60代半ば?から夜間に街灯の周りが白っぽくなるのに気づきました。それからしばらくはそれほど気にはしていなかったのですが、70代に入ると照明の周りの白っぽく見えるのが大きくなり、また、視力の低下も自覚するようになりました。 白内障手術をしようと決めたのは、免許の更新が近づいていたことです。
白内障の進行度合いを表すのにグレード1~4があります。 私の場合は、担当医から2.5と言われました。
・グレード2;進行が進み、水晶体の濁りが顕著に現れます。また、視界がかすみ色の識別がしにくくなることが多いです。特に夜間の運転時に対向車のライトがまぶしく感じるケースが増えます。50歳以上の約60%がこの段階に該当するとされており、生活に支障をきたす場合には治療の検討が必要です。
・グレード3;水晶体全体が白く濁り、視力が大幅に低下します。
この段階まで進行すると視力が0.3以下になるケースが多く、眼鏡やコンタクトレンズでの改善が困難です。
車の運転については、ここ数年、夜間は怖くて運転していなかったし、昼間もフロントガラスの前にある板のようなものを常時下げていました。視力の低下も自覚していたので、上述の白内障進行度グレード2.5というのは当てはまる数値のようです。
7月初めに白内障手術を受けました。
白内障手術は日本国内において年間約160万件行われており、技術の確立した安全度が高い手術のようです。
しかし、手術日が決まってからその当日まで約2ヵ月あったのですが、なにしろ目のことなので、手術日が近づくにつれて心配になるというか不安が増してきます。 担当医と手術日を決めた後に、看護婦?さんから手術と入院に関する説明と資料を受け取るのですが、その中の手術に関する同意書に危険性などが箇条書きされています。 それは10個?くらいあって、その内、数字で発生率が記載されていたのが2つありました。
一つは、傷口からの炎症に伴う目の痛み、最悪の場合は失明するとのことで、その確率が1/2000とのこと。 これについては、私は糖尿病などの基礎疾患が無いので手術後、医師の指示をきちんと守って目薬をさしていれば 大丈夫ではないかと自分では思っていました。
二つ目が問題です。このことを話す前に白内障手術と目の構造について説明する必要があります。白内障手術は、濁っている水晶体を超音波で破砕し、それを取り除いた後に人工レンズを入れる手術です。
※ 画像は EYE WEAR LABさんのサイトからお借りしています。
→ 目の仕組みについて|目の構造をイラスト付きで紹介!目の働きも分かりやすく解説 – グラスファクトリー【EYE WEAR LAB】
目の構造については上図のように、水晶体の奥に硝子体があります。この2つを仕切るのにセロファンのような薄い膜があるのだそうです。
それで、その説明書には、そのセロファンのような薄い膜が破損(これを破嚢という)する可能性が1%程度あると書かれているのです。 破嚢による失明に関することは書かれていないのですが目に悪い影響を与えることは確かで、この1%を高いとみるか低いとみるかは個人によって別れます。 このことをパソコンで調べると、強度近視の人や80歳を超える高齢者(水晶体が硬くなるため)でその確率が高くなることが判り、私はまさに強度近視で、小中学校おいて学業では1番になれなかったですが、目の悪さでは常に1番というくらい目が悪かったので、この破嚢ということについてはちょっと以上に心配しました。
担当医にこのことを尋ねると、
「手術は人間が行うので100%ではないので、医師の技術レベルや受ける側の目の性質によることもあり、それは起こりえます。」とのこと。
至極当然の話で、そのことで完全に納得できた訳ではないのですが、とりあえず、担当医に話したことで、自分の心のもやもやが少し晴れたことと、担当医が私の話を当然のように受け止めている態度、全く普通の態度であったことが私の心を落ち着かせたようです。
そんなことで、当日はそれほどの緊張もなく手術に臨めました。
自宅で手術3日前から抗菌目薬を4回/日さし、当日は2時間前から30分間隔で3回目薬をさされます。また、万が一のために、異常が起きた時に直ぐ輸血できるようにと針を腕にさされました。
看護婦さんが部屋に来て
「時間ですから」と声をかけられ、看護婦さんに付き添われて手術室まで歩いていきます。 手術室に近づくと消毒液のツンとした匂いが鼻に入ってきます。 手術室に入ると担当医に指示されて手術台に座り、理容室でひげを剃ってもらう体制になります。 看護婦さんが私の体に布を覆うなどしてから、手術する片方の目以外をブルーシート様のもので覆います。
先生が「手術を始めます」といったどうかは定かではないのですが、目を洗浄されてから、
「目に麻酔を注射します」
という先生の声を記憶しています。これはほとんど感覚はなかったです。おそらく、手術前の30分間隔の3回の目薬による効果なのでしょうか。
しばらくすると、目の中心部が不整形に黒く(その外側からは光が入ってくる)なっていて、私の左横からウィーンウィーンというポンプ?の音がします。 おそらく、超音波を当てて水晶体を破砕 しているところだろうと推測していました。目の中心部の黒い不整形状のものが少しづつ形を変えるので、目に挿した細い管が水晶体を破砕して吸引しているのだろうなと思っていました。その間、自分の両手は手術台の肘掛けをしっかり握っていることを記憶しています。
先生に「上を見ないで真っすぐ前を見て」と言われて、おそらく、緊張のため身体が強張って目も額の方に上向いてしまうのでしょう。それからしばらくして、
「レンズ」という先生の声が聞こえました。
濁った水晶体の破砕と吸引が終わったのだと思いました。
その間は5~10分程で、破嚢などの何か通常でないことが起こると30~40分かかるという予備知識があったので、「レンズ」という声を聞いて、「上手くいったのだな」と思い、強く握っていた手が緩みました。
先生の「終わりました」という声掛けで手術台から起き上がり、お礼の挨拶をして手術室を出ました。待っていた看護婦さんに車椅子に乗ってくださいと促され、それで病室まで移動しました。
病室に戻ると看護婦から、術後2時間は体を動かさないでベッドで休んでいるように指示されました。そのときに血圧を測られるのですが、看護婦さんが、
「手術前が116、手術中が151、術後が131」
と、やはり手術中は緊張して高くなるようです。 看護婦さんによると、
「200近くになる人もいますよ」と教えてくれました。夕食前?に看護婦さんから3種類の目薬とそれらのさし方(この目薬は朝昼晩、別の目薬は朝と晩だけ)を書いた紙を渡されました。複数の目薬をさす場合、それらの間隔は最低5分空けるのですが、4日間入院して5分置きに看護婦さんが病室に確認しに来ました。
就寝時間は10時で、照明灯を消すように言われました。なかなか寝付かれませんでした。夜中に我慢が出来ないほどの痛さではないのですが、目がズキンズキンとうずくのです。 寝入ったのは午前2時を過ぎていました。
翌朝、目の具合について看護婦さんに問われて、
「夜中の2時まで眠れませんでした」と答えると、
「ナースコールしてくれれば、傷め止めを処方できたのに。 前もって飲む人もいますよ」とのこと。
そして、担当医による術後の検診です。先生に診察してもらう前に、眼圧・視力検査を受けます。 看護婦さんに眼帯を外してもらって、目を開けると視界が明るく、物が以前より明確に見えます。 「手術は上手くいったんだ」とそれまでの不安が完全に消えました。その後の先生の診察でも異常はなかったのですが、眼圧は26と高めでした。その後、10日ほどで通常に近い眼圧(14~15)に戻っています。
以上が右目の手術です。1日空けて左目の手術を受けました。 両目とも何事もなく手術を終え、視力検査でも、裸眼で左目0.4、右目0.2で、メガネで矯正すると左目1.2、右目0.9見えるようになりました。
白内障手術は、現在では入院することなく日帰り手術が普通に行われています。 しかし、私のような強度近視で70代半ば近くになる身では、手術後の異変の起きやすさを考えると、しっかりした入院できる病院が正解のように思えます。
最後に免許更新も無事終え、QOL(クオリティ オフ ライフ)は数年前の状態に戻りました。ただし、夜間の運転は控えるというより、やはり怖いのでしていません。