に分かるものと、ハルニレのように心材化の移行があいまいなものまで、色々あるようです。
上述の説明で、「ブナのように明確な正常心材を持たないものもある」 とありますが、シナノキもこの仲間なのでしょうかね。

<余談>
以下は建築材としての辺材と心材の違いを説明しているページです。
⇒ http://www.mpl.co.jp/post_95.php

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA